都内マンションでの鳩駆除施工報告 – 現場で実践した徹底対策
東京都内のとあるマンションにおいて、鳩の駆除(マンションでの対策事例)を行いました。バルコニーに鳩が頻繁に飛来し、フン害や早朝の鳴き声によって居住者の生活に支障が出ていたためです。ベランダの手すりや床には糞が散乱し、洗濯物が汚れてしまう懸念もあり、住民の皆様からは「ベランダが安心して使えない」「鳩の声で朝早く目が覚めてしまう」といった苦情が管理会社へ多く寄せられていました。
マンション管理会社様より私たちプロの駆除業者にご相談があり、現地調査のうえで早急に対策を講じることになりました。
しかし、対策にあたっては一つ大きな注意点がありました。それは鳩が法律で保護されている鳥類であることです。勝手に捕獲・駆除することは鳥獣保護管理法により禁止されているため、正式に対応するには自治体への有害鳥獣捕獲許可申請が必要でした。
私たちはまず行政に申請書を提出し、許可が下りるのを待ってから作業に取り掛かりました。許可取得には多少時間と手間がかかりましたが、法令順守はプロとして当然の責務です。許可証が発行されて初めて、適切な手続きのもとでマンションの鳩駆除・鳩よけ対策を開始することができました。
以下では、実際に行った施工手順と現場での工夫について報告いたします。
施工準備 – 許可手続きと万全の事前準備
まずは作業の準備段階です。自治体からの捕獲許可が正式に下りた後、速やかに作業スケジュールを立てました。作業に使用する資機材も事前に揃えています。防鳥ネット、剣山タイプの鳩よけスパイク、鳩忌避剤(特殊な薬剤)、高圧洗浄機やブラシなどの清掃用具を現場の状況に合わせて準備しました。
これらはすべてマンションの構造や被害の程度に応じて、最適な種類と必要数量を選定しています。
準備段階で特に気を配ったのは居住者の方々への周知と安全対策です。マンション全戸に対し、作業日程と内容を事前に通知しました。ベランダでの作業となるため、当日は窓を閉めておいていただくことや、ベランダに置かれている私物を片付けていただくことなど、安全確保のためのお願い事項も合わせて周知しています。作業中に万一にも住民の方々にご迷惑や危険が及ばないよう、スタッフ間で入念に役割分担と手順の確認を行いました。
また、共有廊下やエレベーターなど共用部の養生も行い、資材搬入・搬出時に建物を傷つけないよう配慮しています。施工前の準備と段取りを徹底することが、マンションでの鳩駆除作業を円滑に進めるポイントだと改めて感じました。
鳩の現地調査 – 生息状況の把握と被害箇所の確認
準備が整ったところで、現地での鳩の生息状況調査を実施しました。マンション敷地内を隅々まで巡回し、鳩がどこに集まっているのか、営巣場所や飛来ルートを細かく確認します。今回は特に各住戸のバルコニー手すりや建物屋上の隅などが鳩にとって格好の止まり木になっており、重点的に被害が出ていました。実際に調査してみると、手すりの上やエアコン室外機の裏には大量の糞がこびりついており、風に飛ばされた羽毛が周囲に散乱しているのも確認できます。
幸い巣そのものは初期的な状態(小枝や枯葉が集められた跡)でしたが、このまま放置すれば本格的な巣作りに発展しかねない状況でした。
調査中、ちょうど数羽の鳩が飛来する様子も観察できました。朝方と夕方にかけて定期的に戻ってきているようで、ベランダから屋上へと移動する経路が見て取れます。どうやらこのマンションを安住の地と認識し始めている様子で、早めの対策が必要だと再確認しました。
また、居住者の方から直接「自分の部屋のベランダにも毎日鳩が来て困っている」といったお話を伺う機会もあり、被害の深刻さを肌で感じました。
この調査結果を踏まえ、どのポイントにどの対策を施すかを現場スタッフ全員で共有します。被害箇所を写真撮影し、糞の量や付着状況を記録しておくことで、施工後の効果確認にも役立てました。
駆除作業 – 捕獲許可の範囲内で安全に実施
調査が終わったところで、いよいよ鳩の駆除作業に取り掛かります。許可証に記載された範囲に基づき、対象となる鳩の捕獲と処分を安全第一で行いました。具体的には、鳩専用の捕獲器(箱わな)をベランダに設置し、エサで誘引して捕獲する方法を採用します。
同時に、手網を用いて人の手でも追い立てて捕まえる作業を並行し、計画していた数の鳩を確実に捕獲しました。捕獲の際は鳩が暴れて怪我をしないよう慎重に扱い、私たち作業員も厚手の手袋やマスク・ゴーグルを着用して衛生面に十分配慮しています。捕獲した鳩は許可に従い適切に処分し、二度と戻って来られないよう然るべき措置を講じました(処分方法も法令に則った安全な方法で行っています)。
捕獲作業と並行して、忌避剤(鳩が嫌がる薬剤)の散布も実施しました。鳩が頻繁に止まっていた手すりや庇の上など重点箇所に、特殊な忌避スプレーを噴霧します。これにより、鳩にとって不快な臭いと刺激をその場に残し、仮に別の鳩が新たに飛来しても「ここは居心地が悪い」と感じて近寄りにくくなります。
忌避剤は人間にはほとんど匂わず無害な成分ですが、鳥類の嗅覚には効果的に作用するよう設計されています。実際、散布後は鳩が嫌がって飛び去る様子も確認できました。
今回の駆除作業では、捕獲と忌避剤散布を組み合わせて実施することで、その場にいる鳩への直接対処と、新たな飛来防止を同時に行うことができました。
作業時間は日中の明るい時間帯に限定し、周囲への騒音にも十分配慮しながら進めています。近隣にお住まいの方からは「網を使って鳩を捕まえている現場を見るのは初めてだったが、短時間で対応してくれて助かった」との声も寄せられ、私たちも早期解決に貢献できたことにほっとしました。
防除作業 – 再発防止に向けた徹底策
駆除が完了し現場から鳩がいなくなった後は、再発防止のための防除作業を念入りに行いました。まず、鳩の侵入経路となっていた開口部や、止まり木になっていた箇所へ防鳥ネットとスパイクを設置します。
防鳥ネットはベランダの開口部や手すり外側に張り巡らせました。今回使用したネットは遠目にはほとんど目立たない半透明タイプで、景観を損ねにくい素材です。網目の大きさや張り具合を現場ごとに調整し、鳩が少しでも隙間から侵入できないようにしました。
一部の住戸では、室外機と壁とのわずかな隙間など鳩が好んで入り込むスペースも見受けられたため、そうした細かな部分にもネットを張り、小さな抜け道も残さないよう注意しています。
次に鳩よけスパイク(剣山状の突起物)を主要な止まり木となっていた手すりやパイプの上にしっかりと固定しました。ステンレス製のスパイクは錆びにくく耐久性が高いため、一度設置すれば長期間にわたり効果を発揮します。
鳩が羽を休めようと降り立っても、このトゲトゲがあることで物理的に止まることができず、マンションの手すりはもはや安全な休憩場所ではなくなりました。
ハード面の対策に加え、居住者の皆様へのソフト面での協力依頼も行っています。具体的には、居住者の皆様にも以下の点をご協力いただくようお願いしました。
- ベランダに鳩のエサとなりうる食べ物やゴミを放置しない
- 定期的にベランダを清掃し、糞や巣の痕跡を残さず常に清潔に保つ
特に鳩は学習能力が高い鳥です。「ここではエサが得られない」「巣を作ってもすぐ撤去されてしまう」と学習すると、その場所への執着が弱まる傾向があります。逆にエサとなるものが置かれていたり糞がいつまでも残っていたりすれば、「このマンションは住み心地が良いかも」と再び舞い戻ってきてしまう可能性があるため、防除策とあわせて日常的な清潔管理が重要なのです。
今回も管理会社様を通じて周知していただき、幸い住民の皆様には快く協力していただけることになりました。
最終確認と撤収 – 徹底清掃と効果の検証
防除策まで完了した段階で、作業エリア全体の最終確認と清掃を行いました。ベランダや屋上、共有廊下など鳩の糞や巣の残骸があった箇所は、高圧洗浄機やブラシを使って隅々まで丁寧に清掃し、仕上げに消毒剤も散布して衛生面に配慮します。
鳩の糞は放置すると悪臭や害虫の発生源となるだけでなく、カビや細菌が繁殖して住環境を害する危険があります。
そのため、肉眼で確認できる汚れを除去するのはもちろん、微生物レベルでの除菌処理まで念入りに施しました。建物の壁や床面にこびりついて落としにくい汚れも根気強く洗い流し、鳩の痕跡を可能な限り完全に取り除いていきます。
清掃後、ネットやスパイクの設置状況を再度点検し、緩みや隙間がないか念入りにチェックしました。すべての対策が所期のとおり機能することを確認したうえで機材を撤収します。
最後に管理会社様にも立ち会っていただき、施工結果を一緒に確認しました。手すりが糞まみれだったベランダは見違えるほど綺麗になり、防鳥ネットの効果で鳩が一羽も入り込めなくなった様子を見て、管理会社様からは「これで居住者のストレスも減り、本当に助かりました」とのお言葉をいただきました。
後日談ですが、その後しばらく経ってから様子を伺ったところ、「鳴き声が聞こえなくなって快適に過ごせる」「ベランダにまた出られるようになった」と住民の満足度が大きく向上したとの報告も受けています。
私自身、この案件を通じて改めて感じたのは、マンションにおける鳩駆除は早期の対策と徹底した再発防止策が肝心だということです。被害が深刻化する前に専門業者が適切な処置を行うことで、居住者の皆様の安心・快適な暮らしを守ることができます。
今回の施工経験を今後の案件にも活かし、引き続き東京都内をはじめとするマンションの鳩被害に悩む方々のお力になっていきたいと思います。