京都市内飲食店リニューアル工事後の引き渡し前清掃報告
京都市内繁華街にある飲食店にて、リニューアル工事完了後の引き渡し前清掃を実施しました。
本記事では、ホール床の洗浄・ワックスがけ、天井カセットエアコンのフィルター清掃、厨房内の設備清掃やグリストラップ清掃など、プロ清掃ならではの手順と工夫を現場目線で詳しく解説します。
店舗のリニューアルを予定している店舗管理者の方や、清掃品質を高めたいと考えている方にとって、参考になる施工事例です。
現場概要と事前準備
今回清掃を行ったのは、京都市内繁華街にある飲食店です。
リニューアル工事が完了し、お客様への引き渡し前に店舗全体の美装清掃をご依頼いただきました。
施工日は5月30日、清掃スタッフは3~4名編成で、作業時間は午前8時30分から夕方17時頃までの一日作業となりました。
個人情報保護の観点から詳細な所在地は控えますが、京都市中心部の店舗ということで、人通りの多いエリアに位置しています。
清掃当日の朝8時30分、スタッフは現地近くの駐車場に集合しました。
8時45分からは施工担当者と合流し、朝礼を実施します。
朝礼では、当日の清掃範囲や重点ポイント、安全注意事項について確認しました。
また、役割分担もこの時点で決定します。
例えば、ホール床担当、厨房内担当、高所(天井エアコン)担当といった形です。
現場の状況を踏まえ、適宜チームで連携しながら進めることを打ち合わせました。
作業開始前にはまず事前準備を入念に行います。
清掃箇所に残っている工事資材や道具、そして家具や什器(備品類)を一旦移動し、必要に応じて養生シートで保護しました。
新装開店前の店舗なので、壁や床にキズを付けないよう、コーナー部分や機器類には緩衝材を当てるなど慎重に対応しています。
また、清掃中にホコリや洗剤が飛び散って他の箇所を汚さないよう、機材や什器にはカバーを掛けました。
こうした準備段階を丁寧に行うことで、後の清掃作業をスムーズに進めることができます。
さらに、写真撮影の段取りも確認しました。
依頼主への報告書用に、作業前・作業中・作業後の写真をそれぞれ同じアングルで撮影する必要があります。
清掃箇所ごとにビフォーアフターを記録し、後日提出する報告書にまとめるためです。
現場に入る前にカメラの準備と、撮影すべきポイントの共有を済ませ、いよいよ清掃作業に取り掛かりました。
清掃手順と作業内容
今回の清掃作業は、上から下へと順を追って進める方法を採りました。
基本は高所の埃落としから床清掃まで、段階的に実施することで、効率よく全体をキレイにします。
以下に各工程の詳細と現場での工夫をまとめます。
1. 天井カセットエアコンのフィルター清掃
最初に着手したのは、ホール天井に設置されたカセット型エアコンの清掃です。
高所作業となるため、脚立を安定した場所に設置し、安全を確保してから作業を開始しました。
リニューアル工事中に埃が大量に舞っていることが多く、エアコンの吸気口やフィルターには粉じんが蓄積しています。
まずエアコンのパネルを開け、フィルターを取り外して洗浄しました。
フィルター清掃には、水洗いと中性洗剤を用いています。
軽度のホコリであればブラシで払い落とし、水で流すだけで十分ですが、工事後は細かな粉塵が繊維フィルターに絡み付いているため、慎重に洗剤液に浸して汚れを浮かせました。
洗浄後はしっかり乾燥させ、カビ発生防止のために完全に水気を切ってから取り付けます。
この時、フィルター内部まで乾いているか、一枚一枚目視で確認しました。
また、エアコン本体の吹き出し口やパネル表面の拭き上げも実施しました。
脚立上での作業となるため、片手で体を安定させつつ、もう一方の手でマイクロファイバークロスを使って丁寧に拭いていきます。
新品同様に真っ白なパネル面になるまで拭き上げ、手垢や微細なホコリも残さないよう注意しました。
現場のプロの視点では、高所の清掃は見落としがちですが、空調設備の清潔さは店舗環境に直結するため、念入りに行うポイントです。
2. 壁面・ガラス・サッシの拭き上げ清掃
次に、天井付近から順次下りてくる形で、壁面や窓ガラス、サッシ枠の清掃に移りました。
工事で生じた細かなホコリは、壁の巾木(はばき)や窓枠の隅に溜まりがちです。
まずは壁面に付着した埃をハンディモップや乾拭きクロスで払い落とします。
壁材によっては水拭きが難しいため、汚れが軽微な場合は乾拭きのみで仕上げ、手垢など目立つ汚れがあれば固く絞ったクロスでそっと拭き取りました。
続いて窓ガラスとサッシ枠の清掃です。
ガラス面には工事で発生した手垢やテープ跡、塗料の飛沫が付着していました。
まずガラススクレーパーを用いて、塗料の点汚れやテープ糊を慎重に削り落とします。
その後、ガラス用洗剤をスプレーし、スクイージーで上から下へ一直線に汚れた洗剤を除去しました。
最後に乾いたクロスで縁を拭き取り、透明でムラのない窓ガラスに仕上げています。
サッシ(窓枠)部分も忘れずに、溝に溜まったホコリをブラシで掻き出し、中性洗剤を含ませた布で拭き上げました。
金属枠の場合は水分が残るとサビの原因になるため、乾拭きで水気をしっかりと飛ばしています。
また、店内の照明器具や壁掛けの備品についてもこの段階で拭き上げを行いました。
例えば、壁に取り付けられた装飾照明や額縁、メニュー看板など、手の届く範囲のものは全てクロスで埃を払った後、表面を磨いています。
リニューアル後の新品の備品であっても、工事中の粉塵を被っているため、丁寧に拭くことで本来の輝きを取り戻します。
3. 厨房床・設備・グリストラップの徹底清掃
飲食店清掃の要となる厨房エリアも、重点的に清掃しました。
厨房内は調理油の飛び散りや食材カスなどが溜まりやすく、さらに工事中の埃も加わって頑固な汚れになっている場合があります。
まず床面の清掃では、床材に応じて適切な洗剤を選択しました。
今回はタイル張りの床でしたので、グリース(油汚れ)用のアルカリ性洗剤を希釈し、床全体に散布します。
デッキブラシで隅々まで擦り洗いを行い、特にコンロ周りやフライヤー付近の床は入念にブラッシングしました。
汚水は業務用のウェットバキューム(吸水掃除機)でしっかり回収し、その後モップで清水すすぎを二度行い、洗剤分を残さないよう仕上げています。
次に作業台や調理機器の拭き上げ清掃です。
ステンレス製の調理台(通称: ゴールドテーブル)は指紋や水垢が目立ちやすいため、中性洗剤で濡らした布で全体を拭いた後、研磨剤の入っていないクリームクレンザーで軽く磨きました。
細かな傷を付けないよう、目に沿って優しく磨くのがコツです。
磨き終えたら水拭きと乾拭きで洗剤成分を残さず除去し、ステンレス本来の光沢が出るようピカピカに仕上げています。
その他、コンロやオーブンの表面、冷蔵庫の扉など、厨房機器全般を同様に拭き上げました。
新品導入の機器には保護フィルムが貼られている場合もあるため、取り忘れがないか確認し、残っていた養生シートやテープ類は全て剥がしています。
そして、グリストラップ内の清掃と水抜きも重要な工程です。
グリストラップ(排水溝の油分捕集槽)は、清掃を怠ると悪臭や排水詰まりの原因となります。
今回はリニューアル工事直後ということもあり、中を確認すると多少のヘドロ状の汚れと工事残渣が溜まっていました。
まず金網バスケットを引き上げ、溜まっていたゴミや汚泥をスクーパーでかき出します。
その後、バイオ系のグリストラップ清掃剤を投入し、お湯を注いでしばらく浸け置きしました。
これによりこびり付いた油脂が分解され、ブラシで擦るとスムーズに剥がれ落ちます。
槽内部を綺麗に洗浄した後、最後に水分を残さないよう水抜きを行いました。
バケツとウェットバキュームで可能な限り水を汲み出し、臭気対策としてフタを閉める前に消臭剤も噴霧しています。
4. ホール床の洗浄とワックス仕上げ
最後の仕上げとして、ホール側の床清掃とワックス掛けを行いました。
店舗ホール部分はお客様が直接目にする空間であり、床の美観が印象を左右するため、特に丁寧に取り組んでいます。
まず、ホール床全体の土埃や工事ホコリを業務用掃除機でくまなく吸引しました。
フロアマットなど敷かれている場合は一旦撤去し、床面を露出させておきます。
掃除機の後はダスターで床を乾拭きし、細かなホコリも残さず除塵します。
次に床材に応じた洗浄を実施しました。
今回の床材は耐久性のある塩ビシート仕上げでしたので、ポリッシャー(床磨き機)にて洗浄をかけました。
中性の床用クリーナーを希釈し、ポリッシャーのパッドで床表面を一気に洗浄します。
ポリッシャーの操作は経験が物を言います。
私たちも何度も施工している現場ですが、毎回床材の状態を確認しながら、ムラなく均一に磨ける速度を意識して操作しました。
特に壁際や隅はポリッシャーが当たりにくいため、ハンドブラシを使って手作業で汚れを落としています。
洗浄後は再度ウェットバキュームで汚水を回収し、水拭きで洗剤分を残さないようしっかり拭き取りました。
床が完全に乾燥したのを確認してから、ワックス掛けに移ります。
乾燥時間は季節や湿度によりますが、この日は風通しを良くして30分ほど置いたところで問題なく乾きました。
ワックスはプロ用の樹脂ワックス(ポリマータイプ)を採用しています。
メーカー名は不明ですが、美装清掃で一般的に使用される光沢と耐久性に優れた製品です。
モップ用の専用アプリケーターにワックス液を含ませ、床面にムラが出ないよう均一に塗布しました。
塗り始めと塗り終わりのラインが残らないよう、出口に向かって後退しながら作業します。
1層目が乾燥した後、光沢感を高めるために2層目を重ね塗りしました。
ワックスが乾くまでの間、立ち入り禁止の表示をして、ホコリが舞わないようスタッフ間で声を掛け合い注意しています。
5. 最終確認と仕上げ
全ての清掃工程が完了した段階で、最終確認を行いました。
まずは各担当者が自分の受け持ちエリアをチェックし、見落としがないか再点検します。
例えば、以下の点を重点的に確認しました。
- ガラスに拭き残しの跡がないか
- 床に洗剤の拭き残しやワックスムラがないか
- 設備機器に指紋やホコリが付着していないか
これらの細部まで確認し、問題がないことを慎重にチェックしました。
現場監督とも一緒に歩きながら、指摘事項がないかをヒアリングし、その場で微調整や追加清掃が必要な箇所があれば即対応します。
また、養生シートやテープ類が現場に残っていないかもくまなくチェックしました。
工事中に貼られた保護フィルムが扉の裏側に残っていたり、テープ跡が床に残っているケースも時折あります。
そういった残存物もすべて撤去し、新装開店に相応しい清潔な状態に整えます。
移動していた什器や備品も元の配置に戻し、最終的に現場はすぐに店舗営業を開始できる状態になりました。
最後に、事前に撮影していたビフォーアフター写真を基に作業報告書を作成しました。
清掃箇所ごとの施工内容や使用した機材・洗剤の簡単な説明、作業人数と所要時間なども報告書に記載しています。
今回使用した洗剤類はラベルの貼り替えられた業務用洗剤でしたが、一般的なアルカリ性クリーナーや中性洗剤、そして樹脂ワックスと推察されます。
これらの情報は店舗管理者様に引き渡され、今後の清掃計画の参考としても役立てていただけるようにしました。
清掃結果と学びのまとめ
本記事では、京都市内の飲食店リニューアル工事後の引き渡し前清掃について、実際の施工手順と現場での工夫を詳しく紹介しました。
プロの清掃員が現場で培ったノウハウを活かし、天井から床まで隅々の汚れを除去することで、新店舗を安心してお客様に引き渡せる状態に整えることができました。
特に、床のワックスがけによって店舗全体が明るく見違えるようになり、リニューアル工事の仕上げとして清掃が極めて重要であることを再認識しています。
また、清掃工程を通じて学んだのは、店舗清掃における事前準備と段取りの大切さです。
養生や機材準備、役割分担を徹底することで、限られた時間内に質の高い清掃を行えると感じました。
店舗管理者の方にとっても、プロに清掃を依頼することで、施工後の細かなホコリや汚れまでしっかりケアでき、開店時に万全の状態でお客様を迎えられるメリットがあります。
今回の施工事例が示すように、リニューアルや新装開店前の引き渡し清掃は、単なる掃除ではなく店舗の品質管理の一環と言えます。
私たちも現場を経験する中で、清掃のプロとしての視点から店舗環境を整えることの責任とやりがいを改めて実感しました。
今後も培った経験を活かし、店舗オーナー様や管理者様のお役に立てる清掃サービスを提供していきたいと思います。