ビルメンテナンスの仕事は、ビルのオーナーや管理会社の担当者の方にとって、非常に重要な役割を担っています。
この記事では、ビルメンテナンスを行う際、業界で求められる資格とその必要性について詳しく説明します。
具体的には、「ビルメン5点セット」や「ビルメン3種の神器」といわれる資格の有効性や重要度について、お話ししますので、ぜひ参考にして下さい。
ビルメンテナンスの仕事を行う専門家が、どのような資格を持ち、どのような業務を行うのかをしっかり把握できるよう、分かりやすくお伝えします。
ビルメンテナンスに必要な資格とは?(ビルメン5点セット)
ビルメンテナンスに必要な資格の中でも、特に大切な「ビルメン5点セット」とは、以下の5つの資格です。
①第二種電気工事士
②危険物乙種4類
③2級ボイラー技士
④第三種冷凍機械責任者
⑤消防設備士
これら5つについて、詳しくお話ししていきます。
第二種電気工事士の資格と役割
第二種電気工事士は、ビルメンテナンスの分野で欠かせない資格の一つです。
この資格を持つことで、一般住宅や小規模ビルの電気工事を行うことが許可されます。具体的には、電気配線の設置や修理、電気設備の点検などが業務範囲に含まれます。
ビルメンテナンスでは、電気系統のトラブルが発生することが少なくありません。
そのため、電気に関する知識と技術を持つ第二種電気工事士がいることは、業務の円滑な遂行に必要不可欠です。特に、電気の安定供給や安全管理が求められる現場では、資格保持者の存在が必要になります。
一方で、この資格は「第二種」とあるように、規模の大きな工場やビルの電気設備には対応できない点がデメリットです。
そのため、ビルの規模や設備によっては、さらに高度な資格が必要になるケースもあります。それでも、第二種電気工事士は基本的な電気工事をカバーできるため、ビルメンテナンスの現場では非常に重宝されます。
第三種冷凍機械責任者の資格取得について
第三種冷凍機械責任者は、冷凍設備の管理を行うための資格です。
この資格を持つことで、冷凍設備を安全に運転・保守できるようになります。ビルメンテナンスでは、冷暖房設備や冷蔵設備が重要な役割を果たしており、冷凍機械の適切な管理は快適な環境維持に直結します。
この資格を取得するには、まず指定の講習を受け、筆記試験に合格する必要があります。
試験内容には冷凍技術や機械の構造、安全管理に関する知識が含まれ、合格にはしっかりとした学習が求められます。講習や学習にかかる時間は個人差がありますが、しっかり計画的に取り組むことで十分に対応可能です。
ただし、資格を取得しても、すぐに高度な冷凍機械を扱えるわけではなく、実務経験を積む必要があります。
また、資格保有者が少ないために、ビルメンテナンス業界では希少価値が高く、その点は大きなメリットといえます。冷暖房のトラブルが発生した際に、すぐに対処できるスキルは現場で重宝され、キャリアアップにもつながります。
危険物取扱者乙種4類の重要性
危険物取扱者乙種4類は、ビルメンテナンスにおいて重要な役割を果たす資格です。
この資格を取得することで、ガソリンや灯油、軽油などの「第4類危険物」を安全に取り扱うことができます。特に、これらの危険物は暖房や発電機などに使用されることが多く、ビルメンテナンスの現場では頻繁に関わることになります。
乙種4類が必要な理由の一つとして、危険物の取り扱いに伴うリスクがあります。
これらの物質は可燃性が高いため、取り扱いを誤ると火災や爆発の原因となる可能性があります。適切な知識と技術を持つ資格保持者が現場にいることで、安全管理が徹底され、事故のリスクを最小限に抑えることができるのです。
また、法的に定められた基準に従って危険物を扱うため、この資格はビルの管理において信頼性を高める要素となります。
一方で、この資格の取得には、危険物の性質や取り扱いに関する知識が求められます。
試験内容は化学の基礎から危険物の取り扱い方法まで幅広くカバーされているため、しっかりとした知識が必要とされます。
資格を取得することで、ビルメンテナンス業務全体の安全性を向上させるだけでなく、専門性の高いスキルを持つ人材として重宝されるでしょう。
二級ボイラー技士が求められる理由
二級ボイラー技士は、ビルメンテナンス業務で非常に重要な資格です。
この資格を持つことで、ボイラー設備の運転や保守、点検を行うことが許可されます。ビルでは暖房や給湯設備にボイラーが使用されることが多いため、適切なメンテナンスを行うために資格保持者が必要となります。
ボイラーは大型の機械であり、適切に管理しないと事故や故障の原因となることがあります。
二級ボイラー技士は、これらのリスクを避け、効率的かつ安全にボイラーを運転するための知識と技術を持っています。例えば、ボイラー内の圧力や温度の管理、燃焼効率の調整、トラブル時の対応方法など、実務に即したスキルを活かして、ビルの快適な環境を維持します。
ただし、資格を取得しただけでは実際の現場でスムーズに対応できるとは限りません。
実務経験を積むことが求められ、トラブルシューティングや日常的な保守点検を確実に行うためのスキルが必要です。
それでも、この資格を持つことでビルメンテナンス業界では信頼され、ボイラー設備を扱う現場での価値が大いに高まります。
消防設備士の資格で対応できる業務
消防設備士の資格は、ビルメンテナンスの現場で非常に重要な役割を担っています。
この資格を取得することで、消防設備の設置・点検・整備を行うことが可能になります。具体的には、火災報知器やスプリンクラー、消火器などの消防設備の設置作業や、定期的な点検業務を担当することができます。
これらの設備は火災の際に人命や財産を守るために必要不可欠なものであり、適切に管理されていることが法的に求められています。
ビルメンテナンスにおいて、消防設備士の資格保持者がいることで、建物内の安全基準を満たし、消防法に基づく適切な保守点検を行うことができます。
また、定期的に行われる消防設備の点検結果を報告する義務もあり、この報告を通じて安全な環境の維持が保証されます。
これにより、火災発生時の被害を最小限に抑えることができ、建物の利用者やオーナーにとっても安心感が得られるのです。
一方で、消防設備士の資格には複数の種類があり、例えば「甲種」と「乙種」で取り扱える業務範囲が異なります。甲種は設置・点検・整備のすべてを行えるのに対し、乙種は点検と整備が主な業務範囲です。
そのため、自分が対応する業務に合わせた資格取得が必要です。この資格を取得することで、ビルの安全を支える重要な業務に携わることができ、責任ある役割を求められることとなります。
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ビルメンテナンスに必要な資格とは?(3種の神器)
ビルメンの仕事をするうえで取得すると便利な資格は、ビルメン5点セットの他に「ビルメン3種の神器」があります。
ビルメン3種の神器とは、以下の3つの資格です。
① 第三種電気主任技術者(電験三種)
② 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
③ エネルギー管理士
ビルメン3種の神器に指定されている資格は、ビルメン5点セットと比べるとどれも取得難易度が高めです。合格するまで数年かかるケースも珍しくありません。
ビルメン5点セットを取得したうえで挑戦するなら、同じ電気系統の資格である第三種電気主任技術者から取り組むのがおすすめです。
第三種電気主任技術者(電験三種)
第三種電気主任技術者(電験三種)は、電気設備の保守や点検を行うための重要な資格です。
この資格を持つことで、一般の電気設備に関する知識と技術を身につけ、電気設備の運用や管理ができるようになります。具体的には、発電所や変電所、工場などの電気設備に関して、安全かつ効率的に運用するためのスキルが身に付きます。
この資格が求められる理由は、電気設備のトラブルが発生した場合に迅速かつ的確な対応が必要だからです。
特に大規模な施設や工場では、電気系統の安定供給が求められ、トラブルが発生すると大きな影響を及ぼすことがあります。電験三種を取得することで、設備の点検やトラブルシューティングが行えるため、安全な運用を確保する上で欠かせない存在となります。
さらに、電験三種は電気工事士など他の資格とも連携しやすいため、キャリアアップにもつながります。
電気に関する広範な知識を持つことで、より高度な業務を担当する機会が増え、専門性を高めることができるのです。結果として、ビルメンテナンスや電気関連の職業においても、需要が高まるスキルを身に付けられるのが魅力の資格です。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
建築物環境衛生管理技術者、通称ビル管理士は、大規模なビルや施設における環境衛生を管理する専門家です。
法律により、延べ面積3,000平方メートル以上の建築物では、ビル管理士の選任が義務付けられており、この資格を持つことで、建物全体の衛生環境や設備管理を行う責任を負うことができます。
具体的な業務内容としては、空調や換気設備の管理、水質検査、清掃の監督、害虫防除など、建物内の衛生環境を維持するための様々な業務が含まれます。
また、定期的な設備点検やメンテナンスを計画し、建物利用者の安全と快適さを確保する必要性が求められます。
このように、ビル管理士は建物全体の環境保全に関わる広範な業務を担い、管理者として非常に重要な役割を果たします。
一方で、ビル管理士の業務は高度な専門知識が求められるため、資格取得には厳しい試験をクリアする必要があります。
しかし、環境衛生や設備に関する知識を習得し、実務経験を積むことで、建物の安全性や快適性を確保するプロフェッショナルとして活躍できるようになります。
この資格を取得することで、大規模な施設管理者としてのキャリアアップにつながります。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は、エネルギーの効率的な利用を促進するために必要な資格です。
この資格を取得することで、エネルギーの消費状況を把握し、最適なエネルギー管理を行うことが可能となります。
具体的には、電気やガス、水道など、様々なエネルギーの使用状況を分析し、無駄を省く提案を行う役割を担っています。
この資格が重要視される理由は、エネルギーのコスト削減や環境負荷の低減が求められる現代社会において、エネルギー管理が企業や公共施設の運営において不可欠だからです。
エネルギー管理士は、エネルギー使用の最適化を図ることで、経済的な利益を生むだけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与します。
エネルギー管理士は、実務経験や専門知識をもとに、エネルギーに関する戦略を立案することが求められます。
そのため、様々な業界でのニーズが高く、エネルギー関連の分野でのキャリアを築くうえで有利な資格とされるのです。
資格を取得することで、企業や組織においてエネルギー管理の専門家として認められ、より責任あるポジションに就くチャンスが広がります。
ビルメンテナンスに必要なその他の資格
ビル設備管理技能士の資格取得方法
ここからは「ビルメン5点セット」や「三種の神器」ではありませんが、参考までにその他のビルメンの資格について、ご紹介します。
ビル設備管理技能士は、ビルメンテナンス業務において専門的な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。
この資格を取得することで、ビルの電気、空調、給排水設備の点検や保守管理を担当できるようになります。特に、ビル内の設備が複雑化する中で、この資格は信頼性の高いスキルの証として評価されます。
資格取得には、まず実務経験が求められます。一般的には、指定された年数のビルメンテナンス業務経験を積んだ上で、筆記試験と実技試験を受けることになります。
筆記試験では、ビル設備に関する知識や法令、技術的な問題が出題され、実技試験では、実際に設備を扱う技術力が試されます。
試験内容は幅広いため、計画的に学習する必要があります。専門学校や通信講座を利用して効率的に学ぶこともできます。
資格を取得することで、ビルメンテナンス業務において信頼される技術者としての地位を確立でき、さらなるキャリアアップを目指すことも可能です。
管理業務主任者とマンション管理士の違い
管理業務主任者とマンション管理士は、どちらもマンションの管理に関わる資格ですが、その役割や業務範囲には大きな違いがあります。
まず、管理業務主任者は、マンションの管理会社に勤務し、法定業務を行う役割を担います。具体的には、管理組合の運営支援や財務管理、修繕計画の提案などを行い、マンションの適切な維持管理をサポートすることが主な業務です。
また、管理会社が提供するサービス内容が法律に準拠しているかどうかを確認することも、管理業務主任者の重要な役割となります。
一方、マンション管理士は、管理組合に対してコンサルタント的な立場でアドバイスを行います。
管理会社に所属せず、管理組合の依頼に基づいて、マンションの運営や管理に関する助言を提供します。
例えば、修繕計画の立案や管理費の適正な使用方法、トラブル解決のための法的アドバイスなど、管理組合が適切な意思決定を行えるようにサポートするのがマンション管理士の役割です。
これらの違いから、管理業務主任者はマンション管理の実務に直接関わる資格であり、マンション管理士はアドバイザーとして管理組合をサポートする資格と言えます。
どちらの資格も、マンションの適切な運営や維持管理に欠かせないものですが、それぞれの立場や目的が異なるため、役割を明確に理解しておくこと必要があります。
ビルクリーニング技能士の仕事内容
ビルクリーニング技能士は、ビルメンテナンス業務の中でも特に清掃業務に特化した資格です。
この資格を取得することで、ビルの清掃作業を効率的かつ安全に行うための技術と知識を持っていることが証明されます。
ビルの清掃は見た目をきれいに保つだけでなく、建物全体の衛生管理や資産価値の維持にも重要な役割を果たします。
ビルクリーニング技能士の具体的な仕事内容には、床や壁、窓などの清掃に加え、空調設備やトイレ、ゴミ処理など、建物全体の衛生環境を維持するための作業が含まれます。
また、使用する清掃機器や洗剤の選定、作業の手順、安全管理なども業務の一環です。清掃作業を効率的に進めるだけでなく、作業中の事故やトラブルを未然に防ぐために適切な対策を講じることも、ビルクリーニング技能士の大切な役割です。
さらに、この資格を取得することで、清掃業務のリーダーとして、スタッフの指導や清掃計画の立案を行うことも期待されます。
ビルの清掃は、ただの作業ではなく、建物の長寿命化や快適な環境づくりに貢献する重要な業務です。そのため、ビルクリーニング技能士は、専門的なスキルを持つプロフェッショナルとして高く評価されます。
ビルメンテナンスに必要な資格一覧と、その必要性の総括
ビルメン5点セット
- 第二種電気工事士は、小規模ビルの電気工事に対応できる資格で、電気配線の設置や修理、点検ができる
- 第三種冷凍機械責任者は冷凍設備の運転・保守を行う資格で、冷暖房設備の管理に必要な知識を持つ
- 危険物取扱者乙種4類は、ガソリンや灯油、軽油などの安全な取扱いが可能で、暖房や発電機で使用される危険物を管理できる
- 二級ボイラー技士はビル内のボイラー設備の運転・保守ができる資格で、ボイラーの安全な運転を確保する技術を持つ
- 消防設備士は消防設備の設置、点検、整備を行う資格で、火災報知器やスプリンクラーなどを扱う
ビルメン3種の神器
- 第三種電気主任技術者(電験三種)は、電気設備の保守・管理を行うための国家資格で、ビルメンテナンス業界で高く評価されている
- 建築物環境衛生管理技術者は大規模ビルの衛生環境を管理する
- エネルギー管理士は、エネルギー使用を管理する資格で、省エネ分野や法的な義務がある業務で必要とされる
その他の資格
- ビル設備管理技能士はビルの電気や空調、給排水の保守管理が可能
- 管理業務主任者は管理会社側で業務を監督し、マンション管理士は管理組合側でコンサルティングを行う資格である
- ビルクリーニング技能士はビルの清掃業務に特化した資格で、衛生管理と効率的な清掃作業を行う
ビルメンテナンスに必要な資格は様々ありますが、その資格を手にするためには、多くの勉強や実地での経験を要します。
その中でも経験値の高い職人さんは、ビルメンを依頼するビルのオーナーや管理者にとって、心強い存在です。
「KIREI produce」では、上に紹介したビルのメンテナンス作業全般を行っています。また、常に適正なお見積もりを心掛けています。
ビルメンテナンスのご相談には、幅広く対応させていただきますので、ぜひ一度ご相談下さい。