東京都内オフィスビル蛍光灯クリーニング施工レポート:照明の明るさを取り戻す現場事例
オフィスやビルの管理者にとって、職場の照明環境を明るく清潔に保つことは非常に重要です。しかし、天井に設置された蛍光灯は日々少しずつ埃(ほこり)を被り、気づかないうちに明るさが損なわれていきます。実際、照明器具を1年間放置すると明るさが約20%以上も低下するとされており、汚れがひどい環境では40%近くも光量が落ちるケースもあります。このような「見えない劣化」は、働く方々の作業効率やオフィス全体の印象に影響を与えかねません。
本記事では、東京都内のあるオフィスビルで当社が実施した蛍光灯クリーニングの施工事例をご紹介します。プロの視点から、清掃前の状況や具体的な作業工程、清掃後の変化、さらに施工を担当したスタッフの所感まで、現場のリアルな声を交えながらレポートいたします。
蛍光灯クリーニングにより、どのように照明の明るさが復活し、快適な職場環境づくりに寄与できるのか、ぜひ最後までご覧ください。
施工前の状況
清掃前のオフィスの照明器具は、一見すると問題なく点灯していましたが、近くで確認するとカバーにうっすらと黄ばみが生じ、内部にはホコリや小さな虫の死骸が溜まっている状態でした。蛍光灯3本が収まった照明器具には、光を効率よく下方に反射させるための反射板(リフレクター)が付いていますが、その反射板も汚れで黒ずみ、本来の光を十分に反射できていない様子でした。
また蛍光管自体も経年により両端が黒っぽく変色しており、明るさの低下と併せて見た目にも古びた印象を与えていました。
ビル管理ご担当者様からは「照明を全部つけていても少し薄暗い」とのご相談があり、特に最近はデスク作業で手元が暗く感じることが増えていたそうです。そこで当社に蛍光灯クリーニングによる照明改善のご依頼をいただきました。
LED照明への交換も検討されたようですが、コスト面も考慮し、まずは清掃でどこまで明るさが戻るか試したいというご要望でした。
蛍光灯クリーニングの作業工程
事前準備と安全対策
作業はオフィスの業務終了後、夜間の時間帯に実施しました。まずは安全のため、清掃を行うフロアの照明回路の電源を落とし、作業エリア周辺をしっかり養生(ビニールシートや布で保護)します。
天井近くでの高所作業となるため、脚立を安定した場所に設置し、スタッフはヘルメットと防塵マスクを着用して臨みました。蛍光灯はガラス製で割れやすく、万一の破損時には破片や有害物質(微量の水銀)が飛散する恐れがあるため、予備の蛍光管保管ケースを用意し、取り外した管は丁寧に収納します。また作業中は周囲が真っ暗になりすぎないよう、一部の照明を残して間引き点灯※し、必要に応じて仮設の照明や懐中電灯も用いて視界を確保しました。
※間引き点灯: 照明の一部だけを点けて明かりを確保する方法。
蛍光灯カバー・管の取り外し
次に、照明器具に取り付けられているプラスチック製カバーを外していきます。カバーは経年で素材が脆くなっている場合もあるため、割らないよう慎重に取り扱います。カバーを外すと、内部に積もったホコリがはらはらと落ちてきましたが、事前に敷いた養生シートがしっかり受け止めてくれました。内部を覗くと、予想以上に大量の埃が格子や反射板の上に蓄積しており、この埃が光を遮っていたことが一目瞭然です。
私たちはまずハケやハンディモップで大まかなホコリを払い落とし、それから蛍光管を1本ずつ両手で支えながらソケットからひねって外していきました。取り外した蛍光管はその場で布で軽く拭き、用意したケースへそっと寝かせて保管します。
照明器具のクリーニング作業
蛍光灯照明器具のクリーニングでは、汚れの種類に応じて適切な方法で清掃します。まず、取り外した照明カバーは中性洗剤を薄めた洗浄液と柔らかいスポンジを使って洗い、表面の黄ばみやくすみを丁寧に落としました。プラスチック素材を傷めないよう、強く擦りすぎないことがポイントです。洗浄後は洗剤分を残さないよう水拭きと乾拭きで仕上げ、十分に乾燥させておきます。
次に、器具内部の反射板や照明器具本体の清掃です。反射板(照明内部で光を反射させる金属板)は光量に直結する重要部分のため、ここはプロとして特に念入りに対応しました。専用クロスに洗剤液を含ませ、反射板表面の黒ずみや埃汚れを何度も拭き上げます。
細かな隙間やソケット周辺は綿棒や小筆を使ってホコリを掻き出し、器具全体を隅々まで清潔にしました。金属部分は洗剤分が残らないよう最後にから拭きし、水分が残って錆びないよう十分に乾燥させています。清掃後、反射板本来の白さと光沢が蘇り、カバーも半透明の白さを取り戻して、見違えるほど明るい印象になりました。
器具の復旧と最終点検
清掃が完了したパーツを元通りに組み立て、照明器具を復旧させていきます。乾燥させておいたカバーを慎重に取り付け、養生を外す前に一度通電して点灯テストを行いました。取り外した蛍光管も一本ずつソケットに戻し、確実に点灯することを確認します。幸い清掃中に管を破損するようなトラブルもなく、全ての照明が無事に点灯しました。
照明が一斉に点いた瞬間、作業前との明るさの違いは一目瞭然で、オフィス内がぱっと明るくなったのを感じました。照度計による数値測定でも清掃前より光量が向上していることを確認し、最終的にお客様(ビル管理者様)にも仕上がりを確認いただきました。取り外した部品の拭き残しや取り付けミスがないか、点滅等の不具合がないかも併せて最終点検し、問題がないことを確認して作業完了です。
最後に養生シートを撤去し、落ちた埃や汚れも残さず清掃して現場を退出しました。
施工後の変化
清掃後、オフィスの照明環境は劇的に改善されました。清掃前に目立っていた照明カバーの黄ばみや反射板の黒ずみはすっかり無くなり、照明器具は真っ白で清潔な状態に生まれ変わっています。蛍光灯から放たれる光が隅々まで効率よく反射・拡散されるようになったため、部屋全体が以前よりも格段に明るく感じられます。実際にデスク上の明るさ(照度)も清掃前に比べ大幅に向上し、まるで新しい照明器具に交換したかのような明るさを取り戻しました。
この変化にはビル管理者様も大変驚かれ、「ここまで明るくなるとは思わなかった」と嬉しいお言葉をいただきました。以前は一部の社員から手元の暗さが指摘されていましたが、清掃後は「オフィス全体がぱっと明るくなった」と社内でも好評だったと後日伺っています。
高価なLED照明への全面リニューアルに踏み切らなくても、既存設備の蛍光灯クリーニングでこれだけ効果が出たことで、コスト面でも大きなメリットがありました。照明が明るく清潔になることで職場の印象も向上し、社員の方々もより快適に業務に集中できるようになったと感じます。
担当者所感
私自身、今回の現場で改めて実感したのは「照明器具は内部の見えない汚れによってここまで光量が落ちるのか」ということです。特に反射板の清掃前後で照明の明るさが大きく変化する様子を目の当たりにし、明るさを左右するのは蛍光管そのものだけでなく周囲の清潔さも重要だと再認識しました。定期的に清掃を行えば今回のような大量のホコリ蓄積を防げますし、明るさを維持できるだけでなく、器具の寿命延長や故障予防、安全性向上にもつながります。
ビルやオフィスの管理担当者様には、蛍光灯が暗く感じ始めたら交換の前に一度クリーニングを検討していただきたいと思います。清掃によって十分な明るさが確保できれば、不要な機器更新を先延ばしにできる場合も多いからです。
作業面では、高所で長時間腕を伸ばし続ける作業の連続で正直大変でしたが、清掃後に現場が見違えるほど明るくなった様子を見て、苦労が報われた思いです。養生シートに積もった灰色のホコリの量には思わず苦笑しましたが、それだけ長年蓄積した汚れを取り除けた証拠でもあります。
お客様から感謝の言葉をいただけたこともあり、プロの清掃業者冥利に尽きる現場でした。今後も培った技術と経験を活かし、皆様の職場環境を安全で快適に維持するお手伝いをしていきたいと感じています。