東京都内オフィスビルの空調設備点検実績

東京都内オフィスビルの空調設備点検実績

東京都内オフィスビルの空調設備点検実績

東京都内のオフィスビルで空調設備の点検作業を任されているビル管理責任者の皆様へ、本記事ではプロの
空調設備メンテナンス技術者が現場で実施している点検作業の流れを、実際の経験に基づき詳しくご紹介し
ます。空調設備の定期点検やメンテナンスは、ビルの快適性を維持し、重大なトラブルを未然に防ぐために
欠かせない業務です。特に夏冬のピークシーズン前には、しっかりと設備をチェックしておくことで空調の故
障リスクを抑え、テナントや利用者の安心につながります。

私自身、東京都内のビル空調点検の現場を数多く経験してきましたが、その中で培ったノウハウや現場なら
ではの気づきがあります。例えば、ちょっとしたフィルターの汚れや異音が、大きな故障の前兆となっている
ケースもあります。本記事では、そうしたリアルな現場経験を交えながら、施工前の準備から測定、清掃、
最終確認に至るまでの具体的な作業工程と各工程でのポイントを解説します。

まずは、空調設備点検作業のおおまかな手順を以下にまとめました。

  1. 施工準備:作業環境と安全の確保、事前確認
  2. 測定・点検:各種数値測定と設備状態のチェック
  3. 清掃・メンテナンス:フィルターや機器内部の清掃、必要な部品交換
  4. 試運転と最終確認:運転テストによる効果確認と報告

それでは、各工程ごとに現場での判断や工夫、気づいた点を含めて詳しく見ていきましょう。

1.施工準備:作業環境と安全の確保、事前確認

点検作業は、現場に到着したときから始まっています。まず私は朝早めに現場入りし、ビル管理ご担当者様
にご挨拶して当日の作業内容を再確認します。過去の点検記録や、最近空調に関して気になる不具合がなかっ
たかなど、事前にヒアリングを行います。東京都内のビルで空調点検を行う際には、テナントの営業時間や
建物の使用状況を考慮したスケジュール調整が重要です。この日はオフィスの稼働前の時間帯に作業を計画
し、業務への影響を最小限に抑えるように段取りしました。

準備段階では、安全対策と作業環境の確保にも細心の注意を払います。具体的には、空調機器の電源を落と
してブレーカーにロックをかけ、誤って通電しないようにします。以前、私の同僚が作業中に他の方に電源を
入れられかけてヒヤリとした経験があり、それ以来、安全ロックと「作業中」の札の掲示は徹底していま
す。また、高所に設置された室内機を点検する場合は脚立や高所作業車を使用しますが、その際も必ず二人
一組で誘導し、安全帯を着用して転落防止対策を講じます。

工具や計測器の準備も抜かりなく行います。温度計、電流計(クランプメーター)、圧力計(ゲージマニ
ホールド)、そしてフィルター清掃用のブラシや業務用掃除機などを現場に持ち込みます。事前に点検対象
の空調機器の機種・型番を確認し、必要に応じて予備のフィルターや消耗部品(ベルトやドレンホースな
ど)も用意しました。こうした入念な準備をすることで、現場で「部品が足りない」「工具が合わない」と
いったトラブルを防ぎ、スムーズに作業を進めることができます。
最後に、作業箇所の養生も重要なポイントです。オフィス内で天井カセット型エアコンの点検を行う場合、
脚立を立てる床やデスク上をシートで養生し、ホコリが飛び散ったり機器から汚れが落ちたりしても周囲を
汚さないよう配慮します。このような丁寧な準備と気配りが、ビル管理者様からの信頼にもつながると日々
感じています。

2.測定・点検:機器状態のチェックと数値確認

準備が整ったら、いよいよ空調設備の各種測定と点検に入ります。私はまず室内機と室外機の外観を目視で
確認し、異常な振動や異音、外装の損傷やサビがないかチェックしました。特に配管接続部に油染みがない
か念入りに見ます。油染みがあるとフロン冷媒の微漏えいを疑うサインだからです。この日は目立った油染み
はありませんでしたが、念のため各接続部にリークテスターをかざして冷媒漏れがないかも確認しました。

続いて、エアコンを試運転させ、運転データを計測します。室内機の吹き出し口温度と吸込み口温度を計り、
冷房運転時には十分な温度差(一般的には10℃前後)が出ているかを確認しました。今回点検したあるフロ
アの空調では、吹き出し口温度が18℃、吸込み口温度が26℃程度で、その差約8℃とやや小さめでした。経験
上、温度差が小さい場合は冷媒不足や熱交換器の汚れが原因のことが多いです。案の定、このユニットでは
フィルターがかなり汚れていたため、後述する清掃でどこまで改善するかを注視することにしました。

さらに、室外機側では冷媒ガス圧の測定を行います。ゲージマニホールドを接続し、高圧・低圧の圧力が
メーカー仕様値内か確認しました。夏場の点検では外気温が高いため、圧力も高めに出る傾向があります
が、この日は春先で外気温20℃程度だったこともあり、規定範囲内で安定していました。圧力がもし低すぎ
ればガス漏れ、高すぎれば過充填や熱交換不足が疑われます。今回は圧力自体は正常でしたが、念のため電
流値もチェックします。クランプメーターでコンプレッサーとファンモーターの電流を測定し、カタログス
ペックと比較しました。コンプレッサーの稼働電流はやや高めでしたが、フィルター汚れによる負荷増大の
可能性があるため、清掃後に再計測して改善を確認する計画です。

その他にも、運転音や振動の具合、ファンの回転に引っかかりがないかなど感覚的な点検も欠かしません。
ベテランの技術者ほど、音や振動の「いつもと違う」変化に敏感です。実際、私も耳を澄まして運転音を
チェックしていたところ、一台の室内機から微かな軸受け音が聞こえました。すぐに重大な故障につながる
状態ではありませんでしたが、この異音はファンモーターの劣化兆候かもしれません。こうした小さな気づ
きを管理者様に報告し、必要に応じて部品交換や追加点検の提案を行うのもプロの役割だと考えています。

加えて、ドレン配管の点検も重要です。冷房時に発生する結露水がしっかり排水されているか、ドレンパン
(排水皿)を覗いて確認しました。以前、都内の別のビルでドレン管の詰まりによる水漏れ事故を経験して
いるため、ドレン周りの確認には特に気を配っています。この現場ではドレン水の流れも問題なく、藻や汚
れの蓄積も見られませんでした。

3.清掃・メンテナンス:フィルター清掃と内部クリーニング

点検で状態を把握した後は、空調機器の内部清掃などメンテナンス作業に移ります。まずは室内機のフィル
ター清掃です。先ほど測定中に取り外したフィルターを見ると、グレーのほこりが厚く積もっていました。オ
フィスフロアでは紙粉や人の出入りによるチリで予想以上に汚れが溜まるものです。私は持参した小型のブ
ラシでフィルター表面の埃をやさしく払い落とし、その後業務用掃除機で細かな塵をしっかり吸い取りまし
た。それでも落ちない頑固な汚れがあったため、水洗いも実施して乾燥させます。フィルターは建物の空気
をきれいに保つ第一関門なので、この清掃だけでも空調効率が格段に向上します。実際、清掃後のフィル
ター越しに向こう側が透けて見えるようになり、手応えを感じました。なお、フィルター自体が劣化してい
る場合は交換も検討しますが、今回は素材はまだ良好だったため清掃のみで対応しています。

次に、室内機内部の熱交換器(コイル)やファンのクリーニングを行いました。カバーを開けて内部にアク
セスし、まず熱交換器フィンに付着したホコリをブラシとエアダスターで丁寧に除去します。この際、フィ
ンは薄いアルミでできており曲がりやすいため、力加減に注意しながら作業します。経験の浅い頃は、勢い
余ってフィンを変形させてしまったこともありましたが、今ではコツを掴み繊細な作業ができるようになり
ました。ファンブロワにも埃が溜まっていたので、布切れで拭き取りながら回転バランスを崩さないよう慎重
に清掃します。室内機のドレンパン(排水皿)やドレン管の入口部分にも手を伸ばし、ヌメリやゴミがない
か拭き取りました。これで冷房時の嫌な臭い発生や排水不良による水漏れトラブル予防にもつながります。

室外機側も忘れずに点検・清掃します。屋上に設置されたパッケージエアコンの凝縮器(室外機の熱交換器
フィン)に埃や枯葉が付着していないか確認しました。東京都内は大気汚染や花粉もあり、屋外機は想像以
上に汚れています。今回は目立つ詰まりはありませんでしたが、表面に薄く汚れが積もっていたため、水とブ
ラシで軽く洗浄しました。この清掃によって熱交換効率が上がり、空調の能力低下を防げます。また、室外機
のファン周りに落ち葉が数枚入り込んでいたので取り除いておきました。以前、ファンにビニール袋が絡ま
り異音を立てていた例も経験しているので、周辺の異物チェックは欠かせません。

さらに細かなメンテナンスとして、電気配線や制御盤の簡易チェックも行います。リレーや端子台のネジが緩
んでいないか目視し、必要に応じて増し締めしました。緩んだ端子は発熱や誤作動の原因となるため、定期
点検時に一緒に確認しておくと安心です。今回の設備では大きな緩みはありませんでしたが、小さな気遣いが
トラブル予防につながると考えています。また、室内機と室外機をつなぐ配管の断熱材が劣化していないか
も確認し、傷んでいる箇所があれば補修テープを巻いておきます。配管の断熱不良はエネルギーロスにも直結
しますから、見逃さず対応することが大切です。

こうした清掃・メンテナンス作業を通じて、空調機器はベストな状態にリフレッシュされます。汚れを取り
除き各部を点検することで、結果的にビル全体の空調効率向上と故障リスク低減が期待できます。作業中も
「ここまで丁寧にやると後が楽になる」と実感しながら、一つひとつの工程を確実にこなしていきました。

4.試運転と最終確認:動作チェックと報告

清掃と各部のメンテナンスが完了したら、空調機器を元どおり組み立てて電源を投入し、試運転による最終
確認を行います。私は再度室内機を運転させ、吹き出し口と吸込み口の温度差を測定しました。先ほど8℃程
度だった温度差は、フィルター清掃の効果で11℃程度まで改善しています。実際に手をかざしてみても、清
掃前より明らかに冷風が力強く感じられました。ビル管理ご担当者様にもその場で風量や冷却具合を確認し
ていただき、「だいぶ良くなりましたね」とお言葉をいただけたのは現場技術者冥利に尽きます。

各ユニットの運転音や振動も再チェックします。清掃後はファンに付着していた埃が取れたことで、わずかに
あったバランスの狂いも解消し、異音も消えていました。先ほど微かに聞こえた室内機ファンモーターの軸
受け音も、清掃と部品の微調整によりほとんど気にならないレベルになりました。ただし経年劣化の可能性
があるため、今後の定期点検で注意深く観察する旨を管理者様にお伝えしています。

最後に、点検結果のまとめとして報告書を作成し、ビル管理者様へご説明します。今回実施した空調設備メ
ンテナンスでの作業項目(フィルター清掃、熱交換器クリーニング、電気系点検など)と、その結果判明し
た機器の状態を分かりやすく報告しました。幸い大きな異常は見られなかったこと、清掃により効率が向上
したこと、そして今後留意すべき点(例えばファンモーターの経年劣化兆候や、フィルターの更なる定期清
掃の必要性など)についてお伝えしています。ビル管理の現場では、こうした情報共有と提案が空調トラブ
ル予防に直結します。管理者様からも「これで安心して夏を迎えられます」との声をいただき、こちらも達成
感を覚えました。

こうして一連の点検作業は無事完了です。私は最後に作業箇所の後片付けと、空調機器周辺に異常がないこ
とを見回り確認し、現場を後にしました。設備が万全な状態に整ったことで、このビルの利用者の方々にも
快適な環境が提供できるはずです。

5.ビル管理者が知っておきたい空調トラブル予防のポイント

空調設備の点検・清掃を確実に実施することで、多くのトラブルは未然に防止できます。ビル管理者として押
さえておきたい、空調トラブル予防のためのポイントをいくつかご紹介します。

フィルター清掃の徹底: フィルターの汚れは空調不良や機器故障の大きな原因です。オフィスビルで
は空調設備 メンテナンスの一環として、少なくとも季節ごと(3ヶ月に一度程度)にフィルター清掃
や交換を行いましょう。汚れに応じて適切な頻度を設定することで、冷暖房効率を維持しコンプレッ
サーなどへの負荷も軽減できます。

日常点検での異常察知: 日々の巡回時に空調機器の音や振動、臭いに注意を払う習慣をつけましょ
う。異音や異臭、振動の異常は故障の予兆であるケースが多いため、早期に発見できれば大事に至る
前に対処できます。「最近いつもと音が違う」「水漏れ跡がある」など小さな変化も見逃さず、気に
なったらすぐ専門業者に相談することがトラブル予防につながります。

フロン漏えい点検の順守: 業務用エアコンはフロン排出抑制法により定期的な点検が義務付けられて
います。法令に沿った簡易点検(3ヶ月ごと)と有資格者による定期点検(年1回以上)を実施し、冷
媒漏れの早期発見・修繕に努めましょう。漏えいを放置すると冷房能力低下だけでなく法令違反にも
なるため、ビル管理者として確実に対応する必要があります。

点検記録の蓄積: 日常点検や定期メンテナンスの結果を記録し、履歴を管理しておくことも重要で
す。過去のデータを見返すことで、例えば「昨年より冷媒の補充量が増えている」「特定の機器で繰
り返し不具合が起きている」といった傾向に気づくことができます。記録をもとに予防保全計画を立
てることで、計画的な修繕や更新を検討でき、長期的なコスト削減にも寄与します。

専門業者との連携: 定期点検や修理は信頼できる空調の専門業者に依頼し、密にコミュニケーション
を取りましょう。プロの視点からの助言を受けることで、ビルの利用状況に合わせた最適なメンテナ
ンス計画を立案できます。また、万一トラブルが発生した際も迅速な対応が期待できます。設備の寿
命延長やエネルギー効率向上のためにも、専門家との連携は心強い武器になります。

6.まとめ

空調設備の点検作業について、準備から測定、清掃、確認までの流れとポイントを現場目線でお伝えしまし
た。定期的な点検とメンテナンスを実施することで、ビル内の快適性を保ちつつ空調トラブルの予防にも大
きく貢献できます。実務経験に基づく細かな気配りや確実な作業の積み重ねが、将来的な大きな故障を防
ぎ、設備の寿命を延ばすことにつながります。

ビル管理責任者の皆様にとって、空調設備は預かる建物の心臓部とも言える重要なインフラです。プロの視点
と経験を取り入れながら適切なメンテナンス計画を立てていけば、季節を問わず安心して空調を稼働させる
ことができるでしょう。私自身、現場で培った知見を通じて、今後も皆様の空調管理を全力でサポートして
いく所存です。何かご不明点やお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。私たちプロ
フェッショナルが引き続き力にならせていただきます。

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