東京都内和食カフェのトイレコーティング実績
作業概要
東京都内にある和食カフェ店舗のトイレにて、床の剥離清掃・3層コーティング仕上げおよび洗面ボウルの研磨・シリコンコーティング施工を行いました。現場の作業員の視点から、作業内容と所感を報告いたします。
施工の背景と目的
店舗のトイレは日々多くの方が使用するため汚れやすく、定期的な清掃だけでは次第に床が黒ずみ光沢を失っていました。また、洗面ボウルにも水垢や石鹸カスが蓄積し、見た目の清潔感が損なわれている状態でした。店長様から「トイレを清潔で明るい印象にリフレッシュしたい」とのご依頼を受け、従来のワックスを一新して耐久性の高いトイレ コーティングを施工することになりました。今回の作業の目的は、床面と陶器製洗面ボウルを新品同様の状態に復元し、その状態を長く維持できる保護コーティングを施すことです。
作業前の準備と養生
施工当日は店舗営業後の深夜時間帯に作業を開始しました。他の設備や壁を汚さないよう、まずトイレ室内の養生を徹底します。床や壁際の巾木、陶器製の衛生器具などにビニールシートやマスキングテープでカバーを行い、作業中の洗浄液や剥離剤が飛散しないよう対策しました。また、使用機材による振動や音にも注意し、周囲に配慮して作業を進めます。準備段階で必要資材・機材をすべて揃え、スムーズかつ安全に作業を進める体制を整えました。
使用資材・機材
- ソリッドシール(床用二液性コーティング剤)
- ダイヤモンドパッド(研磨用パッド。陶器表面の水垢除去に使用)
- ポリッシャー(床用電動洗浄機)および専用剥離剤
- 業務用バキューム(汚水回収機)
- 養生用シート・テープ類一式、その他清掃用具(モップ、スクイージー、ウエス等)
床の剥離清掃作業
まず、床面に残っている古いワックスや頑固な汚れを完全に除去するため、剥離清掃を行いました。モップ掛けや掃き掃除で表面のホコリ・ゴミを除去(除塵)した後、床材に適した強力な剥離剤を床一面にむらなく塗布します。十分な浸透時間を置いてワックス層を薬剤で軟化・分解させたら、ポリッシャーを用いて床を丹念に磨きました。ポリッシャーのパッドが当たらない隅や狭い部分は、ハンドスクレーパーや手持ちパッドで丁寧にこすり、古い皮膜を残さず削り落とします。剥離作業は通常清掃の数倍の手間と時間が掛かりますが、このひと手間で床材本来の色と輝きを取り戻すことができます。実際、長年蓄積した汚れと黄ばんだワックスを剥がし終えた後、明るい床材の地肌が顔を出したのを見て、手間を惜しまず作業して良かったと感じました。 剥離清掃が完了したら、溶け出した古いワックスや汚れを含んだ汚水を業務用バキュームでしっかりと回収します。その後、水拭きと中和剤処理により床面に剥離剤が残らないよう洗浄しました。床材表面を十分にすすいで薬品成分を取り除いた後、乾いたモップで水分を拭き取り、送風機と換気で完全に乾燥させます。下地処理としてこの乾燥工程も重要です。床が濡れたままだとコーティング剤の密着不良やムラの原因になるため、焦らず確実に乾燥時間を確保しました。
床面の3層コーティング仕上げ
床面が清潔な素地の状態までリセットできたら、いよいよコーティング作業に移ります。今回は耐久性と光沢に優れた二液性の床用コーティング剤「ソリッドシール」を採用しました。施工直前に主剤と硬化剤(添加剤)を混合して使うタイプで、通常の樹脂ワックスより硬い被膜を形成できる点が特長です。私自身このソリッドシールを扱うのは初めてでしたが、その高性能ゆえ取扱い説明を入念に確認して臨みました。
まず、混合したソリッドシールを専用のワックスモップに含ませ、床全体に薄く均一に塗布します。(これが1層目のコーティングです。)乾燥時間を確保した後、同様に2層目を重ね塗りし、更に乾燥後3層目を施工しました。合計3回に分けて塗り重ねることで、厚みのある強固な保護層と深みのある光沢感を実現しています。塗布作業中は、ムラや塗り残しが出ないよう常に角度を変えて光沢をチェックし、均一に仕上がるよう細心の注意を払いました。また、各層の乾燥中は空調を停止し、ホコリの混入や気温・湿度による乾燥ムラを防ぐよう管理しています。地道な工程ではありますが、最終的に照明が映り込むほどピカピカの床面に仕上がり、お客様にもきっとご満足いただけると確信しました。
洗面ボウルの研磨とシリコンコーティング
床のコーティング乾燥を待つ間に、並行してトイレ内の洗面ボウル(手洗い器)の再生処置も行いました。陶器製の洗面ボウルは、水滴による水垢や石鹸カスが焼き付いて白く曇り、表面のざらつきが感じられる状態でした。まず中性洗剤を用いてスポンジで洗面ボウル全体を予洗いし、汚れを大まかに除去します。次に、固着した水垢を除去するためダイヤモンドパッドと呼ばれる特殊研磨パッドで陶器表面を研磨しました。人工ダイヤの微粒子が練り込まれたパッドを用いて、慎重に円を描くように磨くと、みるみるうちにくすみが消えて本来の滑らかな質感が甦ります。研磨後に指で触れてみると、ザラザラしていたボウル内部がツルツルになっており、思わず「これはいける」と手応えを感じました。 研磨工程を終えた洗面ボウルは、水ですすいで研磨粉を洗い流し、ウエスでしっかり水分を拭き取って乾燥させます。十分に乾いたことを確認してから、シリコン系のコーティング剤をボウル内面に満遍なく塗布しました。シリコンコーティングにより陶器表面に透明な撥水保護膜が形成され、水や汚れが付着しにくくなります。塗布後は数時間の乾燥・硬化時間を置き、コーティング膜を定着させました。施工完了後、水を流して撥水効果をテストすると、水滴が玉状になって流れ落ちるのを確認できました。白く曇っていた洗面ボウルは新品同様の光沢を取り戻し、見違える仕上がりです。
仕上げの確認とお引き渡し
全ての施工工程が完了した段階で、養生資材を撤去し、床や器具類の最終チェックを行いました。まず床面については、3層コーティングが均一に塗布され光沢にムラがないか、照明の映り込み具合を見ながら確認します。ベタつきがなくしっかり硬化していることを触れて確かめ、問題ないことを確認しました。洗面ボウルも、表面の光沢と撥水状態を点検し、施工前との違いをお客様にも実感いただきました。最後に作業箇所の清掃と後片付けを行い、店長様に施工箇所をご覧いただいてお引き渡しとなりました。ピカピカになったトイレをご確認いただいた際には、「まるで新店のようだ」と喜びの声を頂戴し、作業者冥利に尽きる思いでした。
まとめ
今回のトイレコーティング施工によって、和食カフェ店舗のトイレ空間は床から洗面ボウルまで一新され、衛生的で明るい印象へと生まれ変わりました。床面は古いワックスの黒ずみが解消され、3層に重ねたコーティング被膜により耐久性のある美しい光沢仕上げとなっています。これにより、日常清掃でサッと水拭きするだけで光沢が維持でき、清潔な状態を長期間保てるようになりました。洗面ボウルも研磨と撥水コート効果でくすみが取れ、今後は水垢が付着しにくく、お客様にいつでも気持ちよく使っていただける状態です。プロの技術と適切な材料選定により、店舗設備の美観と衛生レベルを向上させる良い結果が得られたと感じています。
作業担当者より
今回は床の剥離からコーティングまでフルコースの施工となり大変ではありましたが、仕上がりを見たお客様に喜んでいただき、頑張った甲斐がありました。今後も丁寧な作業で店舗様の美観維持に貢献していきたいと思います。