都内ホテル エントランス クリーニングおよび噴水洗浄 作業報告書
作業概要:
ホテルエントランス部分のテント清掃と噴水洗浄を実施しました。プロの清掃業者の視点から、現場の様子と作業手順、工夫した点について報告します。
使用薬剤:
- ドレストン(酸性洗浄剤、水垢汚れ用)
- CP用シミ抜き洗浄剤(アルカリ性洗浄剤、有機汚れ用)
使用道具:
- 研磨パッド
- 脚立(2m)
- シャンパー(清掃用刷毛)
- 養生シート(飛散防止シート)
- その他工具類(バケツ、ヘラ、ブラシ、ウエスなど)
1. 施工準備 (9:00~9:30)
朝9時に現場に到着し、ホテルエントランスの周囲に作業エリアを確保しました。コーンとロープを設置して通行動線を確保し、一般のお客様が誤って作業区域に入らないよう注意喚起しています。また、テント下や噴水周辺の床面に養生シートを敷き、洗浄中の薬剤や汚水が床や壁に飛び散らないよう保護しました。脚立をテント前に設置する際は、脚立の脚元が安定するよう調整し、必ずスタッフが支えて安全を確保しています。
安全配慮として、作業者はゴム手袋や保護メガネを着用し、薬剤が皮膚や目に入らないよう万全の準備を整えました(特に酸性洗剤使用時)。
現場準備を整えた段階で、テント表面の汚れ状況と噴水内の水垢・藻汚れの状態を目視確認し、汚れの程度に応じて薬剤の希釈濃度や洗浄方法のプランを最終決定しました。準備段階から現場の状況に応じて柔軟に判断を下すことが、プロのホテル エントランス クリーニングには重要だと改めて感じました。
2. テント部分 アルカリ洗浄(有機汚れ除去) (9:30~11:00)
まず、テント(エントランス上部の布製テント)の表面に付着した埃や鳥のフン、苔などの有機汚れに対して、アルカリ性のCP用シミ抜き洗浄剤を使用しました。洗剤は規定の希釈倍率で水と混合し、スプレーボトルでテント全体にムラなく噴霧します。その際、風下に薬剤が飛ばないよう噴霧方向に注意し、周囲の植栽や壁面にも飛散しないよう細心の配慮を行いました。薬剤を吹き付けてしばらく浸透させると、表面の黒ずみ汚れが徐々に浮き上がってきました。
次に、シャンパー(長柄の清掃用ブラシ)や研磨パッドを用いてテント表面を優しく擦り洗いします。特に鳥のフンなど頑固な汚れは、この段階で丁寧に物理除去しました。作業中、「テント生地を傷めない程度の力加減」を意識し、汚れに応じて研磨パッドの硬さを使い分けています。
アルカリ洗浄剤の効果で、みるみる汚れが落ちてテント本来の明るい色が現れました。汚れが十分に除去できたことを確認したら、濡れたウエス(雑巾)でテント全体を水拭きし、洗剤成分をしっかり除去しました。この水拭き工程により、洗剤が布地に残留せず再汚染や劣化を防止します。アルカリ洗浄の段階でテントの有機汚れはほぼ解消できましたが、まだ白く輪状に残る水垢汚れが見受けられ、「やはり次の酸洗浄が必要だ」という判断に至りました。
3. テント部分 酸洗浄(水垢除去) (11:00~12:00)
アルカリ洗浄後も残っていたテント表面の水垢(白く固着した雨染み汚れ)に対し、酸性洗剤のドレストンを用いて洗浄を行いました。酸洗剤は素材への影響を考慮し、まず目立たない一角で試し塗りを実施しています。
問題がないことを確認してから、スポンジにドレストンを含ませ、汚れのひどい箇所を中心にテント全体に塗布しました。酸性洗浄剤は金属部分に付着すると腐食の恐れがあるため、テントを支える金具や周囲の金属フレームには薬剤がかからないよう養生シートで覆い、慎重に作業を進めます。洗剤塗布後、数分おいて水垢が化学反応で溶解・軟化するのを待ちました。
その後、研磨パッドで優しく擦り、水垢を除去します。頑固な箇所には追加で洗剤を塗り再度擦り洗いを行い、徐々に蓄積した水垢を落としていきました。作業者の実感として、酸性洗剤を用いることで、アルカリ洗浄では落としきれなかった白いシミが驚くほど簡単に除去でき、「専門薬剤の効果は絶大だ」と感じました。最後に再度きれいな水を含ませたウエスでテント全体を隅々まで水拭きし、中和と洗剤成分の拭き取りを徹底します。
酸洗浄後のテントは黒ずみも水垢もなくなり、新品とまではいかないものの見違えるほど清潔な状態に仕上がりました。
4. 噴水洗浄 (13:00~14:30)
午後はエントランス正面にある装飾噴水の清掃に取り掛かりました。まず噴水の循環ポンプを停止し、水位を下げるために噴水槽の水を一部排出しています。水を完全に抜くと藻や汚れが舞い上がって周囲に飛散する恐れがあるため、水位は汚れが露出する程度に半分ほどまで下げるに留めました。露出した噴水底や側面のタイル・石材表面には、長期間の利用で苔や藻が付着し滑りやすくなっていたため、まずデッキブラシやヘラを用いて物理的にかき落としました。この予備洗浄で大きな藻汚れを除去し、薬剤が効果を発揮しやすい状態にします。
次に、テント清掃と同様にアルカリ性洗剤(CP用シミ抜き洗浄剤)を噴霧し、ブラシで擦って噴水内部の有機汚れを洗浄しました。ぬめりの原因となるバクテリアや藻類にはアルカリ洗剤が有効で、洗浄中、滑りやすかった石の表面が徐々にザラつきを取り戻すのを感じました。
その後、噴水の石材や金属ノズルに付着した白い水垢については、酸性洗剤(ドレストン)を慎重に適用します。特に噴水の縁や水位線付近に石灰質の固まりが多く見られたため、刷毛で酸性洗剤を塗布し、数分間反応させてから細かなブラシで擦り落としました。噴水清掃では安全配慮と水の取り扱いが非常に重要です。薬剤が残留したまま排水すると環境への影響が懸念されるため、洗浄後の汚水は直ちに回収して適切に処理しました。
また、作業者自身も噴水槽内で足を滑らせないよう注意し、常に二人一組で作業して一人が支えるようにしています。最終的に清掃後の噴水槽内をきれいな水で満たし直し、ポンプを再稼働して噴水を元の状態に戻しました。洗浄後は水も澄んでおり、石材表面の光沢が戻ってエントランスの印象が一段と向上したように感じます。
5. 撤収・最終確認 (14:30~15:00)
作業終了後、使用した道具類をすべて回収し、養生シートも外して周辺を清掃しました。洗浄中に飛び散った汚水や剥離した汚れが床面に残っていたため、モップと清水で床を拭き上げ、エントランス周辺を清潔な状態に復旧しています。脚立の撤去時には周囲に人がいないことを再確認し、安全に機材を搬出しました。最後に、テントと噴水の仕上がりを改めて目視点検し、見落とし汚れがないかチェックします。
テントはシミや汚れがなく均一な状態であること、噴水も水垢の白い付着が消え美観が向上したことを確認できました。ホテル担当者にも立ち会ってもらい、エントランスクリーニングの結果を一緒に確認しましたが、「とても綺麗になった」とご満足いただけました。
今回の作業を通じて、高級ホテルのエントランスという人目に付く場所のクリーニングでは、噴水洗浄など特殊な清掃も含め丁寧な施工と細かな気配りが求められると再認識しました。作業は無事故で完了し、予定の15時に全工程を終了しました。