東京都内戸建て住宅における玄関タイルコーティング施工実績

東京都内戸建て住宅における玄関タイルコーティング施工実績

先日、東京都内の築20年になる一般住宅にて玄関タイルコーティング工事を行いました。玄関タイルは雨水や土砂で汚れが浸透しやすく、一度染みついた汚れはプロでも落としにくいものです。しかし事前にコーティングしておけばタイル内部への汚れの浸透を抑制でき、清掃が格段に容易になります。今回は古い玄関タイルの美観を復元し、汚れに強い玄関土間にすることが目的です。以下、一般住宅の施主様向けに、プロの施工業者として実務的な作業手順と現場報告をまとめます。
 

施工前の状況とお客様のご要望

施工前の玄関タイルは長年の使用で表面にくすみと黒ずみ汚れが蓄積していました。タイル自体に割れや欠けはありませんでしたが、泥汚れが目地に染み込み、美観を損ねている状態です。施主であるお客様からは「玄関の印象を綺麗に保ちたい」「日常の掃除を楽にしたい」というご要望がありました。玄関は「お家の顔」と言われる場所ですが、靴の泥跡やヒールマークで非常に汚れやすく光沢も失われがちです。そこで、防汚効果のあるコーティング剤をタイルに施工し、玄関タイルコーティングによって玄関土間を保護・美装することになりました。
 

使用材料・機材

洗浄用薬剤:タイル専用洗浄剤(汚れの種類に応じて選定)

下地処理剤:タイル用プライマー(タイル表面および目地用)

コーティング剤:玄関タイル用コーティング剤(浸透性シリコン系コート剤)

副資材等:マスキングテープ、ビニールシート(養生用)、刷毛、ローラー、ウエス(拭き取り用)、送風機(強制乾燥用)

機材:高圧洗浄機、ポリッシャー(床研磨機)、送風用ファンヒーター

※プライマーやコーティング剤は当現場のタイル素材(磁器質タイル)に適合する製品を選定しました。耐久性は製品にもよりますがおおよそ5年前後の効果持続が期待できます。
 

施工手順・作業内容

作業は以下の手順で進めました。職人ならではの判断や工夫を交えつつ、安全かつ確実に施工しています。
 

  1. 養生作業(周辺保護)

    最初に玄関まわりの養生を行いました。玄関ドア枠や壁面、下駄箱の蹴込みなど塗料が付着してはいけない部分を、マスカー(テープ付きビニールシート)で丁寧に覆っています。屋外の植栽や床面も必要に応じてブルーシートでカバーしました。養生に十分な時間をかけることで、塗料飛散や汚れの付着を防ぎ、仕上がりの品質を確保します。
     

  2. 下地洗浄(クリーニング)

    続いてタイル表面と目地の徹底洗浄です。まず高圧洗浄機を用いて、表面のホコリや砂埃、カビ汚れを洗い流しました。汚れが頑固に染み付いている箇所には、事前にテストして効果の高かった洗浄剤を噴霧し、ブラシとポリッシャーで丁寧に擦り洗いしています。洗浄水はその都度しっかり回収し、二次汚染を防止しました。

    ポイント:クリアコーティングでは下地に汚れが残っていると透けて見えてしまうため、洗浄工程で可能な限り汚れを除去することが重要です。洗浄と乾燥など下地処理に施工時間の大半を費やしました(約1.5時間)。
     

  3. 乾燥確認

    洗浄後はタイルを完全に乾燥させます。水分が残ったままではコーティング剤の密着不良や白濁の原因となるため、自然乾燥に加え送風機で強制乾燥も行いました。冬場や湿度の高い日は乾きが遅いため注意が必要です。この日は曇天で気温も低く、下地乾燥に通常より時間を要しました。十分に乾いたことを確認するため、タイル表面にビニールを当てて曇りが出ないかテストし、水分残りがないことをチェックしています。  
     

  4. 下地処理(プライマー塗布)

     コーティング剤を密着させ耐久性を高めるため、下地用プライマーを塗布しました。タイル表面用と目地用のそれぞれ専用のプライマーを用意し、刷毛とローラーで塗り広げていきます。目地部分は吸い込みが大きいため刷毛で念入りに塗り込み、タイル表面は均一に薄くローラー塗りしました。プライマー塗布後、充分なインターバル(数十分~1時間程度)を取り、完全に乾燥させてから次の工程に進んでいます。プライマーがしっかり乾くまで待つことで、後施工のコーティング剤がムラなく定着し、剥離しにくくなります。
     

  5. コーティング剤塗布

    下地処理完了後、いよいよ玄関タイルへのコーティング施工です。まずコーティング剤を良く撹拌し、指定の用法で混合・希釈(必要な場合)してから塗布しました。ローラーでタイル全体に薄く均一にコートし、刷毛で細部や目地にも行き渡らせます。厚塗りは乾燥不良やムラの原因となるため避け、慎重な塗布を心がけました。職人の勘どころとして、気温が低い日は塗膜をできるだけ薄く伸ばすように塗装し、乾燥を早める工夫をしています。また、塗り残しや塗りムラがないよう、斜めからライトを当てて光沢の出方を確認しながら施工しました。塗布作業自体の所要時間は約40分程度で、問題なく完了しました。
     

  6. 乾燥・仕上げ

    コーティング剤塗布後は、表面が触れても大丈夫な指触乾燥まで数時間はそのまま養生します。通常、玄関タイルのコーティング剤は表面乾燥に約3~6時間程度を要します(気候条件により変動)。今回も塗布後すぐはタイル全体が濡れ色のように光沢を帯びた状態でしたが、硬化が進むにつれ落ち着いた半ツヤ程度に仕上がっていきました。しかし当日は気温が低かった影響で乾燥が遅れ、お客様の外出予定時刻が迫る中でも塗膜が完全には硬化していない状況でした。私たちは無理に歩行させて仕上がりを台無しにしないよう判断し、急遽持参の小型ファンヒーターで玄関土間を温風乾燥させました。さらに玄関出入口に養生用の堅板を仮設置し、お客様にはその上を歩いて出入りしていただく対応を取っています。

    職人としての工夫:
    焦って未乾燥の塗膜を踏ませることはせず、機材で乾燥を促進しつつ安全に通行できる暫定措置を講じることで、仕上がりへの影響を最小限に抑えました。結果的にお客様のご予定に支障を出すことなく、施工箇所の保護と仕上がり品質の両立を図ることができました。乾燥完了後、養生シートやテープ類を全て撤去し、周囲の清掃をして作業終了です。

     

施工結果と仕上がりの所感

施工後の玄関タイルは、新築時のような清潔感と光沢を取り戻しました。薄く透明な保護被膜によりタイル表面はツヤツヤと濡れたような色合いになり、奥深い風合いが蘇っています。それでいて厚ぼったい塗膜感はなく、素材本来の質感を活かした自然な仕上がりです。実際に水をかけてテストしましたが、水滴は玉状になって流れ落ち、水や汚れが染み込みにくい撥水性が確認できました。泥汚れも簡単に拭き取れるため、今後の掃除・お手入れが大幅に楽になることが期待できます。耐久年数は目安で約5年程度ですが、定期的な水拭き清掃と必要に応じたメンテナンスで美観を長持ちさせることが可能です。

 

施工後、お客様にも仕上がりを確認していただきました。「こんなに綺麗になるなんて驚きました!掃除がどれだけ楽になるか楽しみです。」と大変喜んでいただき、職人冥利に尽きる瞬間でした。玄関タイルは毎日踏まれる場所だからこそ、美しく保つことで住まい全体の印象が向上します。今回の玄関タイルコーティング工事によって、お住まいの「顔」である玄関を保護でき、お客様にもご満足いただけたことを現場担当者一同嬉しく思います。

 

今後も天候や環境条件に留意しつつ、最適な施工プランで品質の高いコーティングサービスをご提供していきたいと思います。玄関タイルの汚れや劣化でお困りの方は、ぜひ専門業者にご相談ください。プロならではの適切な下地処理と丁寧な施工で、玄関まわりを安全で美しく蘇らせることができます。

  

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