事務所の移転は、企業にとって一大プロジェクトです。
業務を維持しつつ事務所機能を効率よく移転するには、移転計画の早めの立案が重要です。
しかし、事務所の移転計画はいつから準備を始めるのが正解なのでしょうか?あまり早すぎてもいけませんし、逆にタイミングを逸するとさまざまな損失が出てしまう恐れもあります。
また、事務所の移転にはさまざまな手続きが必要です。「どんな手続きをするのか知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。
本記事では、事務所移転を効率よく確実に行うための計画立案のタイミングと、必要となる具体的な手続きについて、実践的な情報をご紹介します。
これから事務所移転を検討されている企業の皆様に、ぜひ参考にしていただければと思います。
- なぜ6ヶ月前なの?数字の根拠
- 6ヶ月前からはじめるメリット
- スケジュールに余裕がないと発生するトラブル
- 移転前の手続き
- 移転後の手続き
- 手続きの際の注意点
事務所の移転計画は6ヶ月前から立てるのが基本!
事務所の引っ越しは、企業が請け負っている業務の中枢を移転する作業です。
業務への影響を最小限に抑え、スムーズに事務所を移転するには、綿密な計画を立てることと、その計画を確実に実行することが非常に大切です。
事務所の移転計画は、規模や業態によっても変わりますが、実際に移転するおおむね半年前くらいからの立案・準備が推奨されています。
なぜ半年前から準備する必要があるのでしょうか?
この章では、事務所の移転計画立案を半年前から行う理由について解説していきます。
なぜ6ヶ月前なの?数字の根拠
事務所の移転について、6ヶ月前からの準備が推奨されるのは、移転に伴う様々な手続きや作業を十分に行うために余裕のあるスケジュールを組む必要があるからです。
例えば、新たなオフィスを選ぶ際には、立地条件や物件の設備など、慎重に検討する必要があります。
また、そのほかにも、引越し業者や内装業者の手配、従業員への引越しに関する説明など、やるべきことが山積みです。
これらの作業を短期間に集中して行うと、ミスが起こりやすくなったり、従業員の負担が増えたりする可能性があります。
6ヶ月という期間があれば、余裕を持って各ステップを進めることができ、万が一、トラブルが発生した場合でも、対応するための時間的余裕が生まれます。
6ヶ月前からはじめるメリット
さらに、6ヶ月前から準備を始めることで、以下のようなメリットも期待できます。
①新オフィスの選定に十分な時間をかけられる
理想のオフィスを見つけるために、複数の物件を比較検討し、最適な場所を選ぶことができます。
②引越し業者や内装業者との交渉に有利
早期に業者を手配することで、希望の日程で作業を行ってもらえたり、こちらの要望をしっかりと伝えるための時間を設けることができます。
③従業員の負担を軽減
移転に関する情報をオフィスの従業員に早めに共有することで、心の準備をすることができ、移転後の業務にスムーズに移行することができます。
④トラブル発生時のリスクを軽減
万が一、トラブルが発生するなどしてスケジュールが急に変更になっても、余裕を持って対応することができます。
スケジュールに余裕がないと発生するトラブル
反対に、準備が遅れ、スケジュールに余裕がなくなると、以下のような問題が起こる可能性があります。
①希望のオフィスを確保できない
人気のエリアや物件は、早めに契約しないと他の企業に取られてしまう可能性があります。
②希望の日程で引越しできない
引越し業者は繁忙期(主に2〜5月)には予約が取りにくくなるため、希望の日程で作業を請け負ってもらえない可能性があります。
③費用が余計にかかる
数日前〜当日などに急に予定を変更すると、業者側から追加費用を請求されることがあります。
④従業員のモチベーションが低下
準備不足による混乱は、従業員のストレスやモチベーション低下に繋がる恐れがあります。
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手続きの際の注意点
① スケジュール管理
各種手続きには期限があるため、カレンダーに落とし込んで管理することをお勧めします。特に法定期限のある手続きは優先的に対応します。
② 書類の準備
登記事項証明書や印鑑証明書など、複数の手続きで必要となる書類は、まとめて取得しておくと効率的です。
③ 担当をしっかり振り分ける
手続きごとに担当者を決め、進捗管理を行うことで、期限切れや手続き漏れを防ぐことができます。
④ デジタルを活用する
近年は電子申請が可能な手続きが増えています。
事前に必要なアカウントやソフトウェアを準備しておくと、スムーズに手続きを進められます。
⑤ 専門家に相談
法務や税務の専門家に相談することで、手続きの漏れを防ぎ、より確実な対応が可能となります。
この章で解説した手続きは一例であり、業種や企業の規模によって必要な手続きは異なってきます。また、自治体によっても必要な手続きが異なる場合があるため、事前に確認することをお勧めします。
事務所の移転に必要な手続き
事務所の移転は、家の引っ越しとは異なり、ただ荷物を梱包→引っ越し業者を手配→移転して終わり、というわけにはいきません。
事務所を移転する際は、役所や税務署へ書類を提出したり、電話局やプロバイダへ移転の手続きを申請する必要があります。
この章では、事務所の移転に必要な手続きを、時系列順に見ていきましょう。
移転前の手続き
① 法務局への手続き(会社の場合)
本店所在地の変更登記を行う必要があります。移転日から2週間以内に管轄の法務局で手続きを行います。オンライン申請も可能です。必要書類には、登記申請書、株主総会議事録(または取締役会議事録)、印鑑証明書などが含まれます。
② 許認可関連の手続き
業種によって必要な手続きが異なりますが、主なものには以下があります。
営業許可を持っている場合は管轄保健所への届出、建設業許可を持っている場合は管轄行政庁への届出、古物商や警備業の許可を持っている場合は管轄警察署への届出などです。
③ 税務関連の手続き
税務署、都道府県税事務所、市区町村役場それぞれに異動届を提出します。電子申請が可能な場合もあります。また、消費税の課税事業者は「消費税課税事業者の本店所在地・主たる事務所の所在地の異動届出書」の提出も必要です。
④ 社会保険関連の手続き
年金事務所や健康保険組合に対して、健康保険・厚生年金保険の住所変更届を提出します。また、労働基準監督署には労災保険に関する変更届を提出します。
⑤ その他の手続き
郵便局への転送届、電話会社への移転連絡、インターネットプロバイダーへの変更手続き、取引銀行への住所変更届なども必要です。
移転後の手続き
名刺・会社案内・封筒などの印刷物の更新、ウェブサイトの住所情報の更新、取引先への移転通知の送付などを行います。
事務所の移転は、企業活動を継続性しながら進める必要がある重要なプロジェクトです。
本記事では、事務所の移転計画をなぜ6ヶ月前から進める必要があるのか、そのメリットと、準備不足による潜在的なリスクについて解説してきました。
6ヶ月という余裕を持った準備期間があれば、理想的な物件の選定や、業者との十分な打ち合わせ、従業員へのしっかりした周知が可能となり、予期せぬトラブルへ対応する時間も確保できます。また、移転に伴う様々な行政手続きについても、慌てることなく確実に進めることができます。
スムーズに事務所をするには、緻密な計画立案と、その確実な実行がマストで重要になります。
本記事で紹介した時系列に沿った準備と手続きのポイントを参考に、余裕を持ったスケジュールを組み、スムーズな事務所移転を実現していただければ幸いです。必要に応じて専門家への相談も活用し、漏れのない対応を心がけましょう。