マンションやビルの給水管更生工事で知っておくべき課題と解決策

2025/01/27

マンション管理組合の皆さま、給水管更生工事は建物の快適な生活環境を守る上でとても重要な施工です。私も以前、築30年のマンションで水質悪化の相談を受けたことがあります。給水管内部にサビや汚れがたまり、水道から赤茶色の水が出てきたのです。そんなトラブルを放置すると入居者の健康やマンションの資産価値にも関わってきます。

この記事では、現場経験を交えながら「給水管更生工事(ライニング工事)」の基本やポイントについて、分かりやすく解説します。施工の流れから費用対策、注意点までご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

■ オフィスビル長寿命化の大規模修繕ポイント

■ 給水管のライニング工事:効果と特徴

■ 給水管更生の3ステップ

■ 施工中の仮設給水管の役割

■ 工期1/3・コスト1/2を目指す最新工法

■ 更生工事の耐用年数とメンテナンス

■ 給水管更生工事は何年ごとに実施すべき?

■ 更生工事のデメリットを知っておこう

■ 給水管更生工事にかかる費用と補助金活用

■ まとめ
 


 

給水管更生工事とは?基本と重要性


給水管更生工事とは、古くなった給水管を取り替えずに、内部を修繕して機能を回復させる工事のことです。マンションやビルの配管は経年劣化でサビや汚れが蓄積し、水圧低下や水漏れ、水質悪化といったトラブルを引き起こします。私自身、管理組合から「水が濁る」「配管から異音がする」と相談を受けることがありますが、このような症状の多くが給水管内部の劣化が原因でした。

給水管更生工事では、古い管内を洗浄・研磨して錆や汚れを取り除き、その後に特殊な樹脂塗料で内壁をコーティングします。この工程で水漏れを防止し、配管寿命を大きく延ばすことが可能です。

 

全ての配管を交換する全面改修工事と比べると、給水管更生工事は短い工期で済み、コストも抑えやすいのがメリットです。

例えば、マンションの長期修繕計画に合わせて10年~20年ごとに更生工事を実施するケースも多く、新品同様の機能を取り戻せることもあります。ただし、給水管の腐食がひどく内部が破損している場合には、ライニングだけでは不十分で交換が必要になることがあります。

現場では施工前にしっかりと診断を行い、最適な方法を提案することが重要です。
 



給水管のライニング工事:効果と特徴


給水管更生工事は、専門用語で「ライニング工事」と呼ばれることもあります。配管の内側を特殊な塗料や樹脂で覆うことで、内部の補強と水質改善を同時に行う工法です。私が現場で印象に残っているのは、築20年のマンションでライニング工事を施工したときのことです。作業後に立ち会った管理組合の方が「こんなに透明な水になるんですね!」と驚いていました。実際に、ライニングで配管内がピカピカになると水の流れが滑らかになり、水圧も安定しやすくなるのです。

 

また、高品質な樹脂塗料には防錆・抗菌効果が期待できるものもあり、水質面での安心感も高まります。塗料が管内にしっかり密着すれば、腐食を長期間防ぎ、管の寿命を一層延ばすことができます。さらに、ライニング後は内壁がツルツルになるため、将来的に汚れがつきにくいという副次的なメリットもあります。

 

ただし、管の内部に大きな穴や割れがある場合、ライニング塗布だけでは水漏れが止まらないことがあります。こうしたケースでは部分的な配管交換が必要になりますので、事前診断で管の状態を正しく把握することが欠かせません。経験豊富な業者を選ぶことで、適切な施工方法や追加の補修プランを提案してもらえます。
 


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給水管更生の3ステップ


給水管更生工事(ライニング工事)は、大きく3つの工程で進みます。以下のステップを順に行うことで、高品質な仕上がりと長期耐久を実現できます。
 

エクストリームドライ方式で管内乾燥

配管内部に高速エアーを送り込み、短時間で均一に乾燥させます。
 

2方向研磨(ダブルサンディング)で徹底除去

縦と横の2方向から特殊な研磨材で磨き、配管内壁にこびりついたサビや汚れを徹底的に取り除きます。
 

高品質樹脂塗料による2回ライニング

1回目は防錆・下地確保のための塗装、乾燥後に2回目の塗装で厚みを出し、防水性と耐久性を強化します。
 

エクストリームドライ方式による乾燥のメリット

エクストリームドライ方式は、特殊な機材で管内に強力な風を送り込み、素早く乾燥させる技術です。従来の自然乾燥に比べ、短時間でしっかり水分を除去できるのが特徴です。私たちがこの方式を導入した現場では、乾燥時間が従来の半分程度になり、塗料の密着性が非常に良くなりました。湿気が残らないため塗料もムラなく固まり、結果的に耐久性が高まりやすいのです。

 

また、工期短縮にもつながります。乾燥完了までの時間が短ければ、その分早く次の工程に進むことができ、全体の施工スケジュールを圧縮できます。エクストリームドライ方式は乾燥に特化した機械が必要ですが、信頼できる業者に依頼すれば、迅速かつ高品質な仕上がりが期待できます。
 

2方向研磨(ダブルサンディング)で徹底除去

2方向研磨(ダブルサンディング)とは、パイプ内面を縦方向と横方向の2方向から研磨する方法です。この工程により、普通に洗浄するだけでは取り切れない深いサビや頑固な付着物を効率的に除去できます。実際に、築年数の経ったマンションの給水管では、研磨前は内部が凸凹で茶色い水が溜まっていることもあります。しかし、この研磨工程を終えると配管の内壁がツルツルになり、目で見てもきれいになるほどです。

 

研磨後は、ライニング塗料の密着性も格段に向上します。きれいになった内壁に塗料を吹き付けることで、塗膜がしっかりと定着し、耐久性が高まるのです。ただし、この作業は熟練の技術が必要です。磨きすぎると管が傷つくこともあるので、経験豊富な技術者が適切な力加減で施工することが重要です。
 

高品質塗料で2回ライニング

最終工程は、エポキシ系などの高品質樹脂塗料を使った二重ライニングです。まず、綺麗に掃除された管内に1回目の塗料を均一に吹き付けます。この塗料は防錆効果が高く、配管の基本的な保護層を作ります。塗布後はしっかり乾燥させて硬化させ、塗膜を安定させます。私たちの現場では、吹き付け塗装専用の装置を使い、配管内にムラなく塗料が行き渡るよう工夫しています。

 

1回目の塗装が乾燥したら、2回目の塗装でさらに厚みを加えます。これにより耐摩耗性や耐水性がアップし、配管の寿命が一層延びます。さらに、高性能塗料には抗菌性や耐水性を高める成分が含まれていることが多く、ライニング後は水質の安全性も高まります。最後に、専用のカメラで管内検査をして塗装ムラがないかチェックし、十分な硬化時間を経てから工事完了となります。

 

2回の重ね塗りは1回だけの場合に比べ手間が増えますが、耐久性は飛躍的に向上します。私たちKIREI produceでは、このように入念な工程を経て施工を行い、多くのマンションやビルで実績を積んできました。
 


施工中の仮設給水管の役割


給水管更生工事中には、仮設の給水管を設置して建物全体に水を供給し続けます。
工事中に給水管を止めたままにすると、トイレやキッチン、シャワーなどが使えず、入居者に大きな不便を強いることになります。仮設管は外部に引き回して配管と並行に設置するため、工事の邪魔にならず安全に給水が可能です。

 

私が担当した現場でも、初めての工事を不安がっていた管理組合の方に「仮設給水管で普段通り生活できるので安心してください」とお伝えしました。その結果、施工期間中も入居者からのクレームはほとんどありませんでした。

完成後は仮設管を速やかに撤去し、建物外観への影響も最小限に抑えます。仮設給水管の設置は手間こそかかりますが、工期短縮と住民への影響軽減には欠かせない工夫です。

 

工期1/3・コスト1/2を目指す最新工法


近年では工期短縮とコスト削減を両立させるため、さまざまな新技術が導入されています。例えば先ほど触れたエクストリームドライ方式の活用や、研磨・塗装機器の高性能化があります。これらを駆使することで、従来と比べ工期を大幅に短縮することが可能になりました。

また、職人の作業効率を上げる専用機材や塗料を使うことで、無駄な材料コストや人件費を抑え、全体コストの低減にもつながっています。

 

私たちの経験から言うと、作業工程の細分化・最適化と最新技術の導入は効果絶大です。ただし、効率を追求するあまり作業品質がおろそかになっては意味がありません。常に安全と品質を重視した施工プランを立て、信頼できる業者と連携することが重要です。

結果として、効率的な工事は住民への影響を減らし、管理組合のコスト負担軽減にも直結します。
 


更生工事の耐用年数とメンテナンス


給水管更生工事によって補修した配管の耐用年数は、一般的に10年〜20年程度といわれています。使用する樹脂塗料の性能や施工精度によって変わりますが、適切に施工すれば新設配管に近い性能を長期間維持できます。実際に、当社がライニングした配管では20年以上経過しても問題なく使えている事例もあります。一方で、施工前の配管がかなり劣化していた場合や水質が悪い地域では、耐用年数が短くなることもあり得ます。

 

耐用年数をできるだけ引き延ばすには、施工後の定期点検が欠かせません。メンテナンスを怠ると再びトラブルが起きやすくなってしまいます。例えば、1~2年ごとに内視鏡検査を行い、塗膜の状態や錆の再発をチェックする方法があります。定期診断を行いながら、必要に応じて部分的に補修すれば、配管をさらに長持ちさせられます。

 

耐用年数を過ぎても、配管を丸ごと交換するより更生工事を再度施工することでコストを抑えられるケースが多いです。マンションの長期修繕計画には、更生工事のタイミングと点検計画を盛り込んでおくと安心です。

 

給水管更生工事は何年ごとに実施すべき?

一般的には、給水管の更生工事は15~20年ごとが目安とされています。なぜこの期間かと言うと、多くの配管で内部に錆や付着物が蓄積しはじめ、トラブルのリスクが高まるのが15年~20年後だからです。特に築古のマンションや硬水地域などでは、この周期をより短めに設定しておくことをおすすめします。

 

ただし、実際の工事時期は配管の材質や使用状況によって異なります。ステンレスやポリエチレンなど腐食に強い素材を使っている場合は、もっと長く持つかもしれませんし、頻繁に給水を使用する建物なら15年を待たずに対策が必要になることもあります。そのため、定期的な配管診断が重要です。業者によるカメラ検査で配管内の状態を把握し、必要な範囲で早めに補修していれば、余計な出費を抑えつつ安心して使い続けられます。
 

 


更生工事のデメリットを知っておこう


給水管更生工事には多くのメリットがありますが、いくつか注意点(デメリット)もあります。計画時にはこれらも考慮しておくとよいでしょう。
 

一時的な生活・業務の影響

 仮設給水管を使用しても、水圧が少し弱く感じる場合があります。また、配管工事中は作業スペースを確保する必要があり、一部通路が制限されることもあります。住民説明会で使用制限の範囲を明確に伝えれば、トラブルを防げます。
 

施工不良のリスク

施工業者の技術力により仕上がりが左右されます。下地処理や塗料塗布が不十分だと、耐久性が低下して思わぬトラブルにつながります。信頼できる実績のある業者を選び、施工中もチェックすることが大切です。
 

コストの負担

完全な新設工事より安価とはいえ、更生工事には専門機材や高性能塗料が必要です。特殊な条件が重なると高額になることもあります。事前に複数業者から見積もりを取り、費用対効果を比較検討しましょう。
 

これらを踏まえながら計画的に進めれば、給水管更生工事は非常に有効な選択肢になります。
 


給水管更生工事にかかる費用と補助金活用


給水管更生工事の費用は、建物の規模や配管の長さ、工法によって大きく変動します。小規模マンションであれば数百万円規模になることもありますし、大型ビルではさらに費用がかさむことがあります。正確な金額を把握するためには現地調査を行い、複数業者から相見積もりを取るのが基本です。

 

このような工事費用の負担を軽減する方法として、補助金制度の活用が有効です。国や自治体では老朽化インフラ対策の一環として、住宅のリフォームに対する補助金・助成金制度を用意している場合があります。たとえば国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、一定条件を満たせば工事費の1/3程度が補助される制度です。

 

補助金を利用する際には、事前準備が肝心です。対象条件(建物の築年数や工事内容)や申請期限をしっかり確認し、余裕を持って申請手続きを進める必要があります。必要書類の作成や手続きには専門知識が必要なため、経験豊富な業者に相談すればサポートしてもらえます。補助金を上手に活用することで、予算の制約をクリアしやすくなり、より高品質な工事を実施できます。

 

補助金申請の窓口例


まとめ


  • 給水管更生工事では既存配管を交換せず内部だけを補修し、水漏れ防止と耐久性向上を同時に実現します。
     
  • サビや汚れを除去した後、特殊樹脂塗料で管内を二重コーティングすることで、配管寿命を延ばします。
     
  • エクストリームドライ方式による速乾、2方向研磨、2回のライニングで工期短縮と高品質仕上げを両立させます。
     
  • 仮設給水管を使えば工事中も水道が使えるため、住民への影響を最小限に抑えられます。
     
  • 耐用年数は一般に10~20年程度。15~20年ごとの定期診断・再施工でトラブルを未然に防止できます。
     
  • 新設配管より低コストで実施可能であり、補助金活用でさらに費用負担を軽減できます。
     

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「KIREI produce」では、これまで全国各地のマンション・ビルで給水管更生工事を手掛けてきました。
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