築15年住宅の室内壁紙消臭コーティング施工報告:光触媒クロスコーティングで空気質改善
築15年になる一般住宅で、室内の空気環境を改善するため室内壁紙の消臭コーティング工事を行いました。お施主様は臭いに敏感で、室内でたばこを吸うご家族もいるため、壁紙の消臭と抗菌効果を期待しての施工です。
今回、可視光応答型の光触媒技術を活用し、壁紙の消臭・抗菌機能を高めるとともに、クロスの耐久性向上も図りました。以下、実際の現場での作業手順とその工夫について詳しく報告いたします。
作業手順と現場での工夫
- 現場調査と準備
クロスの状態を詳細に調査し、長年の生活臭やたばこのヤニ汚れなど劣化の程度を確認しました。その上で、室内の弱い照明でも反応する銅ドープ酸化チタン配合の高性能光触媒コーティング剤を選定し、必要な機材も準備しました。
光触媒の種類選びは効果に直結するため、経験を活かして最適な材料を慎重に選びました。
- 室内養生
コーティング剤が壁以外に飛散しないよう、家具や床を専用の養生シートできっちり覆いました。特にスプレー施工では薬剤の微粒子が空中に舞うため、隙間なく保護することが重要です。
私たちは経験上、養生を怠ると後片付けが大変になることを知っているので、この段階で二重チェックを行い、万全の対策をしました。
- クロス清掃
専用の洗浄剤を使ってクロス表面の油脂汚れやホコリを丁寧に拭き取り清掃しました。特にタバコのヤニや埃は光触媒効果を妨げるため、時間をかけて隅々まで洗浄しています。
経験上、この下地処理を妥協するとコーティングの効果が半減してしまうため、一見きれいに見える壁紙も何度もチェックしながら入念に行いました。
- コーティング剤塗布
専用設計のスプレーガンを用いて、壁面全体に光触媒コーティング剤を均一に吹き付けました。噴霧量や噴射角度を綿密に調整し、薄くムラなく塗布することでコーティング効果を最大限に引き出しました。
当社独自の噴霧技術により、微細な薬剤粒子を隅々まで行き渡らせ、肉眼では見えない壁紙の凹凸にも薬剤がしっかり付着するよう工夫しました。
-
乾燥養生
塗布後はコーティング剤を安定乾燥させるため、約24時間の乾燥養生時間を確保しました。この間、効果を高めるため室内は適宜換気を行い、新鮮な空気を循環させました。ただし、強い風でホコリが舞い込まないよう窓の開け方を調節するなど、乾燥環境にも細心の注意を払いました。
現場ではお施主様にも協力いただき、乾燥中は施工空間に立ち入らないようお願いしました。
-
効果確認
施工前後でルミテスターによるATPふき取り検査を実施し、数値の大幅な低下を確認しました。ATP値とは表面に残った有機物(汚れや菌)量の指標で、この数値が下がるほど清浄な状態を意味します。
施工前に比べ施工後はATP数値が劇的に減少し、光触媒コーティングによる除菌・消臭効果を客観的に示す結果となりました。当社ではこのような科学的な検査で効果を「見える化」することで、お客様にも安心していただけるよう努めています。
-
清掃・仕上げ
養生シートやテープ類を慎重に撤去し、室内を元の状態以上にきれいに清掃しました。コーティング剤の飛沫が家具や床に付着していないか隅々まで確認し、床や巾木も拭き上げて仕上げました。
施工現場を「来たときより美しく」して帰るのがプロの心得ですので、最後まで気を抜かず徹底しました。
-
お客様への説明・引き渡し
施工後、光触媒コーティングの効果や壁紙の今後の維持管理方法についてお客様に丁寧に説明しました。例えば、壁紙表面にホコリが積もらないよう定期的に乾拭きすれば、消臭・抗菌効果が長持ちします。
また、強い洗剤で壁紙を擦る必要はなく、普段の簡単な掃除で十分であることもお伝えしました。実際に施工後の室内空気の変化をお客様にも体感していただき、「室内の空気がきれいになった感じがする。臭いも気にならなくなり、これでカビの心配も減って安心です」とのお言葉を頂戴しました。
最終的に施工箇所をお客様と一緒に確認し、効果にご納得いただいた上でお引き渡しとなりました。
施工後の効果とメリット
本施工によって得られた主な効果・メリットは以下のとおりです。
室内空気質の改善と消臭:
光触媒の分解力で生活臭やたばこの臭いが分解され、室内の空気がクリーンになります。
臭いに敏感な方でも違いを感じるほど空気環境が改善しました。
防カビ・抗菌効果:
光触媒には抗菌・防カビ作用もあり、壁紙に付着したカビ菌や雑菌の繁殖を抑制します。
その結果、カビの発生リスクが下がり、衛生的な室内環境が維持されます。カビ由来の嫌な臭いも減り、健康面でも安心できます。
VOC分解によるシックハウス対策:
光触媒コーティングがホルムアルデヒドなど有害なVOC(揮発性有機化合物)を分解除去し、室内空気中の化学物質濃度を低減します。
シックハウス症候群のリスク軽減につながり、特に化学物質に敏感な方でも安心して過ごせる空間となりました。
クロス耐久性向上とコスト削減:
壁紙表面に保護膜が形成されることで汚れが付きにくくなり、壁紙自体の劣化も抑制されます。結果として壁紙の張り替え頻度が減り、長期的に見てメンテナンスコストの削減が期待できます。住まいをきれいな状態で長持ちさせられる大きなメリットです。
このように、本工事により室内環境は大きく改善し、お客様にもご満足いただく結果となりました。
実際に現場を担当した私たちにとっても、お客様の喜ぶ姿を見ることができたことは大きなやりがいとなりました。
今後も培った技術と経験を活かし、臭いや空気環境にお悩みの方のお役に立てれば幸いです。