鋼製下地工事の安全対策:高所作業のリスク管理

2024/12/19

鋼製下地工事は、主に鉄骨造りや鉄筋コンクリート造の住宅において、内装の骨組みを作るために行われる工事です。

壁や天井の骨組みを作ることが主な作業になりますが、人の手の届かない高さでの作業が必要になり、特に、非住宅建築の場合は、高所作業に該当する工事が必要になることもあります。

この記事では、鋼製下地工事の工程を確認し、高所作業が必要な場合に注意すべき点や高所作業に必要な資格について紹介します。

 

記事のポイント

鋼製下地工事の基本工程が分かる

高所作業を伴う鋼製下地工事で注意すべき点が分かる

高所作業で必要な資格が分かる

 

鋼製下地工事とは

鋼製下地工事とは、石膏ボードを張り付けるための骨組みを作る工事です。

木造住宅では、石膏ボードの下地も木材によって作りますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の家では、鋼製下地により骨組みを作ります。

また、マンションや商業施設、公共施設の内装の骨組みも鋼製下地が用いられることが多いです。

 

鋼製下地の特徴

鋼製下地は次のような特徴があることから、幅広く普及しています。

  • 不燃材で軽量である。
  • 部材の品質が高く、標準化、規格化が進んでおり、部材の入手が容易。
  • 強度や耐久性に優れている。
  • 施工性と施工精度が良く、工期短縮につながる。
  • 品質性能が向上し、製品の保証も確立している。

 

鋼製下地の基本構造

鋼製下地により、内装の壁と天井の骨組みを作ります。

 

壁の骨組みは、梁に相当するランナー、間柱に相当するスタッドと呼ばれる鋼材が用いられます。スタッドの厚みはスペーサーによって出します。

天井の骨組みは、野縁と野縁受けによって、構築し、吊りボルトにより躯体に固定します。

 

こうした鋼製下地の骨組みは、日本工業規格の「JIS A 6517」によって、規定されています。

 

鋼製下地の施工手順

鋼製下地の施工手順を確認しましょう。

 

工程表、施工要領書、施工図を作成する

鋼製下地工事は、構造体内の何も無い空間に部屋の骨組みを作るための工事です。

そのため、顧客や建築士の要望を踏まえて、施工図等を作成する必要があります。また、鋼製下地の構築と並行して、電気工事や管工事も入るため、工程の確認も必要になります。

 

鋼製下地工事に入れるか確認する

鉄骨造の場合は、構造体ができればすぐに鋼製下地工事に取り掛かることができますが、コンクリート造りの場合は、コンクリートの打設から10日以上の養生期間を経過していることを確認する必要があります。

 

鋼製下地工事は壁下地の施工から始める

鋼製下地工事は、壁の骨組みを先に作り、部屋の枠組みができてから、天井の骨組みを作るという流れで工事を進めます。

 

墨出し

設計図や施工図に基づいて、墨出しを行います。

墨出しするのは主に、間仕切、壁下地材の芯墨、逃げ墨、出入り口などの開口部の位置です。

 

ランナーを固定する

鋼製下地はまず、上下のランナーを固定する作業から始めます。芯墨、逃げ墨に合わせて、打込みピン等で固定します。

 

スタッドの建込み

次に間柱に当たるスタッドをランナーにはめ込むようにして立てます。スペーサーや振れ止めを取り付けて、堅牢な骨組みを作っていきます。

 

開口部等を補強する

窓やドアを設置する開口部は、枠の補強材を使って補強します。

また、ダクト類の開口部、そで壁の端部も同様に補強します。

 

点検や検査を行う

設計図や施工図どおりに壁の骨組みができているか、この時点で確認します。

特に、開口部の寸法にズレが有るとドアや窓をはめられなくなることもあるため、入念に検査します。

 

天井下地の施工に取り掛かる

壁下地の施工と検査が終わったら、次に天井下地の施工に取り掛かります。

 

墨出し

壁面や柱面などに野縁面の水平墨出しを行います。

 

吊りボルトを取り付ける

インサートに吊りボルトを取り付けます。

コンクリート造りの場合は、型枠の組立時に配置してコンクリート内に埋め込んでいますが、鉄骨造の場合は溶接や金具により、インサートを取り付ける必要があります。

吊りボルトの下部には、野縁受けをかけるためのハンガを取り付けます。

 

野縁受けを取り付ける

吊りボルトから下げたハンガに野縁受けをはめ込みます。野縁受けが水平になるように注意しながら取り付けます。

 

補強材を取り付ける

天井に段違いがある場合や天井の懐が大きい場合は、天井が揺れて不安定になるため、斜め補強材を渡すなどして、補強します。

補強材は、野縁を渡した後では施工しにくくなるため、必ず、この段階で行います。

 

野縁を取り付ける

野縁のピッチに野縁受けなどに墨出しして位置を確認したうえで、野縁を取り付けていきます。

野縁と野縁受けの留め付けにはクリップを用います。また、野縁のジョイントは野縁ジョイントを用います。

 

点検や検査を行う

設計図や施工図どおりに天井の骨組みができているか、確認します。

特に、水平度がでているかどうかを重点的に検査します。

 

鋼製下地工事の依頼先を探している方はお問い合わせください

鋼製下地工事は、規格が決まった鋼製下地で壁や天井の骨組みを作るだけの工事ですが、設計図や施工図どおりに施工するには高度な技術が必要になります。

「KIREI produce」では、お客様のご要望を確認し、設計図や施工図を基に、高い精度で鋼製下地工事を施工することができます。鋼製下地工事の依頼先で迷われている方は、お気軽にお問い合わせください。

 


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鋼製下地工事で高所作業を伴うケースとは?

鋼製下地工事では高所作業が必要になることがあります。

一般住宅なら、天井の骨組みを作る作業でも脚立や足場台だけで足りることがほとんどですが、非住宅建築における鋼製下地工事では、壁や天井が高くなることから、脚立や足場台だけでなく、移動式室内足場、高所作業車などが必要になることがあります。

 

高所作業とは

高所作業の定義については、労働安全衛生規則518条から読み解くことができます。

「高さが2メートル以上の箇所で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない」と定められています。

さらに、「作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない」とされており、その措置の一環として、高所作業に従事する労働者に一定の資格を取得させることとしています。

 

高所作業の安全管理

高所作業を行う場合は、まず、「作業床を設置する」ことが優先されます。作業床を設置できない場合は、「墜落制止用器具を装着する」という流れになります。

内装工事でも、商業施設や公共施設などの非住宅建築では、壁や天井が高いために、労働者が2メートル以上の箇所で作業を行う必要性が生じることもあります。このような場合は、作業床の設置が必要です。

 

2メートル以上の箇所で作業が必要な場合は、室内でも足場を組むのが原則になります。

手軽な足場の設置方法としては、「移動式室内足場」の利用が検討されます。

「移動式室内足場」では高さが足りない場合は、「高所作業車」を利用することもできます。

厚生労働省の見解では、「高所作業車のバスケット内での作業であれば、通常、作業床があると認められる」とのことです。

 

鋼製下地工事で高所作業を行う場合の安全管理

鋼製下地工事では、高い場所での作業が必要になります。壁の骨組みを作る作業でも、人の手の届く範囲に留まることはないですし、天井の骨組みの場合はなおさらです。

一般住宅であれば、「脚立や足場台」だけでも足りるケースがほとんどです。

この場合は、安全管理としては、労働者にヘルメットを着用させるといった程度のもので足ります。

 

非住宅建築の場合は、脚立や足場台だけでは手が届かない場所での作業が必要になることがあります。

この場合は、「移動式室内足場」の利用を検討します。移動式室内足場は比較的軽量なので、鉄筋コンクリート造り以外の建物でも利用できます。

移動式室内足場を利用する場合は、作業床があることになりますが、使い方を誤ると足場ごと横倒しになる危険性もあるため、使用上の注意点を守ると共に、労働者にヘルメットを着用させるなどの安全管理が必要です。

 

移動式室内足場でも高さが足りない場合は、「高所作業車」の利用も検討します。

なお、高所作業車のバスケット内でも、高さが6.75メートルを超える箇所で作業を行う場合には、フルハーネス型墜落制止用器具等の使用が義務付けられていますが、「作業床が接地面に対し垂直方向にのみ上昇し又は下降する構造」の物はその対象外となっています。

高所作業車で作業する場合でも、使用上の注意点を守ると共に、労働者にヘルメットを着用させるなどの安全管理が必要です。

 

鋼製下地工事の高所作業では資格が必要なことがある

建築現場などで高所作業を行う場合は、資格が必要になることがあります。鋼製下地工事の高所作業で必要になる可能性のある資格は、次の3つです。

  • フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
  • 足場の組立て等の業務に係る特別教育
  • 高所作業車の運転の業務に係る特別教育or技能講習
 

それぞれ確認しましょう。

 

-フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

作業床を設置できない場所や高所作業車を使う場合でも、高さが6.75メートルを超える箇所で作業を行う場合には、フルハーネス型墜落制止用器具等の使用が義務付けられています。

フルハーネス型墜落制止用器具を使用するにあたっては、その作業に従事する人全員が「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」を受ける必要があります。

学科が4時間30分、実技が1時間30分の合計6時間の受講で取得することができます。

 

-足場の組立て等の業務に係る特別教育

高所作業のために足場を組み立てて作業床を設置する必要がある場合、足場の組み立ては、「足場の組立て等の業務に係る特別教育」を受けた人が行わなければなりません。

学科科目のみ7時間の受講で取得することができます。

 

-高所作業車の運転の業務に係る特別教育or技能講習

高所作業車を使用する場合は、高所作業車を操縦するための資格が必要になります。

高所作業車の運転の業務に係る「特別教育」を受けることにより、作業床の高さが10メートル未満の高所作業車を操縦できるようになります。

学科が6時間、実技が3時間の合計9時間の受講で取得することができます。

また、高所作業車の運転の業務に係る「技能講習」を修了することにより、作業床の高さの制限がなくなります。

こちらは、講習を受けるだけでなく、認定試験の合格も必要になります。

 


まとめ

鋼製下地工事では、高所作業を伴うことが多いため、万全な安全対策を講じる必要があります。

万全な安全対策が講じられた現場でこそ、職人もその技能を100%発揮して、良い仕事ができるものです。

「KIREI produce」では、高所作業を伴う現場では、徹底した安全対策を講じた上で、高い精度での鋼製下地工事を行っています。

常に適正なお見積もりを心掛けていますので、マンション・ビルなどの物件オーナー様、工務店様など、鋼製下地工事の依頼先を探している方は、ぜひお問い合わせください。


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