オフィスの古いカーペットの張替え実績

オフィス カーペット 張替え 緊急施工報告書(築20年ビル事例)

築20年が経過したオフィスビルにて、劣化したグレー系カーペットの張替え工事を緊急対応で行いました。本報告書では、フェルトグリッパー工法を採用し、耐久性の高いナイロン製ロールカーペットを使用した施工事例を、現場の職人目線から詳しくご紹介します。

電子機器や什器の養生から始まり、カーペットの荒裁ち・寸法調整、ニーキッカーによる張力調整、そして巾木まわりの仕上げに至るまで、10日間という短期間で仕上げた現場での工夫とスムーズな引き渡し対応についてまとめています。
 

施工概要

依頼内容は、築20年になるオフィスビルの老朽化したカーペットを緊急で張替えてほしいというものでした。オフィスの床一面に敷かれたグレーのロールカーペットは、経年劣化により色あせやシミ、パイルの摩耗が目立ち、所々でたるみも発生していました。美観の回復と安全確保のため、オーナー様から早急な改修のご要望を受け、私たち施工チームは10日間という限られた工期で全面張替えを行う計画を立てました。

短期間ながらも品質を確保するため、フェルトグリッパー工法の採用とナイロン製カーペットの使用を決定し、万全の準備を整えて工事に臨みました。

 

施工準備と養生

工事開始に先立ち、オフィス内の電子機器や什器類を丁寧に養生しました。パソコンやコピー機などのOA機器には防塵シートをかけ、デスクやキャビネット、書棚などの什器はキズ防止の養生テープとシートで覆います。また、作業の妨げにならないようレイアウトを調整し、大型家具は可能な範囲で移動させました。配線類も誤って損傷しないよう注意深く取り外し・整理し、必要に応じて仮置き台に避難させています。

養生と事前準備を徹底することで、工事中にオフィス備品を汚損させず、安全に作業を進める土台を築きました。
 

フェルトグリッパー工法の採用

今回の張替えでは、従来の接着工法ではなくフェルトグリッパー工法を採用しました。フェルトグリッパー工法とは、床の周囲に固定したグリッパー(金具)のピンにカーペット裏面を引っ掛け、床全面にはクッション性のあるフェルト(アンダーレイ)を敷いて仕上げる施工方法です。床に直接接着剤を使用しないため、施工後すぐに使用可能で接着剤の臭気も発生せず、短期工期の現場に最適です。

また、フェルト敷設によるクッション効果で衝撃吸収性や防音性、断熱性が高まり、オフィス内の歩行感が向上するメリットもあります。将来的なカーペットの再張替え時もグリッパー工法なら比較的容易に剥がせるため、メンテナンス性の面でも有利です。
 

耐久性の高いナイロン製ロールカーペットの使用

新しいカーペットには、耐久性と耐摩耗性に優れたナイロン製のロールカーペットを採用しました。オフィスのように人の出入りが多く荷重のかかる環境でも、ナイロン繊維はへたりにくく、長期間にわたり美観を保ちやすい素材です。ループパイル構造のため家具の跡がつきにくく、清掃もしやすいことからメンテナンス性にも優れています。

色柄は既存のグレー系インテリアと調和する落ち着いたトーンを選定し、張替え後のオフィス空間が明るく一新されるよう配慮しました。ロールカーペットで幅広の生地を敷き込むことで継ぎ目を最小限に抑え、仕上がりの一体感と強度を高めています。

 

施工手順

古いカーペットの撤去

最初に、既存の劣化したカーペットをすべて撤去しました。カッターで適度な大きさに切り分けながら引き剥がし、粘着テープや接着剤で固定されていた部分はスクレーパーを用いて丁寧に剥離します。20年使われたカーペットにはホコリや汚れが蓄積していたため、防塵マスクを着用しつつ慎重に作業を進めました。

古いカーペットと剥離した糊残りは産業廃棄物として適切に袋詰めし、即日搬出して現場を清潔な状態に戻しました。下地となる床面に凹凸や糊残りがないか最終確認し、必要に応じて清掃・下地調整を行ってから次の工程に移ります。
 

グリッパー設置と下地調整

下地の床面を整えた後、部屋の壁際に沿ってカーペット固定用のグリッパーを取り付けました。コンクリート下地には専用の鋲打ち機やコンクリートピンでしっかりと固定し、グリッパーのピン先が壁に向くよう配置します。壁との間隔はカーペットの厚みの約7割程度(数ミリ)を空け、後の巾木まわりの仕上げでカーペット端部を差し込めるように調整しました。

柱の周囲など複雑な形状の箇所にも、適宜グリッパーを加工して沿わせ、部屋全周にわたって確実に固定しています。グリッパー設置後、床全体を再度清掃し、小さなゴミや障害物が残っていないことを確認してから次の工程に進みました。
 

フェルト下地(アンダーレイ)の敷設

続いて、クッション材であるフェルト(アンダーレイ)を床全面に敷き込みました。フェルトシートを必要な寸法にカットし、継ぎ目は隙間なく真っ直ぐになるよう調整して敷き詰めます。フェルト同士の継ぎ目部分はズレ防止のテープで仮止めし、施工中に移動しないよう固定しました。床全面に柔らかな下地層ができたことで、カーペットの仕上がり時に踏み心地が良くなり、防音効果も高まります。これで新しいカーペットを敷設する準備が整いました。
 

カーペットの仮敷きと荒裁ち・寸法調整

新しいロールカーペットを現場に搬入し、まずは部屋全体に仮敷きして全体の配置バランスを確認しました。カーペットのパイル方向を揃え、継ぎ目が目立たないよう取り合わせ(ジョイント位置)も綿密に検討しています。部屋の形状や柱の位置に合わせ、あらかじめ寸法を測って割付けを行い、カーペットをやや大きめに荒裁ちしました。

柱や壁の出隅・入隅部分は、生地に切り込みを入れて余裕を持たせ、シワが出ないように調整しています。仮敷き段階でカーペット全体を隅々まで広げ、施工面に問題がないか最終チェックを行った上で、本固定の工程へ進みました。
 

巾木まわりの仕上げ

カーペット全体を固定し終えた後、壁際や柱周りの余分なカーペットをカットして仕上げました。専用のカーペットトリマー(カーペット専用のカッター)を壁面に沿って走らせ、巾木ぎわで生地を切り落としていきます。

トリマーが入らない部屋の四隅や細かな部分は、手作業でカッターを使って慎重に切り込みました。切り残しの毛羽もしっかりと除去し、カーペットの端部を巾木とグリッパーの隙間にきれいに差し込んで固定します。これにより、壁際までピタッとカーペットが納まり、美しく安全な仕上がりとなりました。
 

清掃と最終確認

施工完了後、現場全体の清掃を行いました。カーペット表面に残った遊び毛や切りクズは業務用掃除機で丁寧に吸い取り、床面を清潔な状態に仕上げます。養生に使用したシートやテープ類もすべて撤去し、移動させていた家具や機器を元の配置に戻しました。

最後に照明の明かりでカーペットの敷きムラや浮きがないかを隅々まで点検し、巾木まわりの納まりやジョイント部の状態も確認します。お客様(ビル管理者様)にも立ち会いいただき、施工箇所を一緒に最終確認して問題がないことを共有しました。
 

現場の工夫と短期仕上げへの対応

今回の工事では10日間というタイトな工期に対応するため、現場で様々な工夫を凝らしました。まず、施工範囲をいくつかのゾーンに分けて作業を並行進行し、一方で養生・撤去を行いながら、別の場所ではカーペットの裁断準備を進めるといった効率的な段取りを組みました。

作業は夜間や休日も活用し、オフィスの稼働時間外に騒音や粉塵の出る工程を集中して実施することで、テナント様への影響を最小限に抑えています。職人同士で密に連携を図り、予期せぬトラブル(例えば下地のクラック補修が必要になる場合等)にも即座に対応できる体制を整えました。

その結果、予定よりもスムーズに全工程を完了することができ、工期内に無事引き渡しを迎えることができました。
 

まとめ・お客様の反応

以上のように、築20年のオフィスにおけるカーペット張替え工事を、フェルトグリッパー工法とナイロン製カーペットによって短期間で無事完了させました。緊急対応のご依頼に対し、限られた工期の中でも手抜きなく施工できたことで、床面は見違えるほど綺麗に一新され、オフィス環境の快適性と安全性が大きく向上しています。工事後にオーナー様からは「短い期間でここまで綺麗に仕上げてくれて助かった。

新しいカーペットの踏み心地が良く、まるでオフィス全体が新築のようだ」と大変嬉しいお言葉をいただきました。現場の職人としても、お客様に喜んでいただけたことで大きな達成感があり、チーム一同安堵しております。本施工実績は、オフィスのカーペット張替えにおいて緊急対応が必要なケースでも、的確な工法選択と綿密な段取りによって高品質な仕上がりを実現できる一例となりました。

今後も培ったノウハウを活かし、お客様の要望に迅速かつ確実にお応えしてまいります。

 

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