アスベストを新しく使用することは禁止されていますが、アスベストが使われている建物は今でもたくさん残っており、建物や内装の解体工事でもアスベストを含む建材の解体が必要なこともあります。
アスベストを含む内装の解体工事では、法律に則った適切な手続きと処理を行う必要があります。
内装解体時のアスベスト関係の法規制と適切な処理方法について解説します。
記事のポイント
アスベストとは何か分かる。
アスベストを含む内装解体時の注意点が分かる。
アスベストを含む内装解体時の法規制が分かる。
アスベストの除去の流れや工法が分かる。
アスベストとは
アスベストとは、天然の繊維状けい酸塩鉱物で、石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれています。
断熱性や強度の高さから、平成の初期頃まで様々な建物で建材として使われていました。
ビルなどの建設現場で断熱性を高めるためにアスベストを吹き付ける形で用いられていたことが有名です。
その他、屋根のスレート材、壁内部の断熱材、防音材、保温材などにも、アスベストが用いられている可能性があります。
アスベストは現在は使用が禁止されている
アスベストは現在では使用が禁止されています。
アスベストの繊維は極めて軽くて細く、人が吸入しやすい性質があります。アスベストを吸入し続けると、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫などに罹患し、最終的には肺がんを発症して命を落とす危険があります。
すぐに発症するわけではなく、35年前後の潜伏期間を経て発症するケースが多く、それだけにアスベストが原因であることが分かりにくいことが問題となっていました。
アスベストは平成18年(2006年)まで使われていた可能性がある
アスベストの危険性は昭和50年代頃には知られるようになっていて、徐々にアスベストの利用が制限されるようになりました。
アスベストが完全に禁止されたのは、平成18年(2006年)の労働安全衛生法施⾏令の改正が行われてからです。
そのため、それ以前に建てられた建物にはアスベストが使われている可能性が高いです。
アスベストの吹付けは、昭和の終わりから平成の初期にすでに禁止される方向になっていましたが、アスベストを含むスレート屋根材等の建材は平成の半ばごろまで使われていました。
そのため、現時点でも、アスベストが使われている建物は数多く残っています。
アスベストを含む建物は危険なのか?
アスベストを含む建材が使われている建物が直ちに危険だということはありません。
スレート屋根材にアスベストが使われていても、セメントで固められた状態になっていますから、アスベストが飛散することはありません。
ただ、スレート屋根材を粉砕した場合はアスベストが飛散する可能性があります。
吹付けのアスベストについては、経年劣化によって、アスベストが剥がれ落ちている可能性もありますが、それでも、他の建材によって覆われていれば、直ちに、健康被害が生じることはありません。
いずれの場合でも、問題になるのは、建物を解体する時です。
アスベストを含む建物を解体すると、アスベストが舞って解体作業に従事する人や周辺の人達がアスベストの繊維を吸引する可能性があります。
そのため、アスベストを含む建物の解体では、法令に則った手順での解体が義務付けられています。
建物や内装の解体手順
現在では、アスベストが使われている建物が数多く残っていることから、建物の解体時には、原則としてすべての建物でアスベストが使われているかどうかの事前調査が義務付けられています。
建物や内装の解体手順を確認しましょう。
事前調査
建物全体を取り壊す場合はもちろんですが、内装のみ解体する場合も、あらかじめ、建材にアスベストが使われているかどうか事前調査を行う必要があります。
この事前調査は、建築物石綿含有建材調査者等の有資格者が行わなければならないことになっています。
アスベストの危険レベルの判定
事前調査では、アスベストが使われているかどうかや、使われているとしてその危険度はどの程度なのかを確認します。
アスベストの危険レベルは、最も危険なレベル1からレベル3の三段階に分かれています。
レベル1
石綿含有吹付け材が使われている場合です。具体的には、ビルの柱や梁、天井や壁にアスベストとセメントの合剤を吹き付けて、耐火被膜材や断熱材として使っている場合です。
石綿含有吹付け材を除去する作業では、アスベストの飛散の発生が著しく高いことから、作業場所を隔離し、作業員は防じんマスクと保護衣を着用するなどの厳重なばく露防止対策が必要になります。
レベル2
石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材が使われている場合です。具体的には、建物の柱、はり、壁、配管などがフェルト状の建材で覆われており、そのフェルトにアスベストが含まれている場合です。
吹付けがなされた場合ほどではありませんが、撤去する際は、アスベストの飛散の可能性が高いため、レベル1に準じた厳重なばく露防止対策が必要になります。
レベル3
石綿含有建材を使っている場合です。代表的なのは、アスベストを含むスレート屋根材です。内装材でも、天井、壁、床の成形板やビニル床タイルにアスベストが含まれている可能性があります。
石綿含有建材はそのまま使う分においては、健康被害は生じませんが、切断したり破砕した場合は、アスベストが飛散する可能性があります。
そのため、湿式作業と言い、建材を湿らせたうえで、防じんマスクを着用して解体作業を行う必要があります。
石綿事前調査結果の報告
一定の規模の解体作業を行う場合は、事前調査結果を都道府県等に報告することが義務付けられています。
解体工事の床面積の合計が80平方メートル以上
解体作業等の請負代金の合計額が100万円以上
この場合が対象とされているため、大抵のケースで報告が必要です。
報告義務者は、元請業者又は自主施工者です。
大気汚染防止法に基づく届出
レベル1、レベル2に該当する場合は、大気汚染防止法に基づき、アスベスト除去作業を開始する14日前までに、都道府県等に届出(特定粉じん排出等作業の届出)を行わなければなりません。
この届出は、発注者又は自主施工者が行うものとされているので注意が必要です、
近隣への周知
建物の解体作業を行う前に、事前調査結果と特定粉じん排出等作業に係る掲示を行います。
アスベストが使われている場合はもちろんですが、使われていない場合でも、使っていない旨の掲示が必要です。
現場の養生
建物の解体の場合は、足場を架設し、アスベストの飛散を防ぐための養生シートを張り巡らします。
室内のみの解体作業の場合でも、プラスチックシートなどで前室を作り、作業場を完全に隔離できる状態にします。また、集じん・排気装置も稼働させ、アスベストが作業場所以外に飛散しないように注意します。
解体作業
アスベストを含む建材の解体作業では、水や飛散防止剤を解体箇所に吹き付けたうえで、湿った状態にしてから取り掛かります。
もちろん、作業員は防じんマスクと保護衣を着用します。
アスベストを含む廃材の袋詰め
アスベストを含む建材は解体後、速やかに破れないプラスチック袋などで梱包したり、容器にいれるなどして密封します。
搬出時は、アスベスト廃棄物であることを明示しなければなりません。
すべて撤去した後は、周辺にアスベストが飛び散っている可能性があるため、吸引器などですべて取り除きます。
確認及び発注者への報告
アスベストの解体作業を行う元請業者等又は下請負人は作業内容を記録する必要があります。
すべての作業が終わったら、元請業者等は、除去作業の取り残しがないこと、囲い込み及び封じ込めが正常に行われていたことについて、「知識を有する者」に目視で確認させます。
そのうえで、元請業者が発注者に対して、結果を書面で報告します。
アスベストを含むかどうかに関わらず事前調査は必要
現在では建物を解体する際は、アスベストを含むかどうかに関わらず事前調査が必要とされていることがポイントです。
「KIREI produce」では、内装や建物の解体のご依頼からいただいた場合は、事前調査を行ったうえで、必要な手順を踏んで安全に解体工事を行います。
アスベスト対策が必要なのかどうか悩んでいる方や、内装や建物の解体工事の依頼先を探している方は、お気軽にお問い合わせください。
アスベスト対策工事
アスベスト対策工事は、アスベストを含む資材や建材を完全に除去する除去工事以外にも様々な方法があります。
除去工法
アスベストを含む資材や建材を完全に除去する工事です。
建物を全面的に解体する場合は、アスベストの除去工事が必要ですし、一室だけのスケルトン解体工事を行う場合でも、その室内のアスベストのみ完全に除去することもあります。
アスベストを完全に除去した後は、非アスベストの資材や建材で新たに必要な工事を施工します。
アスベスト除去工事は費用や時間がかかりますが、工事後にアスベストの飛散を心配しなくて良いため、費用や時間をかけてもよい場合は除去工事を行うべきです。
封じ込め工法
アスベストに溶剤を吹き付けて、固定し、空気中に飛散しないように封じ込めてしまう工法です。
この工法では、アスベスト自体は除去せず、固めてしまうだけです。そのため、建物を完全に壊す際は、改めてアスベストを除去するための工事が必要になります。
また、固めたアスベストが落下していないか、ひび割れていないかなどの定期的な検査が必要です。
内装だけのリフォームで、天井部分に見えているアスベストを固めたい場合などに採用が検討されます。
囲い込み工法
アスベストが含まれる建材を非アスベスト建材で覆い隠してしまう工法です。カバーリング工法とも呼ばれることもあります。
こちらも、アスベスト自体は残ってしまうため、定期的な点検が必要ですし、最終的に建物を解体する場合は、アスベストの除去工事が必要です。
例えば、既存の天井板がアスベストを含む成形板の場合、非アスベストの天井材で覆ってしまう方法などがあります。
ただ、新しい部材の分だけ、部屋が狭くなってしまうデメリットもあります。
ウォータージェット工法
外壁塗膜にアスベストが含まれている場合に、高水圧の水を塗膜に吹き付けて湿潤化したうえでアスベストを除去する工法です。
剥離工法
塗膜にアスベストが含まれている場合に、剥離剤によって塗膜を湿潤化して、アスベストを除去する工法です。
内装工事では、上記に紹介した工法のうち、除去工法か封じ込め工法、囲い込み工法のいずれかを選択することになります。
除去工法が最も適切な場合が多いですが、予算や時間に限りがある場合は、封じ込め工法、囲い込み工法を検討することもあります。
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まとめ|
内装や建物の解体時には、アスベスト対策が必要不可欠です。
事前調査や法令に則った届出等が必要ですし、アスベスト対策の工法も様々なものがあります。
「KIREI produce」では、お客様の現場に合わせて、必要なアスベスト対策を講じた上で、解体工事も含めて内装工事の施工を行うことができます。
常に適正なお見積もりを心掛けていますので、自宅や、マンション・アパートなどの物件オーナー様、工務店様など、アスベスト対策を考慮した解体工事と内装工事ができる依頼先を探している方は、ぜひお問い合わせください。
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