床暖房システムと相性の良い床仕上げ材の選定ガイド

2024/12/19

床暖房システムは大きく分けると温水式(温水循環式)と電気式(電気ヒーター式)に分けられます。さらに細かく分類すると5種類に分けることができます。

それぞれの床暖房システムには特徴があり、導入コストやランニングコストが異なるため、使う場所や使用頻度などに合わせて、適切なものを選ぶことが大切です。

また、床暖房システムを導入する際は、床仕上げ材の選定も重要になります。

通常のフローリング材を導入した場合は、床にひび割れや反りが発生してしまうため、床暖房対応のフローリング材を導入する必要があります。

また、床暖房に対応した床仕上げ材は様々なものがあるため、室内のインテリアに合わせて選ぶことができます。

この記事では、床暖房システムと床仕上げ材の種類、それぞれの特徴について紹介します。

 

記事のポイント

床暖房システムと床仕上げ材の種類と特徴が分かる

床暖房システムと床仕上げ材の選び方が分かる

床暖房対応の床仕上げ材のお手入れ方法が分かる

 

床暖房が暖かい理由

床暖房はなぜ暖かいのでしょうか?

暖かさの伝わり方としては、

  • 伝導熱
  • ふく射熱
  • 対流熱

の3つが挙げられます。

暖房の代表例であるエアコンや石油ファンヒーターは、対流熱により部屋を温めています。

つまり、暖かい空気を循環させるというものです。短時間で一気に部屋を暖めるのに適した暖房器具ですが、一方で部屋が乾燥しやすいというデメリットがあります。

床暖房は、暖かい空気を吹き出すわけではなく、伝導熱とふく射熱によりじわじわと温める暖房です。

床が温まることで、床に触れている足元が少しずつ温まります。足が温まることで全身の血流が良くなる効果も期待できます。

また、床が温まることでふく射熱が広がり、じんわりと部屋全体が温かくなります。空気をかき回すわけではなく乾燥しにくいことも利点です。

 

床暖房システムの種類

床暖房システムは、ガスを利用する方法と電気を利用する方法の二通りがあります。ガスを利用する方法は温水式(温水循環式)とも呼ばれます。

 

温水式(温水循環式)

温水式(温水循環式)は、フローリングなどの床仕上げ材の下に温水の通るパイプを張り巡らし、そのパイプ内に、エコキュートやガス給湯器によって温めたお湯を循環させることによって、床を暖める方法です。

一般的には、ガスが熱源です(温水式ガス床暖房)が、電気式のヒートポンプを熱源とするタイプもあります(温水式電気床暖房)。

一旦温まったお湯は冷めにくいことから、床が十分に温まれば、床暖房システムを止めても、予熱によって温かみを感じることができます。

 

電気式(電気ヒーター式)と比較した場合のメリットとしては、

  • 温まるのが早い
  • 温まった後は予熱で暖かさをキープできる
  • 高温になりにくく低温やけどのリスクが低い
  • 光熱費を抑えられる

といった点が挙げられます。

 

なお、床下の温水は、通常の水ではなく、不凍液という特殊な液体が使われています。この不凍液は、5年程度を目安に交換する必要があり、その交換の手間や費用がかかる点がデメリットとされています。

 

電気式(電気ヒーター式)

電気式(電気ヒーター式)は、フローリングなどの床仕上げ材の下に電気により発熱するヒーターを張り巡らすタイプです。

電気式の床暖房は、

  • 蓄熱式床暖房
  • PTCヒーター式床暖房
  • 電熱線式床暖房

の3種類があります。

 

蓄熱式床暖房は、電気代が安価になる深夜の時間帯に蓄熱して、その熱を日中に利用するタイプです。床暖房を1日中使うような場合に適しています。

 

PTCヒーター式床暖房は、ヒーターにセンサーが付いており、床が温まったら、発熱を抑制するタイプです。省エネ性能に優れていますが、立ち上がりに時間がかかったり、床の温度にムラがあるという欠点があります。

 

電熱線式床暖房は、シンプルな床暖房です。スイッチを入れると、均一に床が温まります。暖かくなったら自分の判断でスイッチを切ります。

 

導入コストは、電熱線式床暖房が最も安いですが、つけっぱなしにしている場合のランニングコストは、電熱線式床暖房が最も高くなります。

 

温水式(温水循環式)と比較した場合のメリットとしては、長期間メンテナンスが必要ない点が挙げられます。

デメリットとしては、電気代が高くなることや温水式(温水循環式)と比べて、部屋が温まるのが遅い点が挙げられます。

 

床暖房システムの選び方で迷われている方はお問い合わせください

床暖房システムには大きく二種類あります。

導入コストとランニングコストがそれぞれ異なりますし、使用頻度によっても選ぶべきシステムが異なります。

「KIREI produce」では、床暖房システムの選択で迷われているお客様に、ご要望に合わせた最適な提案を行い、床暖房システムの施工も承っています。

常に適正なお見積もりを心掛けていますので、床暖房システムの導入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください

 

床暖房システム対応の床仕上げ材

床暖房システムを採用する場合は、床仕上げ材にも注意しなければなりません。施工時には、床暖房に対応しているフローリングを選ぶことがポイントです。

 

通常のフローリングはNG?

床仕上げ材というと、フローリングが一般的ですが、通常のフローリングでは、床暖房の熱により、割れや反りが生じてしまう可能性があります。

特に無垢に近いフローリングの場合は、床暖房の熱で木の繊維が膨張と収縮を繰り返すことにより、ささくれ立ったり、割れや反りが生じやすくなります。

そのため、床暖房システムを採用する場合は、床暖房対応フローリングを選ばなければなりません。

 

床暖房対応フローリングとは?

床暖房対応フローリングは、床暖房に対応している旨をメーカーが保証しているフローリング材のことです。

一般的には、JAS規格の寒熱繰り返し試験(B試験)をクリアしたフローリング材のことです。

80±3℃の恒温器に2時間放置した後で、-20±3℃の恒温器に2時間放置。この行程を2回繰り返して、床表面にひび割れなどが生じない商品が床暖房対応フローリングになります。

メーカーによっては、このサイクルを5回、10回繰り返しても異常がないことをアピールしている場合もあります。

 


床暖房対応の床仕上げ材の例

床暖房対応の床仕上げ材の例をいくつか紹介します。

 

フローリング仕上げ

一般的な床仕上げ材です。床暖房に対応している旨が表記されているフローリング材を選びます。

床暖房のユニットは、フローリング材の下に施工されているため、通常のフローリング材と見た目に大きな差はありません。

 

カーペット仕上げ

カーペットというとフローリングの床に入居者が好みでカーペットを敷くのが一般的です

が、床暖房の場合は、カーペット仕上げという方法もあります。

床の下地を作った後で、フローリングを打たず、カーペット専用の床暖房マットとPET不織布シートを敷き、その上に直にカーペットを敷くという仕上げになります。

そのため、カーペットをめくると床暖房用のユニットが見える状態になっています。

その分、床暖房の温かみを感じやすいですし、柔らかい足触り感になります。

 

畳仕上げ

床暖房というと、フローリングのみと思われがちですが、実は畳の下に床暖房のユニットを張り巡らすことも可能です。

床の下地を作った後で、小根太と床暖房用のユニットを張り巡らし、その上に床暖房専用の畳を敷きます。

畳の厚みは本格的な畳よりも薄く15ミリ程度です。

それでも、カーペット仕上げと比べると厚みがあるため、立ち上がりに時間がかかります。

 

コルク仕上げ

基本的にフローリング仕上げと同じで、木質系フローリングの代わりに床暖房に対応したコルクタイルを張り巡らす施工方法です。

硬いフローリングと比べると、コルクは柔らかく、クッション性が良い点が特徴です。

凹みやすいとか傷つきやすいと懸念される方もいらっしゃるかもしれませんが、摩擦やキズへの耐性の高いコルクタイルなら、フローリングと同等以上の耐用年数があります。

 

タイル・タイルカーペット仕上げ

フローリングの代わりに床暖房に対応したタイルやタイルカーペットで仕上げる施工方法です。

タイルは掃除がしやすく、衝撃もある程度受け止められるため、衝撃により床暖房のユニットが故障してしまう事態を防げます。

また、磁器タイルなら、水にも強いため、洗面所などの水回りに床暖房を導入したい場合に向いています。

 

コンクリート仕上げ

床暖房と言うとフローリングのみと思われがちですが、実はコンクリートの中にも張り巡らせることが可能です。

コンクリート仕上げの床暖房なら、浴室の床や玄関にも床暖房を導入することができます。

仕上げ材としてはタイルや大理石を選ぶことができます。

性質上、立ち上がりには時間がかかるため、長時間、床暖房を稼働させる場所に適しています。

 

塩ビシート仕上げ

塩ビシートの床材は、フローリング材に比べて、施工しやすく手入れも容易であることから、店舗や病院、公共施設の床材として利用されています。

一般的な一戸建てでは、クッションフロアという名前で知られています。

クッションフロアは耐水性が高いことから、キッチンや水まわりの床材として人気です。

その性質上、床暖房に滴しないと思われがちですが、現在では、床暖房用に対応した塩ビシートも販売されています。

 

木質系のフローリング材の場合は、床暖房対応と表記されていても、歳月が経つとひび割れや反りが生じる可能性がありますし、扱いに気を使う必要があります。

その点、塩ビシートの場合は、熱による伸縮が生じないため、床暖房に適しています。

また、耐摩耗性、長期荷重性、耐動荷重性、防炎性の面でも優れていることから、注目されています。

 


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床暖房対応の床仕上げ材の選択で迷われている方はお問い合わせください

床暖房対応の床仕上げ材には様々なものがあるため、選択時に迷われる方も多いと思います。

導入コストや耐用年数、メンテナンスのしやすさ等、考慮すべきことはたくさんあります。

「KIREI produce」では、お客様のお部屋の状況に合わせた最適な床仕上げ材を提案することができます。

常に適正なお見積もりを心掛けていますし、施工時もお客様にご満足いただけるように丁寧に仕上げを行います。

床暖房の導入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。

 

床暖房対応の床仕上げ材をお手入れする際の注意点

床暖房対応床仕上げ材のお手入れを行う際はいくつか注意しなければならないことがあります。

 

お手入れは床が冷えている時に行う

床暖房対応床仕上げ材のお手入れは、床暖房を切り、床が冷えてから行わなければなりません。

軽く水拭きするにしても、床が温まった状態の時に行ってしまうと、床の表面にダメージを与えてしまいます。

 

床には釘等を打ち込まない

床仕上げ材自体は、木材等でできているため、釘を打ち込んでも問題ありませんが、床仕上げ材の下には、床暖房のシステムが張り巡らされています。

この部分に釘が刺さると、温水パイプの破損、電気ショートして漏電が発生すると言った大変危険な状態になります。

床暖房対応の床仕上げ材を施工する際も、接着剤のみを使うなどして、釘を打つことは基本的にありません。

 

床暖房を洗濯物の乾燥に使わない

床暖房を張り巡らしている場所に直に洗濯物を置いて、乾燥させることは避けましょう。床暖房の使用中に濡れ雑巾を放置しているのと同じ状態になり、床仕上げ材を痛めてしまいます。

 

床暖房の上にカーペットや家具を置かない

床暖房は、床暖房対応の床仕上げ材のみで利用することが想定されています。

床仕上げ材の上にカーペットを敷いた場合は、床仕上げ材に熱がこもってしまい、ひび割れや変色が生じることがあります。

床暖房対応のカーペットも市販されていますが、カーペットを敷くことが前提なら、カーペット仕上げで床暖房を施工することも検討すべきです。

 


まとめ

床暖房を導入する際は、床暖房システムを導入コストやランニングコストを踏まえて選定しなければなりません。

また、床暖房対応の床仕上げ材にも様々なものがあるため、インテリアに合わせて選択する必要があります。

さらに、床暖房対応の床仕上げ材を採用した場合はお手入れ時にも注意すべきことがあります。

「KIREI produce」では、お客様のご要望に合わせた床暖房システムや床暖房対応の床仕上げ材を提案し、施工させていただいております。

常に適正なお見積もりを心掛け、丁寧に施工いたしますので、床暖房の導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

 


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