東京・銀座の冷却塔クリーニング作業実績

東京・銀座の冷却塔クリーニング作業実績

作業目的

東京都心・銀座にあるオフィスビルの屋上冷却塔で冷却塔クリーニングを実施しました。ビル管理責任者様
から「夏を前に冷却効率が落ちているようだ」との相談を受け、空調性能を回復させることが今回の作業目
的です。
冷却塔は空調設備に欠かせない機器ですが、屋外に設置されているため、長期間運転していると内部にホコ
リやスケール(シリカなどの鉱物由来の汚れ)、藻類が蓄積します。そのまま放置すれば冷却効率の低下だ
けでなく、藻の繁殖による悪臭やレジオネラ菌など衛生面のリスクも懸念されます。このため、定期的な冷
却塔クリーニングが不可欠です。
今回は特に汚れが目立ってきたことから、プロの現場経験に基づき徹底した清掃を行うことになりました。

準備

作業に先立ち、ビル管理責任者様と打ち合わせを行い、清掃日時や手順を確認しました。オフィスビルとい
うこともあり、テナント様への影響を抑えるため、作業は週末の早朝に実施しています。
また、現場が銀座の中心部ということで周囲環境への配慮も重要です。特に屋上での高圧洗浄では汚水が飛
散する恐れがあるため、事前に冷却塔周辺を養生シートで覆い、排水経路を確保しました。私たちも以前の
現場で強風により汚水が周囲に飛んでしまい苦労した経験があるため、今回は念入りに養生しています。
安全対策としては、冷却塔の電源を確実に停止し、ポンプも運転停止した上で作業を開始します。屋上での
作業のため、作業スタッフはヘルメット、安全帯を着用し、転落防止措置を徹底しました。また、高所への
機材搬入には十分な人数を配置し、機材の落下や破損がないよう細心の注意を払っています。


準備した主な道具: - 高圧洗浄機(業務用) - ウェットバキューム(業務用掃除機) - ハンドブラシ・スク
レーパー類 - バケツ・ホース(散水用) - 養生シート・テープ(周辺保護用) - 保護具(ヘルメット、安全
帯、ゴーグル、手袋 など)

機材準備が整ったところで、冷却塔内部の古い水を全て排水し、清掃作業に備えます。水槽内の水を抜くこ
とで、内部が乾燥し汚れの付き具合を把握しやすくなりました。
事前に中を確認したところ、充填材(冷却効率を高めるための樹脂製部品)に白いスケールがびっしり付着
し、ルーバー(吸気口格子)にも埃と藻が付いているのが見られました。正直、想像以上の汚れ具合で、私
たち作業スタッフも気が引き締まります。

作業手順

では、実際の冷却塔クリーニング作業手順を段階ごとに詳しく説明します。

1.排水と分解

冷却塔の電源を切り、水槽内の水を排出した後、作業スペースを確保するために冷却塔の外装パネル
やルーバーを取り外しました。ルーバーには外気に面した部分だけでなく裏側にも汚れが付着してい
たため、一枚ずつ丁寧に取り外していきます。分解の際にはボルトや部品を紛失しないよう注意し、
取り外したパーツは養生シートの上に整理して保管しました。屋上という環境上、部品を落下させて
しまうと大事故につながりかねないため、声を掛け合いながら慎重に作業を進めています。

2.充填材の高圧洗浄

続いて冷却塔内部の核心部である充填材の洗浄に取りかかりました。充填材は空気と水を効率よく接
触させるための重要な部品ですが、その細かな構造ゆえ汚れが隙間に溜まりやすい難所です。今回も
充填材表面に厚く堆積したスケールや藻を確認したため、高圧洗浄機を使って内側と外側の両面から
強力な水流を当てました。過去の経験から、スケールが酷い場合は薬品洗浄も検討しますが、今回は
硬質な付着物は比較的少なかったため、水圧による物理的な洗浄で十分対応できると判断していま
す。高圧水流により、みるみる白い汚れが剥がれ落ちていく様子は、作業していても爽快感がある瞬
間です。ただし夢中になりすぎず、周囲への飛散に常に注意を払いながら進めました。

3.細部の手作業洗浄

高圧洗浄だけでは取りきれない細かな汚れもありますので、次にハンドブラシやスクレーパーを用い
て手作業で洗浄しました。特に充填材の隅や、ファンブレード周辺の細かい箇所には、どうしても薄
く汚れが残りがちです。実際にブラシで擦ってみると、まだ茶色い水が出てきたので、根気よく全体
を擦り洗いしました。地味な作業ではありますが、手を動かすことで冷却塔内部が少しずつ本来の綺
麗な状態を取り戻していくのが実感できます。今回の現場では、事前に予想していた以上に藻が繁殖
していたため、ブラシを複数本用意し交代しながら作業しました。このような手間を惜しまず仕上げ
ることで、冷却効率の低下を確実に防ぎます。

4.水槽・ストレーナー清掃と吸引

冷却塔下部の水槽(パン部分)や配管の入口にあるストレーナー(ゴミ取りフィルター)も忘れず清
掃します。まず水槽底に溜まった泥や落ちたスケール片を、高圧洗浄とブラシでしっかり除去しまし
た。ストレーナーには細かなメッシュ状のフィルターがあり、ここにスケールやゴミが詰まっている
と循環水の流れを妨げます。今回はポンプ側と冷却塔側、両方のストレーナーを取り外して洗浄しま
した。ストレーナーは薄い金網状で、強く擦りすぎると変形してしまうため、ブラシで優しく汚れを
落としています。高圧洗浄で剥がれた汚れや藻は、そのまま放置すると再付着する恐れがあるため、
ウェットバキューム(水専用の業務用掃除機)で残さず吸引しました。水槽の隅々までバキュームを
かけ、排水溝の中に残った汚れも徹底的に吸い取ります。

仕上げ・点検

全ての清掃工程が完了した後、取り外していたルーバーや外装パネルを元通りに組み立てました。ボルトの
締め忘れや部品の付け忘れがないよう、作業者同士でダブルチェックを行っています。

組み立てが終わった段階で、冷却塔に新しい水を張り、ポンプとファンの電源を入れて試運転を実施しまし
た。清掃前は水面に汚れが浮いていましたが、清掃後は水も透明で、ファンの音も軽快になった印象です。
実際、試運転時の冷却水の温度を計測したところ、清掃前に比べて約2℃低下しており、冷却効率がしっかり
改善していることを確認できました。

最後に、周辺の後片付けと最終点検を行います。養生シートを撤去し、飛散した汚泥や汚水が屋上や排水溝
周辺に残っていないか確認しました。作業前の状態よりも綺麗になるくらいの気持ちで清掃箇所全体を仕上
げています。工具や機材の残置物がないかも入念にチェックし、ビル管理責任者様へ報告をして作業完了と
なりました。

結果と今後の展望

今回の冷却塔クリーニングによって、銀座のオフィスビルの空調設備は本来の性能を取り戻しました。冷却
塔内部の堆積物を除去することで通風が改善され、チラー(冷凍機)への冷却水供給温度も安定していま
す。ビル管理責任者様からも「冷房の立ち上がりが良くなったし、設備から嫌な臭いも消えた」と嬉しい報
告をいただきました。現場のプロの視点から見ても、定期的な清掃が冷却効率維持に効果的であることを改
めて実感しています。

今後も東京都内(特に銀座エリア)のビルにおいて、定期的な冷却塔クリーニングを継続的に提案・実施し
ていく予定です。都市部の高層ビルほど空調負荷が大きく、冷却塔への依存度も高いため、こうしたメンテ
ナンスの積み重ねが建物全体の省エネや設備寿命の延長につながります。プロの業者として、これからも現場
経験を活かしたきめ細かな作業で、ビル管理責任者様をサポートしていきたいと思います。

ビフォーアフター

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