一般住宅のフローリング床工事 現場レポート

一般住宅のフローリング床工事 現場レポート

先日、一般住宅でフローリングの床工事を担当しました。本レポートでは、現場の職人視点から施工準備から仕上げまでの具体的な手順とポイントを詳しく報告します。古い床材の撤去から高品質なフローリング材での仕上げまで、一連の工程を丁寧に解説します。
 

施工準備:現地調査と養生

まず工事に先立ち、現地調査を実施しました。床を隅々まで確認し、歩行時に沈む部分や床材の浮きがないかチェックします。今回の住宅では、長年の使用で一部床板に浮きと小さな凹みが見られました。このままでは新しいフローリングを施工しても仕上がりに影響が出るため、着工前にそれらの補修方針を決定しました。過去の経験から、下地の不陸(デコボコ)を放置すると後々床鳴りや仕上げ不良の原因になることを知っているので、ここでしっかり対処します。

 

施工計画を立てた後、必要な材料と道具をすべて現場に搬入・準備します。今回用意した主な資材と工具は次のとおりです。

 

  • 高品質フローリング材(お客様の希望に合わせた色柄のもの)
     
  • フロア用接着剤(木質床材専用の強力ボンド)
     
  • フロア釘・ビス類(床材を確実に固定するためのもの)
     
  • 床用シーラー(下地補強や接着力向上の下塗り材)
     
  • パテ材・ヘラ(下地の凹みを埋める充填剤とコテ)
     
  • ハンマー、電動ドリル、丸ノコ、サンダー 等


また、施工に入る前に念入りな養生を行いました。床だけでなく、周囲の壁や家具にも養生シートを張り巡らせ、ホコリや工具による傷が付かないよう保護します。職人として、施主様の大切な家財や内装を汚さない配慮は基本中の基本です。十分な養生を終え、現場は施工の準備万端となりました。
 

下地調整とフローリング材の取り付け

次に、古くなった既存の床材を慎重に撤去しました。バールや電動ノコギリを用いて古いフローリング板を一枚一枚剥がしていきます。剥がした後の床下地(下地板やコンクリート面)が露出したら、まずは状態を確認しました。下地に腐食や緩みがないか点検し、問題があればビス留めや補強を行います。

今回は下地自体に大きな損傷はありませんでしたが、一部にわずかな高さの不揃いがあったため、床用シーラーを下地全面に塗布しつつ、凹み部分にはパテで充填して平滑に調整しました。下地の隙間や段差を丁寧に埋めることで、新しいフローリング材がしっかりと水平に設置できる土台を作ります。

 

下地の準備が整ったら、いよいよ新しいフローリング材の施工です。まず部屋の隅から基準線を墨出しし、最初の一枚をまっすぐに配置します。床全面にフロア用接着剤をむらなく塗り広げ、乾きすぎる前にフローリング板を順番に張っていきました。板と板の間に隙間が生じないように、一枚ごとにゴムハンマーで軽く叩いて位置を調整し、密着させます。

加えて、必要に応じてフロア釘やビスで各板を根太や下地に固定しました(直貼り工法の場合は接着剤のみで施工することもあります)。私は過去の施工経験から、接着剤と釘の併用施工を好んでいます。両方を使うことで床材がより強固に固定され、きしみ音の発生も防げるからです。こうして部屋全体に新しいフローリング板を丁寧に貼り終えていきました。作業中は常に水平器でレベルを確認し、床面の水平とフローリングの直線を維持するよう心掛けています。

 

仕上げ作業:ジョイント処理と表面仕上げ

フローリング材の敷設が完了したら、最後に細部の仕上げ作業に入ります。まず、フローリング板同士のジョイント部分や端部をチェックしました。目視と手触りで段差がないか確かめ、必要に応じてパテで微細な隙間を埋めます。特に壁際の端部では、壁との取り合いに生じたわずかな隙間にも充填剤を入れ、見た目と耐久性を高めました。その後、サンダー(研磨機)を使って全面を軽くサンディングし、表面をなめらかに整えます。

サンディングすることで、わずかな段差やパテ埋め箇所との境目も均一になり、素足で歩いても引っかかりのない滑らかな床面に仕上がります。

 

仕上げの仕上げとして、床全体にワックスを塗布しました。今回は施工後すぐに住まいで生活できるよう、乾きが早く耐久性の高い床用ワックスを選定しています。ワックスを薄くムラなく塗り広げ、床材本来の木目と光沢が美しく映えるように仕上げました。ワックスコーティングによって表面の保護膜が形成され、傷や汚れも付きにくくなります。

 

以上の工程を経て、一般住宅のフローリング床工事が無事完了しました。新しく生まれ変わった床は、下地からしっかり調整したおかげで非常に安定感があり、踏み心地も良好です。高品質なフローリング材と丁寧な施工により、見た目の美しさはもちろん、今後長年にわたり安心してお使いいただける丈夫な床に仕上がったと自負しています。

現場で培った職人の知見と技術を活かし、これからもお客様に喜んでいただける床工事を提供していきたいと思います。
 

この記事で紹介したサービス

サービスをもっと見る