飲食店厨房で業務用冷蔵庫清掃を実施しました【現場レポート】
清掃のご依頼と冷蔵庫の状況
飲食店の厨房より「業務用冷蔵庫の清掃をお願いしたい」とご依頼をいただき、プロの清掃スタッフとして現場に伺いました。厨房の業務用冷蔵庫は長年の使用で内部に汁汚れやカビが見られ、扉を開けると食材由来の嫌なニオイも感じる状態でした。
冷蔵庫は衛生管理の要ですが、日々の営業では手が回らず汚れが蓄積しがちです。「これは徹底的に清掃して衛生的な状態に戻そう」と現場で心に決め、清掃作業に取りかかりました。
ゴムパッキンの細部洗浄で見落とし汚れもゼロに
冷蔵庫扉のゴムパッキン(ドアシール)も要チェックポイントです。扉周囲のパッキンは蛇腹状の溝があり、ここに汚れや黒カビが蓄積しやすいことを現場で改めて実感しました。見たところ案の定、ゴムパッキンの溝部分に黒ずみ汚れが確認できました。
そこで、細部専用の清掃道具として歯ブラシや綿棒を使用し、パッキンの溝一筋一筋を丹念に擦り洗いしています。強い洗剤はゴムを傷める恐れがあるため、中性洗剤を薄めた洗浄液を使い、ブラシでこすった後は濡れ布で洗剤分をきれいに拭き取りました。綿棒はブラシが届かない細かなコーナー部分の汚れ除去に役立ちます。手間のかかる作業ですが、「パッキンの汚れを落とし切れば冷蔵庫内の清潔さが格段に上がる」との思いで丁寧に進めました。
清掃後のパッキンは本来の白さを取り戻し、指で触れても汚れが付かない状態になりました。このように細部までケアすることで、普段見落としがちな汚れも残さず一掃できました。
重曹と天然消臭剤によるニオイ対策
庫内清掃と除菌が完了した時点で、内部の嫌なニオイも元の汚れとともに大幅に軽減しました。しかし念のため、消臭対策もプロの工夫で実施します。まず、重曹を少量容器に入れて庫内に設置しました。重曹は臭いの原因物質を中和・吸着してくれる効果があり、冷蔵庫のニオイ取りには昔から使われる天然素材です。また、食品と同じ空間で使うため安全な天然成分由来の消臭剤も庫内全体にスプレーしました。
柑橘系エキス配合の消臭スプレーで、化学的な強い香りを残さずに消臭できるタイプのものです。重曹による消臭と天然成分スプレーのダブルの効果で、庫内の匂いはほとんど無臭と言っていいレベルまで改善しています。
実際に鼻を近づけて確認すると、掃除前に感じた生ゴミのようなツンとした臭いが消え、代わりにほのかに爽やかな香りが感じられるほどになりました。「業務用冷蔵庫は様々な食品臭が混ざりやすいが、ここまで無臭になるのか」とお店の方にも驚いていただけました。
ステンレス外装の鏡面仕上げクリーニング
庫内だけでなく業務用冷蔵庫の外装清掃もしっかり行いました。厨房に設置された縦型冷蔵庫の扉や側面はステンレス製で、手垢や水滴跡で曇っていました。まず中性洗剤を薄めた洗浄液を布に含ませ、外装全体の油汚れやホコリを拭き取ります。特に取っ手周りは手油でベタついていましたので、入念に拭き上げました。その後、洗剤成分が残らないよう固く絞った布で水拭きし、最後に乾いた柔らかいクロスで乾拭きして磨き上げます。磨きの仕上げにはガラス拭き用のマイクロファイバークロスを使い、ステンレス表面を丁寧に空拭きしました。
すると扉は驚くほどツヤが蘇り、まるで鏡のように自分の顔が映り込むほどピカピカになりました。「ここまで光沢が出るとは思わなかった」と厨房スタッフの方も感心され、清掃後は厨房全体が明るく感じられる仕上がりとなりました。また、ステンレス外装を清潔に保つことで衛生的な印象を与えるだけでなく、サビや劣化の予防にもつながります。普段は庫内清掃が優先で外装は二の次になりがちですが、プロとして外側までしっかり綺麗にすることで厨房全体の清潔感が向上すると改めて感じました。
冷蔵庫裏の通気口清掃で冷却効率アップ
さらに見逃せないのが冷蔵庫背面の通気口(コンデンサー周辺)の清掃です。業務用冷蔵庫は放熱のため背面または底部に通気口やフィルターがあり、ここにホコリや油分が溜まると冷却効率が大きく低下します。今回は冷蔵庫を壁から少し前に動かし、背面のグリル状の通気口カバーを外しました。裏側を見てみると、案の定ファン周辺やフィン部分に厚くホコリが積もっています。
このままでは冷風を作るコンデンサー(熱交換器)が十分に放熱できず、冷えが悪くなって電気代が余計にかかったり、最悪の場合は過熱による故障の原因にもなりかねません。そこで、ブラシと掃除機を使ってホコリをしっかり除去しました。
固着した油汚れ混じりの綿埃はブラシで掻き出し、細かなチリは業務用の強力なバキュームで吸い取ります。清掃後、コンデンサー部のフィンが本来の金属の色を取り戻し、手で触れてもホコリが付かない状態になりました。庫内を再び稼働させてみると、明らかに冷却効率が改善したようで、庫内温度の下がるスピードが速くなった印象です。「冷蔵庫も息を吹き返したようだ」と感じる瞬間でした。
メーカーも年に1回程度のコンデンサー清掃を推奨しているほど重要なメンテナンス項目です。今回の作業で改めて、冷蔵庫裏の通気口清掃が機器の長寿命化と省エネに不可欠だと実感しました。
清掃後の効果と感じたこと
こうして一連の業務用冷蔵庫 清掃作業が完了しました。庫内には清潔な棚板と食材のみが戻され、嫌な臭いはすっかり消え去っています。扉のゴムパッキンから外装の隅々までピカピカに磨き上げられ、見た目にも新品同様の輝きを取り戻しました。作業後に冷蔵庫を稼働させたところ、冷却性能の向上も体感できました。以前よりも庫内温度の安定が早く、通気口清掃の効果でコンプレッサーの負担も減ったはずです。「中までスッキリ綺麗になって本当に助かりました!」と店舗オーナー様にも大変喜んでいただけました。
プロの現場目線で今回感じたのは、日常的に使用する業務用冷蔵庫ほど定期清掃が重要だということです。内部の汚れやカビは食品衛生に直結し、放置すれば食材の品質やお店の衛生評価にも影響を与えかねません。
また、通気口や機器内部の清掃を怠ると冷えが悪くなり電気代が上がったり、機器故障のリスクも高まります。実際、清掃前に比べ冷蔵庫の動作音がスムーズになり、庫内の嫌な臭いもゼロになった様子を見て、「ここまでやって良かった」としみじみ感じました。業務用冷蔵庫清掃は手間がかかる作業ですが、年に一度はプロに任せて徹底清掃することを強くおすすめします。
今回の施工事例が、同じように厨房の冷蔵庫汚れにお悩みの方々にとって参考になれば幸いです。今後も現場で培ったノウハウを活かし、厨房機器を最適な状態に保つお手伝いをしてまいります。清掃を通じて厨房の衛生環境が向上し、お店の繁盛につながることを願っております。