マンション玄関前通路のフロアタイル補修工事実績(重ね張り工法)
築15年のマンションにおいて、玄関前通路のフロアタイル補修工事を行った実例をご報告します。今回は既存タイルを撤去せず新しいタイルを上から貼り重ねる「重ね張り工法」を採用しました。この方法は、既存タイルの解体撤去が不要なため工期短縮と廃材削減が図れ、マンション居住者の皆様への負担も軽減できるメリットがあります。現場のプロの目線で感じたポイントも交えながら、施工手順を順を追って解説いたします。
施工手順
- 現場調査と準備
施工前に現地調査を実施し、既存フロアタイルの状態を細かく確認しました。幸い、タイルの剥がれや浮き(空隙によるグラつき)は見受けられず、下地は良好な状態でした。この結果から重ね張り工法で問題なく施工できると判断します。
薄型で高耐久のビニル床タイル材を選定し、専用接着剤や必要な工具類を現場に手配しました。経験上、材料と道具の事前準備が施工のスムーズさを左右するため、念入りに準備を整えています。
- 下地処理
まずは既存タイル表面の清掃です。ホウキや集塵機で埃や砂粒を除去し、中性洗剤を用いて油分や汚れをしっかり落としました。床面に汚れが残っていると新しい接着剤の密着不良を招くため、この清掃工程は特に丁寧に行っています。
また、経年で生じたわずかな凹凸箇所には床用パテ(下地調整剤)を薄く塗り込み、表面を平滑に補修しました。下地の状態を万全に整えることで、仕上がりの美しさと耐久性に直結するからです。
- 新規タイルの仮敷き
まずは既存タイル表面の清掃です。ホウキや集塵機で埃や砂粒を除去し、中性洗剤を用いて油分や汚れをしっかり落としました。床面に汚れが残っていると新しい接着剤の密着不良を招くため、この清掃工程は特に丁寧に行っています。
また、経年で生じたわずかな凹凸箇所には床用パテ(下地調整剤)を薄く塗り込み、表面を平滑に補修しました。下地の状態を万全に整えることで、仕上がりの美しさと耐久性に直結するからです。
- 接着剤の塗布と本施工
段取りが整ったところで、本施工に移ります。まず床面に専用の弾性接着剤をコテで均一に塗布しました。接着剤は一度に広範囲に塗りすぎず、適切なオープンタイム(塗ってから貼り始めるまでの時間)を守ることが重要です。
私たちは数メートル四方ずつ順に接着剤を塗り、新規タイルを慎重に貼り付けていきました。この際、位置をずらさないよう一枚一枚丁寧に配置し、貼り終えた部分はすぐにゴム製ローラーで圧着します。
ローラーがけにより接着剤を全体に行き渡らせ、内部の気泡を押し出すことで、将来的な浮きや剥がれを防ぎます。実際にローラーで押さえると、タイルが床になじんでいく感触があり、職人としても手応えを感じる瞬間です。
- 目地処理と仕上げ
全てのタイル貼り付けが完了したら、仕上げとしてタイル間の目地にシーリング材を充填しました。今回は玄関前という屋外に近い通路部分のため、防水性と耐久性を高める目的で透明タイプの弾性シーリングを用いています。シーリング材をヘラで押さえ込みながら目地を均一に埋め、はみ出した余分なシーリングは速やかに拭き取りました。
シーリング処理をするひと手間を加えることで、水がタイル下に侵入するリスクを減らし、長期間にわたり美観と機能を維持できると考えています。実際、この作業を丁寧に行うことで、細部まで行き届いた美しい仕上がりになりました。
- 養生と清掃
施工後は養生期間を設け、新しいタイルがしっかり接着するまで安定させます。今回は接着剤が完全に硬化するまでの数日間、通路の立ち入り制限と養生シートによる保護を行いました。マンションの共有部施工では居住者の方々の安全確保が最優先ですので、工事区画にはカラーコーンと案内表示を設置し、迂回路の確保などにも配慮しています。十分な硬化時間を確保した後、養生を撤去し最終清掃を実施しました。
タイル表面に付着した接着剤の残りや汚れをきれいに拭き取り、施工箇所全体を見渡して問題がないことを確認します。新品同様に生まれ変わった通路を目にし、職人一同ほっとすると同時に達成感を覚えました。
- 検収と引き渡し
最後に、マンション管理組合のご担当者様にも立ち会いいただき、施工箇所の検収(最終確認)を行いました。仕上がりの品質をご確認いただきながら、新しいフロアタイルの耐久性や日常清掃のポイントについてもご説明します。
たとえば、ビニル製タイルは水拭きで清掃できることや、シーリング目地のおかげで下地に水が回りにくいことなど、管理上知っていただきたい事項を共有しました。
現場で直接コミュニケーションを図ることで、施工側の思いもしっかりとお伝えし、安心して引き渡しを終えました。
施工後の所感と結果
本工事により、築15年が経過してやや色褪せていたマンション玄関前通路の床が見違えるほど美しく刷新されました。実際に歩いてみるとタイルの踏み心地もしっかりしており、居住者の方々からも「明るくきれいになった」と好評の声をいただいています。私たち施工チームとしても、長年培ったマンション フロアタイル補修の経験を活かし、安全かつ効率的に施工を完了できたことに大きな手応えを感じました。
今回は重ね張り工法を採用したことで、従来工法に比べて工期の短縮と廃棄物削減を実現し、騒音や粉塵の発生も最低限に抑えることができました。
これにより居住者の生活環境への影響も少なく、環境面への配慮にもつながっています。マンション共用部の床リフォームでは、状況に応じて最適な工法を選択することが重要ですが、同様の案件でお困りの際はぜひご相談ください。
プロの現場目線で最適な施工方法をご提案し、安心・安全なフロアタイル補修工事をお約束いたします。