エアコン防カビ・抗菌コーティング施工事例:壁掛け型エアコンのカビ対策レポート
ビル管理者や店舗責任者にとって、エアコン内部のカビは空調管理上の悩みの種です。
本記事では、壁掛け型エアコンに対する防カビ・抗菌コーティング施工の事例を、現場スタッフのレポート形式でご紹介します。ある店舗からご依頼いただいたエアコン内部のカビ対策作業の様子をお伝えします(所要時間は約20分で完了しました)。
施工依頼の背景とお客様の課題
今回施工をご依頼いただいたのは、とある小規模店舗の店長様です。最近、店内で使用している壁掛け型エアコンからかすかなカビ臭が感じられるようになり、お客様や従業員の健康への影響を心配されていました。エアコン内部に発生したカビ汚れを一度しっかり除去し、再発を防ぐ対策を講じたいというのが主なご要望です。また、「営業に支障が出ないよう、なるべく短時間で作業を終えてほしい」とのご希望もあり、迅速かつ確実な施工が求められました。
エアコン内部のカビ除去作業
まずはエアコン本体の電源を切り、カバーを開けて内部の状態を確認しました。フィルターにはホコリがびっしりと溜まり、送風口やファンの周辺には点々と黒カビ汚れが見られます。このままではカビ臭の原因になるだけでなく、空気中にカビの胞子をまき散らしてしまう恐れがあるため、早速クリーニング作業に取り掛かりました。
最初に、エアコンのフィルターを取り外して清掃します。屋外でフィルター表面のホコリを軽くはらい落とした後、水洗いと中性洗剤で丁寧に洗浄しました。細かなホコリまで落とし切ることで、後ほど実施する抗菌コーティング剤もしっかり密着し、効果を発揮しやすくなります。
次に、エアコン内部の熱交換器(アルミフィン)に付着した汚れとカビを除去します。専用のエアコン洗浄スプレーをアルミフィン全体に吹き付け、数分置いて汚れを浮かせてから、柔らかい布で拭き取りました。アルミフィンは薄い金属フィンが何層にも重なった構造のため、表面に付いた微細なカビもしっかり除去できるよう、フィンの方向に沿って丁寧に拭き上げています。
そして送風ファン(シロッコファン)部分の清掃です。吹き出し口の奥に配置されている筒状のファンにも黒っぽい汚れがこびり付いていましたので、ここが今回の カビ臭の主な発生源 と考えられました。ブラシを使ってファンの羽根に付着したカビ汚れを可能な限りかき出し、その後布で拭き取っていきます。実際に作業してみると、奥のファン裏側にも手が届きにくい汚れが残りがちですので、角度を変えながら根気強く清掃しました。現場スタッフの私としても特に気を遣ったポイントで、 ファンのカビをしっかり除去することで嫌な臭いの改善につながるからです。
防カビ・抗菌コーティングの施工
内部のカビ汚れを一通り除去した後、仕上げに防カビ・抗菌コーティング剤の噴霧施工を行いました。エアコン専用の抗菌コート剤をスプレーボトルにセットし、エアコン内部全体にまんべんなく行き渡るよう噴霧します。熱交換器のアルミフィン表面や送風ファン、吹き出し口の内部までムラなく薬剤が付着するよう、ノズルの角度を細かく調整しながら作業しました。ファンについては手で羽根をゆっくり回しつつ噴霧し、見えない裏側までコーティングできるよう工夫しています。
一見、スプレーを吹きかけるだけの簡単な工程に思えるかもしれませんが、プロの現場では細かな気配りが欠かせません。 例えば薬剤が電装部品に直接かからないよう噴霧範囲をコントロールしたり、周囲の壁や床を汚さないよう養生シートで保護したりといった点にも注意を払っています。噴霧後は数分間そのまま置き、薬剤を乾燥・定着させました(冷房運転による結露で流れてしまわないよう、この間はエアコンを動かしません)。清掃とコーティングの全工程で約20分ほどしか経っていませんが、短時間でも効果的にカビ対策ができるよう、段取り良く作業を進めています。
使用薬剤の特徴と効果持続期間
今回使用した防カビ・抗菌コーティング剤の特徴と、その効果持続期間についてまとめます。
- 無色透明の薬剤であり、施工後もエアコンの外観や内部の見た目に変化はありません。コーティングしたことを意識せず、従来通りエアコンをご使用いただけます。
- コーティング剤が形成する膜はごく薄く、冷暖房性能や風量に影響を与えることもありません。熱交換器の熱伝導や送風効率が落ちる心配なくコーティングできます。
- 防カビ・抗菌効果は約2~3カ月間持続し、その間エアコン内部のカビや細菌の繁殖を抑制します。ただし効果は徐々に薄れていくため、環境によっては数カ月後に再びカビが発生し始める可能性があります。
- 安全性にも配慮した成分を使用しており、人体やエアコン機器への悪影響が少ない薬剤です。施工後は薬剤が乾燥・定着しているため、エアコン運転中に有害な物質が飛散する心配もありません。
以上のように、コーティング剤はエアコンの見た目や性能を損なうことなく一時的にカビの発生を抑える便利なアイテムです。
ただし半永久的に効果が続くわけではない点は理解しておく必要があります。
施工後の確認とメンテナンス案内
すべての清掃およびコーティング作業が完了した後、取り外していたフィルターや外装カバーを元に戻し、エアコンの動作確認を行いました。実際に冷房運転でスイッチを入れてみて、冷風がしっかり出るか、風量にムラがないかをチェックします。異音や異臭が発生しないことも重要な確認ポイントです。
今回のケースでは、清掃前に感じられたカビ臭がほとんど気にならなくなり、お客様にもすぐ違いを実感していただけました。冷却機能にも問題はなく、すべて正常に稼働していることを確認できました。
動作確認後、店長様へエアコンの現状とお手入れ方法について報告・説明を行います。まず、防カビ・抗菌コーティングの効果は約2~3カ月程度持続することをお伝えしました。そのため、「また数カ月後には徐々に効果が薄れてきますので、その際は再度コーティング施工を検討いただくか、内部クリーニングを行うと良いでしょう」とご案内しています。また、日常的なメンテナンスの重要性についてもアドバイスしました。
フィルター清掃は少なくとも月に1度は実施するようお願いしましたが、私の経験上、フィルターをこまめに掃除するだけでも内部のカビ発生は格段に抑えられるためです。さらに、冷房運転後には送風運転に切り替えて内部を乾燥させたり、定期的に室内の換気を行ったりするようおすすめしました。エアコン内部に湿気がこもらない環境を作ることで、カビの再発をできるだけ防ぐことができます。
お客様も熱心に耳を傾けてくださり、「今後はフィルター掃除を忘れずに行います」と前向きに受け止めてくださいました。
現場スタッフの所感とまとめ
短時間の施工ではありましたが、内部清掃からコーティングまで一通りのカビ対策を実施できたことで、お客様の不安を無事解消することができました。施工後、店長様が「臭いが気にならなくなって安心しました」とほっとされた様子だったのが印象的です。エアコン内部のカビは放置すると悪臭や健康被害だけでなく、エアコン自体の効率低下や故障リスクにもつながりかねません。
今回のケースのように、プロの手による適切な清掃とコーティングを組み合わせた対策は、そうしたリスクを未然に防ぐのに有効だと改めて感じました。
現場の実感としては、定期的なメンテナンスの大切さも痛感しています。防カビコーティングはカビの発生を一時的に抑える助けになりますが、それだけに頼るのではなく、日頃からフィルター清掃や室内の換気を心がけることが肝心です。また、エアコン内部の汚れが深刻化する前にプロにクリーニングを依頼することで、結果的に衛生的で快適な空調環境を長く維持できるでしょう。
今回も約20分という短時間で作業を終えられたのは、専門業者ならではの段取りと技術によるものです。今後も培ったノウハウを活かしながら、お客様に安心してご利用いただける空調環境づくりに貢献していきたいと思います。以上、エアコン防カビ・抗菌コーティング施工現場からのレポートでした。