都内1Kアパート空室清掃 作業報告(日中作業)
準備と作業方針
作業当日は午前中に現場に到着し、周辺挨拶と室内点検の後、すぐに清掃の準備に取り掛かりました。まず電気・水道が使えることを確認し、窓を開放して十分に換気を行います。日中の明るい時間帯に作業することで自然光による汚れの見落とし防止にもつながるため、この利点を活かしながら進めました。
また、作業箇所を一通り確認したところ、浴室の黒カビ汚れや玄関靴箱の黄ばみが特に目立っていたため、重点的に対処する方針としました。
効率化の工夫として、浴室のカビ取り剤を先に塗布して浸透させている間に他の箇所の清掃を進めるなど、汚れの種類に応じた順序で作業を進行しました。作業者はゴム手袋・マスクを着用し、安全と衛生に配慮して作業を開始しました。
準備した主な清掃用具・洗剤:
- 業務用アルカリ性洗剤(キッチンの頑固な油汚れ用)
- 業務用酸性洗剤(蛇口まわり等の水垢・石鹸カス用)およびクエン酸スプレー
- 塩素系カビ取り剤(浴室の黒カビ漂白用)
- 中性多目的洗剤(床・窓枠など素材を傷めない拭き掃除用)
- メラミンスポンジ(細かな汚れや黄ばみ落とし用)
- ナイロンたわし・スポンジ(キッチンシンクや浴槽用の擦り洗い用具)
- 各種ブラシ(歯ブラシ、隙間ブラシ、排水口用ブラシ、スクレーパー付きブラシ等)
- マイクロファイバークロス・雑巾(仕上げ拭き用)
- 掃除機、モップ、脚立(高所作業用) など
道具と洗剤を所定の位置に展開し、床面や作業箇所周囲には養生シートや古布を敷いて、洗剤飛散や汚れの二次付着を防止しました。それでは、各所の清掃作業について順に報告いたします。
キッチン清掃(油汚れ・水垢の除去)
キッチン周りでは、コンロや壁面に調理中の飛び散った油汚れがこびり付き、シンクや蛇口まわりには白い水垢汚れが確認できました。まず汚れの性質に応じて洗剤を選定します。
例えば、コンロ脇の茶色く変色した汚れは調理油由来の油汚れで、シンク内や蛇口に付着した白い斑点汚れは水垢(水道水中のミネラル分の蓄積)です。茶色の油汚れにはアルカリ性洗剤、水垢には酸性洗剤が効果的であるため、それぞれに適した薬剤を使い分けて清掃を行いました。
具体的には、コンロ周りの頑固な油汚れには業務用アルカリ洗剤を吹き付け、数分間浸透させてからナイロンたわしで擦りました。焦げ付いた汚れに対してはプラスチック製のヘラで軽く削り落としつつ、仕上げに再度洗剤を塗布して雑巾で拭き取っています。
清掃時に素材に傷を付けてしまうと劣化を早め、傷に汚れが入り込んで次回以降の清掃が困難になるため、慎重な作業を心掛けています。幸いフローリング調リノリウムのキッチン床は水や洗剤に強い素材のため、飛び散った洗剤液は都度拭き取りつつ作業を進めました。
シンクの水垢に対しては、クエン酸配合の浴室用酸性洗剤をスプレーし、水栓金具にはキッチンペーパーを巻いてからその上から同洗剤を吹き付ける “パック洗い” を実施しました。約20分間放置して水垢を浮かせた後、メラミンスポンジと柔らかいスポンジで擦り落とします。
細かな隅や排水口の金属部分も歯ブラシを使って念入りに洗浄しました。最後にアルカリ洗剤を使用した箇所とシンク全体を中性洗剤で洗い流し、マイクロファイバークロスで水滴を拭き上げてステンレス部分にツヤを出しました。
作業後、コンロ・調理台のベタつきはすっかり取れ、シンク周りの水垢も消えて金属光沢がよみがえりました。
調理スペース全体が衛生的な状態に仕上がっています。
浴室3点ユニット清掃(湯垢・黒カビの除去)
続いて、ユニットバス(浴室・洗面・トイレ一体型)の清掃です。扉を開けた瞬間にカビ臭が感じられ、浴槽やタイル目地に黒カビが点在していました。また、浴槽内部には使用に伴うザラついた湯垢汚れや、排水口周辺の石鹸カスが付着しており、全体的にくすんだ印象でした。
まず換気扇を回し十分に換気しながら、カビ取り剤(塩素系漂白剤)を浴室全体の黒カビ箇所に噴霧しました。特にカビが繁殖しやすいゴムパッキンやタイル目地、浴槽と壁の隙間部分に薬剤が行き渡るよう注意深くスプレーしています。薬剤散布後は扉を閉め、15〜20分程度そのまま放置して漂白・除菌効果を浸透させました(この間に他の場所の清掃作業を並行して実施)。十分な時間をおいた後、再度浴室に戻り、換気を確保しつつカビ汚れをブラシで擦り洗いします。黒カビは塩素の効果でかなり薄茶色に変色・分解されており、軽い力でこするだけで落とすことができました。
頑固な箇所にはもう一度カビ取り剤を塗布し、最終的にカビ汚れは全て消し去ることができました。カビ臭も塩素による除菌効果でほとんど感じられなくなりました。
次に、浴槽内と壁面の湯垢・石鹸カス汚れを洗浄しました。浴槽の水位ラインに沿って残っていた薄茶色の汚れ(黒ずみ汚れ)は、浴室用中性洗剤をスポンジに取り、丁寧に擦り落としました。滑りやすい浴槽床面は、専用のすべり止めシートを敷いて作業者が中に入り、細部まで清掃しています。排水口についてはフタとヘアキャッチャー(ゴミ受け)を外し、詰まっていた髪の毛やヌメリ汚れをブラシで掻き出しました。
排水トラップ内部にもパイプ用洗浄剤を注ぎ、しばらく反応させてから熱湯を流して洗浄・消毒しています。併設のトイレ部分も忘れずに、トイレ用洗剤で便器内部と便座・蓋を洗浄し、床面も拭き上げました。
最後に浴室全体をシャワーで十分にすすぎ、残留洗剤や汚れを流します。水滴を窓用ワイパーで切り、乾いたクロスで蛇口や鏡、棚などの水気を拭き取り水垢の再付着を予防しました。清掃後のユニットバスは、浴槽のざらつきもなくなり滑らかな手触りとなっています。カビで黒ずんでいた箇所は真っ白に戻り、浴室全体が明るく清潔な印象に仕上がりました(※作業写真:浴槽の黒ずみ除去後の様子も参照)。
これで次の入居者様にも安心して利用いただける浴室空間になったと思います。
窓・ベランダ清掃(サッシ・ガラスの埃落とし)
室内清掃と並行して、窓ガラスおよびベランダ周りの清掃も行いました。こちらの物件では黒色のアルミサッシ枠が採用されていますが、枠溝部分に砂埃が厚く積もっており、手で触ると粉塵が付着する状態でした。
まず窓枠やレールの溝にたまったホコリ・砂粒を掃除機で丁寧に吸い取り、細かな隅はブラシで掻き出しました。その後、中性洗剤を薄めた洗浄液を雑巾に含ませ、サッシ枠全体を拭き上げます。特に外気に触れるベランダ側のサッシは汚れが顕著だったため、雑巾が黒く汚れなくなるまで何度も拭き取りを繰り返しました。サッシ枠本来の黒色が蘇り、手触りも滑らかです。
続いて窓ガラス両面の清掃です。ガラス面には手垢や雨だれの跡が多少付着していましたので、ガラス用クリーナーをスプレーしてからスクイージーで水切りし、乾いたクロスで拭き上げました。清掃後はガラスの透明度が増し、日差しが室内にしっかり差し込むようになりました。
併せて、ベランダ床面の簡易清掃も実施しています。落ち葉や埃をほうきで掃き集め、排水溝に詰まりがないか確認した上で、水拭きできる範囲はモップで拭き取りました。手すりやエアコン室外機の上にも砂埃が積もっていたため、雑巾で払い清掃しています。
作業後、窓枠・サッシは綺麗に蘇り、ベランダから侵入する砂埃もなくなったことで部屋全体が明るく清潔な印象となりました(※作業写真:清掃後のベランダサッシの様子もご参照ください)。
換気扇・換気口清掃(レンジフード・通気口の掃除)
キッチンと浴室の清掃に付随して、換気設備の洗浄も行いました。まずキッチンの換気扇(レンジフード)です。油汚れが蓄積しやすいレンジフード内部は分解可能な範囲で外し、整流板・フィルター・ファンを取り外しました。
取り外した部品は事前に用意したアルカリ洗剤入りの桶に浸け置きし、油汚れを浮かせてからスポンジで擦洗しています。ファン(プロペラ)やフィルターの網目に固着した油汚れも、浸け置きによってかなり軟化し、ブラシで軽く擦ることで詰まりなく綺麗に落とすことができました。換気扇フード本体の内側も、脚立を使いながらアルカリ洗剤を染み込ませたクロスで油分を拭き取り、仕上げに中性洗剤で二次洗いしています。
清掃後は換気扇全体を完全に乾燥させ、元通り組み立てました。動作確認ではファンの回転音も軽快になり、嫌な油臭も感じられません。
次に居室および浴室の換気口の清掃です。各部屋の壁に設置された給気口・換気口カバーを外し、内部に溜まった埃を掃除機で吸引しました。特に浴室天井の換気グリルには綿埃が堆積していたため、外したカバーとファン表面を中性洗剤で水洗いし、カビなどがないようアルコール除菌も実施しています。高所での作業となるため、安全を確認しながら脚立に上り、内部まで可能な範囲で拭き上げました。
換気口カバーは乾燥後に取り付け直し、開閉ダイヤルが問題なく動くことも確認済みです。換気設備は目に見えにくい部分ですが、ホコリを除去することで風量が改善し、カビ臭予防にもつながります。レンジフード換気扇から各室の換気口まで清掃したことで、室内の空気循環経路もクリーンな状態となりました。
建具・玄関靴箱清掃(黄ばみ・手垢の除去)
室内の建具(ドア、クローゼット扉等)および玄関まわりの清掃について報告します。まず各建具表面の汚れですが、手で触れる機会の多いドアノブやスイッチプレート周辺には手垢汚れが見られました。これらはアルコールスプレーを吹き付けた布で拭き取り、除菌も兼ねて清掃しています。
また、木目調クロス仕上げの扉面には目立つ汚れはありませんでしたが、上部にうっすらとホコリが積もっていたため、ハンディモップで埃を払い落としてから固く絞ったクロスで全体を拭き上げました。ドア枠や幅木(巾木)も同様に拭いており、細かな部分まで埃を残さないよう注意を払っています。
次に玄関にある白色の靴箱(下駄箱)の清掃です。経年により表面が黄ばみを帯びており、特に取っ手周辺や扉の上部が明確に黄変していました。まず中性洗剤を含ませたスポンジで表面を洗浄しましたが、黄ばみ自体は素材に染み込んだようで完全には落ちません。
そこでメラミンスポンジを用いて黄ばみを研磨除去する方法を試みました。メラミンスポンジは水だけで汚れを落とせる便利な研磨材で、タバコのヤニや食品汚れに由来する黄ばみに特に有効とされています。水に浸して柔らかくしたメラミンスポンジで靴箱扉の黄ばみ部分を円を描くように優しく擦ると、スポンジが黄色く汚れてゆき、徐々に本来の白さが現れてきました。強く擦りすぎると艶消しの扉表面を傷める恐れがあるため、全体を少しずつ様子を見ながら均一に磨いていくのがコツです。扉全面を処理した後、中性洗剤で再度拭き掃除を行い汚れの残留を防止しました。
その結果、靴箱は新品同様とまではいかないものの黄ばみが大幅に軽減し、遠目には真っ白で清潔な印象を取り戻しました(※作業写真:靴箱の黄ばみ除去後の様子をご覧ください)。玄関ドアも内側・外側とも拭き掃除を行い、ドアポストやドアノブの手垢・汚れを落としています。
玄関周りは住戸の「顔」に当たる部分のため、細部まで念入りに清掃し、入居者様が第一印象で清潔さを感じられるよう心掛けました。
床面清掃(フローリング調リノリウム床)
最後に、部屋全体の床清掃を行いました。今回の物件はフローリング調のクッションフロア(リノリウムシート)仕上げで、木目柄ながら耐水性が高くワックス不要の床材です。まずは掃除機で部屋全域の埃やゴミを丁寧に吸引しました。
特に壁際やコーナー部分には細かな埃が溜まりやすいため、ノズルブラシを使って隅々まで吸い取っています。次に、水拭きによる床拭き掃除です。バケツに用意したぬるま湯に中性洗剤を少量だけ混ぜ、モップに含ませて固く絞りました。これで床全面をムラなく拭き上げていきます。キッチン周りの床は油汚れが飛んで滑りやすくなっていたため、念入りに二度拭きしました。
また、家具を設置していた箇所に残っていた床の軽い凹み跡や黒ずみ汚れについては、メラミンスポンジで優しく擦り落としています。拭き掃除の後は窓を開け放ち、5〜10分程度扇風機で送風して床面を乾燥させました。
ワックス掛けは不要な素材のため実施しませんが、乾燥後の床は全体に埃ひとつなく清潔な状態です。木目調の模様もくっきりと映え、室内が明るく感じられる仕上がりとなりました。
作業後の確認・所感
以上の清掃作業により、1Kアパート室内の隅々まで綺麗にすることができました。作業開始から完了まで約6時間ほどかかりましたが、日中の明るい環境で細部まで目視確認しながら進められたため、清掃漏れもありません。以下に主な清掃箇所の仕上がりを簡潔にまとめます。
キッチン:
コンロやシンク周りの油汚れ・水垢がすべて除去され、調理台やシンクが清潔な状態になりました。ステンレス部分は指紋ひとつなく輝いています。
浴室:
黒カビは完全に消え、壁やパッキンの本来の色が戻りました。浴槽内部も湯垢が取れて滑らかな肌触りです。鏡や蛇口も水垢跡がなくなり、浴室全体に清潔感が漂っています。
窓・ベランダ:
ガラスは拭き跡なく透明で、サッシ枠も埃や黒ずみをすっかり落としました。ベランダもゴミひとつない状態で、外からの砂埃が室内に入りにくくなっています。
換気扇・換気口:
レンジフード内の油汚れが取れたことで換気効率が向上し、ファンの音も静かになりました。各換気口も埃がなくなり、クリーンな空気が行き渡ります。
建具・玄関:
ドアや収納扉の表面は手垢や埃が除去され、玄関靴箱の黄ばみも目立たなくなりました。白い靴箱は入居当初のような明るい白色を取り戻し、玄関に清潔な印象を与えます。
作業者の所感としましては、今回特に手強かったのは浴室の黒カビ汚れでしたが、適切な薬剤と手順で対応することで無事に除去することができました。普段目に付きにくい換気扇内部や換気口の清掃も含め、空室清掃では細かな所まで手を入れることが大切だと再認識しております。玄関靴箱の黄ばみ落としではメラミンスポンジの効果を改めて実感しましたが、同時に素材を傷付けないよう加減が重要だと感じました。日中作業だったため、窓から差し込む自然光で汚れを発見しやすく、仕上がり確認もしやすかった点は良かったです。
総じて、室内全体が新しい入居者様を迎えるにふさわしい清潔な状態へと生まれ変わったと思います。
オーナー様にも最終確認いただき、特に靴箱の見違えるような白さや浴室の明るさにご満足いただけました。
今後も一件一件のアパート空室清掃で丁寧かつ確実な作業を心掛け、物件の価値向上と入居者様の快適な暮らしに貢献していきたいと思います。