築20年の古いマンションで畳張替え!6畳和室が蘇る施工レポート
先日、築30年の木造2階建て戸建住宅で雨漏りによる天井修理工事を行いました。単なる天井材の張替えで済ませるのではなく、雨漏りの原因箇所の修理と再発防止の対策まで含めた施工です。以下、現場での職人の判断や工夫も交えながら、施工手順をご報告します。
古いマンションの和室をリフレッシュしたい
築20年の中古マンションにお住まいの方から、和室の畳を新しくしたいとのご依頼を受けました。長年使い込まれて色あせた畳でしたが、古いマンションでも畳を張替えることで部屋の印象が一新できます。
今回は6畳間の畳張替え(表替え)作業を行い、和室が見違えるように蘇った施工事例をご紹介します。現場の職人目線で作業手順を詳しくレポートしますので、中古マンションをご検討中の方や畳替えをお考えの方はぜひ参考にしてください。
施工前の状況確認と方針決定
まずは現場の状況を確認しました。畳は20年間一度も交換されておらず、表面の色焼けや擦り切れが目立っていました。しかし畳の芯材である畳床(たたみどこ)の状態を点検したところ、大きな損傷やカビ・シミもなく、まだ十分に使える状態です。
畳床がしっかりしていれば、新しい畳表に張替える「表替え」で対応可能です。お客様と相談した結果、畳床は再利用し、畳表と畳縁だけを新調する表替え施工で進めることになりました。古いマンションのリフォームでも、使えるものは活かしてコストを抑えるのがポイントです。
手順1:既存畳の撤去と畳床の点検
施工当日、まずは和室から既存の畳6枚を丁寧に取り外しました。畳を運び出す際は、壁や柱を傷つけないよう慎重に運搬します。次に畳床の状態を細かくチェックしました。20年経過した畳床ですが、防虫シートの効果もあって虫食い穴や腐食は見当たりません。職人経験上、古いマンションでも日頃から風通しをしていれば畳床は長持ちします。
このお宅では日当たりと換気が良かったおかげか、畳床がしっかり保持されていました。そのため今回は畳床をそのまま再利用できると判断しました。これは費用面でもお客様にメリットが大きく、職人としても安心して次の工程に進めます。
手順1:既存畳の撤去と畳床の点検
施工当日、まずは和室から既存の畳6枚を丁寧に取り外しました。畳を運び出す際は、壁や柱を傷つけないよう慎重に運搬します。次に畳床の状態を細かくチェックしました。20年経過した畳床ですが、防虫シートの効果もあって虫食い穴や腐食は見当たりません。職人経験上、古いマンションでも日頃から風通しをしていれば畳床は長持ちします。
このお宅では日当たりと換気が良かったおかげか、畳床がしっかり保持されていました。そのため今回は畳床をそのまま再利用できると判断しました。これは費用面でもお客様にメリットが大きく、職人としても安心して次の工程に進めます。
手順2:新しい畳表の選定と準備
畳床の再利用が決まったところで、新しく張り替える畳表(ござ)を選びます。今回は耐久性と見栄えを両立するため、22mm厚の国産い草を使用した畳表をご用意しました。国産のい草表は織り目が細かく丈夫で、踏んだときの感触や香りも格別です。近年は和紙表や樹脂表などもありますが、やはり天然い草の香りは「和室ならでは」の癒やし効果があります。職人としても国産品の品質には信頼を置いており、自信を持ってお勧めできる材料です。
また畳の縁(へり)については、お部屋の雰囲気に合わせて落ち着いた濃紺色の綿縁を選択しました。シンプルな綿縁は和モダンな空間によく馴染み、汚れも目立ちにくいので長く綺麗な状態を保てます。
手順3:畳表の張替え作業
準備が整ったところで、いよいよ畳表の張替え作業に入ります。職人二名で古い畳表を畳床から剥がし、新しい畳表へと張り替えていきました。まず畳床の表面を清掃し、古表についたホコリや糊残りを取り除きます。次に専用の畳用接着剤を用いて畳床に新しい畳表を丁寧に貼り付けました。畳表は幅広のござを畳床に巻き込むように張り込み、裏側でしっかりと固定します。続いて畳縁(へり)を新調した綿縁で縫い付けました。
今回選んだ濃紺の綿縁は、生地が厚めで丈夫なため、縫いつけにも少し力が要りますが、その分仕上がりがピシっと引き締まります。ヘリの柄と角の合わせも慎重に調整し、美しくまとまりました。
手順4:仕上げの調整とチェック
畳表と畳縁の張替えが完了したら、仕上げの工程です。新しい畳表面に付着した細かなゴミやい草のクズを柔らかなほうきで優しく払い清掃しました。特に畳表を貼る際の切りくずが残りやすいので、念入りに取り除きます。
次に畳縁の四隅を確認します。畳の角は踏まれやすく、ヘリが外れたり裂けたりしやすい部分です。そこで角が浮き上がらないよう、小さな三角くぎ(三角形の専用釘)を畳縁の角に打ち込み、しっかり補強しました。こうしたひと手間が畳を長持ちさせる秘訣です。最後に全体の仕上がりを目視でチェックし、畳表の張り具合や縁の縫製に問題がないか確認しました。
手順5:新しい畳の設置と最終調整
仕上げ検査まで終えたら、新しく張り替えた畳を元の和室に戻していきます。一枚一枚慎重に搬入し、6畳分を隙間なく敷き詰めました。この際、畳の目(織り目)の方向を全て揃えることで、和室全体に統一感が生まれます。6枚の畳を敷いたら、周囲との段差や隙間がないか最終調整を行いました。
築年数の経った古いマンションでは建物の歪みで床が微妙に水平でない場合もありますが、畳の下に薄い調整シートを噛ませることで高さを合わせています。全ての畳がぴったり納まり、ふかふかとした踏み心地を確かめたところで施工完了です。
施工後の様子とお客様の反応
新しい畳が敷かれた和室は、青々とした畳表の色合いとい草の香りでとても清々しい雰囲気になりました。お客様も「まるで新築の部屋みたいだ」と驚かれ、ご満足いただけた様子です。20年物の畳が張替えだけでここまで見違えるのかと、我々職人も改めて畳表替えの効果を実感しました。畳床を再利用したことで費用を抑えつつ、国産い草の上質な仕上がりを実現できた点も今回の大きな成果です。
中古マンションや築古の住宅でも、畳の表替えによって和室の価値を十分に高めることができます。和室に入った瞬間に広がるい草の香りと足裏に伝わる柔らかさは、日本の住まいならではの心地よさです。今回の施工で改めて、畳張替えが和室リフォームの中でも費用対効果の高い手段であると感じました。
まとめ:古いマンションでの畳張替えは費用対効果抜群
以上、築20年の古いマンションにおける6畳和室の畳張替え施工レポートでした。現場目線で工程をご説明しましたが、ポイントは「畳床の状態が良ければ再利用して表替えする」ことです。畳床を活かすことでコストを抑えながら、新しい畳表と畳縁で和室を一新できます。
古いマンションでも和室がある場合、畳を張り替えるだけでお部屋全体の印象が明るくなり、資産価値向上にもつながります。和室のリフォームを検討中の方はぜひ畳張替えをご検討ください。職人の確かな技術で、年月を経たお住まいにも快適な和の空間を甦らせます。