東京都内・築15年キッチンシンクに撥水セラミックコーティング施工レポート
東京都内の築15年になる一般住宅で、キッチンシンクのコーティング施工(いわゆるシンク コーティング)を行いました。長年の使用でシンクには水垢によるくすみや細かな傷が蓄積し、日頃のお手入れが難しい状態でした。プロの施工業者として、耐薬品性と撥水性に優れたセラミックコーティング剤を使用し、入念な下地処理と丁寧な施工でシンクに新品同様の輝きを復元しています。本記事では職人目線で、作業前の状態や施工中の工夫、そしてコーティング後に得られた撥水効果とメリットについて、施主様向けにわかりやすく報告いたします。
施工前の状況と課題
施工前のキッチンシンク。水垢で全体が白くくすみ、小さなキズに汚れが入り込んでいます。
築15年使用されたステンレス製キッチンシンクは、ご覧のとおり水垢による白いくすみが広範囲に発生し、全体にどんよりとした印象でした。
日々の洗い物や掃除でスポンジや食器が擦れたことで生じた無数の細かなキズもあり、そこに汚れが蓄積してしまうため掃除しても輝きが戻りにくい状態です。施主様も「頑張って洗剤で磨いてもシンクがピカピカにならない」とお悩みでした。そこで、現状の汚れと古いコーティング(※もし施されていれば)を徹底的に除去し、表面を整えたうえで新たにセラミックによるシンク撥水コーティングを施すことにしました。ポイントは、汚れを落としつつ決して新たな傷を増やさないことです。シンクは金属製とはいえ表面はデリケートなので、強くゴシゴシ擦るだけでは逆効果になりかねません。この課題に対し、職人として最善の注意と工夫を凝らす必要がありました。
施工の流れと職人の工夫
実際のキッチンシンクコーティング施工では、以下の手順で作業を進めました。それぞれの工程で職人ならではの工夫や判断を交え、慎重に対応しています。
1. 作業箇所の養生と準備
まずシンク周辺の作業スペースをしっかり養生しました。シンク台や調理台が薬剤で汚れないようビニールシートやマスキングテープで保護し、排水口にもゴミが入らないようカバーをします。また換気扇を回し、施工中に出る薬剤の臭いや粉塵をしっかり換気しました(安全のため職人はマスクと手袋も着用)。万全の準備を整えることで、後の工程をスムーズかつ安全に進められます。
2. 汚れの除去・下地処理
次にシンク全体の汚れを徹底的に落とします。水垢についてはキッチン用の酸性洗剤を使い、汚れを浮かせてから柔らかいスポンジで擦りました。頑固なくすみや曇りには、研磨剤入りのクリーナーで軽く磨いて金属本来の光沢を引き出します。この際、ステンレスのヘアライン(研磨目)に沿って慎重に研磨するのがプロのこだわりです。目に逆らって強く擦ってしまうと、新たな細かなキズを増やし表面の光沢を損ねてしまいます。そこでスポンジや不織布を動かす方向にも気を配り、シンクの金属目に沿って優しく丁寧に磨き上げました。時間をかけて少しずつ汚れを落としていくと、茶色い汚れやくすみ成分がクロスに付着し、徐々にシンクが明るい銀色を取り戻していきます。下地処理は神経を使う工程ですが、幸いキズを増やすことなく蓄積汚れを除去でき、職人としてほっとした瞬間でした。
3. セラミックコーティング剤の塗布
下地処理後、シンクをアルコールできれいに拭き上げてから完全に乾燥させ、いよいよコーティング剤を塗布します。使用したのは耐薬品性・撥水性に優れたセラミックコーティング剤で、ステンレスシンクなど水回り用途に開発されたプロ仕様のものです。シンク表面に均一な厚みの膜を形成するため、付属の専用スポンジとクロスを用いて一定方向にムラなく塗り広げるのが職人のコツです。奥から手前へ一方向に塗り、往復して塗りムラが出るのを防ぎます。必要以上の重ね塗りもしないよう細心の注意を払いました(重ねすぎるとかえってムラやスジの原因になるためです)。塗布中はホコリが付着しないよう空調を一時停止し、集中して一気に作業します。液剤を塗った直後はシンク全体が薄い膜で覆われたような半光沢の状態になります。
4. 乾燥・硬化と仕上げ確認
コーティング剤塗布後は、膜をしっかり定着・硬化させるため乾燥時間を設けます。室温にもよりますが最低でも5~6時間、可能であれば半日~1日はシンクを使用せず乾燥させる必要があります。今回は施工を朝に行い、一晩かけて乾燥させました。施工前に施主様へ「本日はシンクが夕方以降しばらく使えなくなります」とご了承を得ていたため、スムーズに協力していただけました。十分に乾燥・硬化した翌日、表面を触ってコーティング剤がしっかり定着していることを確認します。最後に乾いた柔らかい布で軽く拭き上げて光沢を最終チェックし、施工完了です。シンク全体がピカピカに生まれ変わり、自分の手で施工していながら思わず笑みがこぼれるほどの仕上がりとなりました。
それぞれの荷物について、搬出入の方法や必要な人員を検討しました。例えば、デスクは搬出時に一時的に脚を取り外せるか確認し、複合機のような重量物は台車(カート)や複数人での運搬体制を用意しました。また、荷物ごとに新オフィスでの設置場所をあらかじめ把握し、スムーズに配置できるよう準備を整えました。
次に、安全対策として養生作業を徹底しました。廊下やエレベーター内、出入口付近などビルの共用部には厚めの養生シートや保護パネルを貼り、壁や床に傷や汚れが付かないよう丁寧に保護しました。エレベーターの内部は特に、大型機器を搬入する際に壁面に接触しやすいため、クッション材で四方を囲み万全の対策を講じました。これにより、搬出入作業中に共用部分を傷つけるリスクを最小限に抑えています。
さらに、ビル管理会社との事前打ち合わせも欠かしません。搬出入に使用するエレベーターの利用時間や経路を調整し、他のテナント様の業務やビル利用者の動線に極力影響を与えないよう計画しました。特に、荷物の運搬がビルの利用者と重ならない時間帯を選定し、作業届を提出することで管理側との連携を図りました。作業スタッフ全員にも事前に安全留意事項を共有し、役割分担と当日の段取りを周知徹底してから作業に臨みました。
施工後の仕上がりと撥水効果
セラミックコーティング施工後のシンク。ステンレス本来の鏡のような輝きが蘇りました。水滴も玉状になって転がり、跡が残りません。
施工後のキッチンシンクは、新品時を思い出すような煌びやかな光沢を取り戻しました。表面の細かな傷はコーティング皮膜で埋められ目立たなくなり、触れると滑らかな手触りです。水を流してみると、シンク全体で水滴がコロコロと玉状になって滑り落ちていきます。撥水効果により水垢の原因である水滴残りが大幅に軽減され、多少の水滴なら自然に排水口へ流れていく状態です。施工前とは違い、水を切るために何度も布巾で拭き上げる必要はありません。まさに“水を弾くシンク”が実現し、施主様にも「まるで魔法みたいに水をはじく!」と驚いていただけました。
こうして得られた主なメリットを、以下にまとめます。
抜群の撥水性で水垢防止:
セラミックコーティング後はシンク表面の水滴が飛び散らず玉になって流れるため、水滴痕やウロコ状の水垢汚れが付きにくくなりました。日常的にシンクに水を流したあと軽く水気を切るだけで、イヤな水ジミが残りません。常に水を弾く状態(強力なシンク 撥水効果)が維持でき、見た目の清潔さが長持ちします。
日々の掃除が格段にラクに:
コーティングにより油汚れや食品カスも付着しにくくなり、多少汚れてもサッとひと拭きするだけで簡単に落とせます。ザラつきのない滑らかな表面になったことで、スポンジが引っかかるようなこともなくなりました。従来はこびり付いた汚れを落とすのにクレンザーでゴシゴシ擦る必要がありましたが、その手間や時間が大幅に軽減され、忙しい毎日でもお手入れが簡単になります。
美観の回復と維持:
白く曇っていたシンクが銀色に輝きを取り戻し、キッチン全体の印象も明るくなりました。細かな傷が目立たなくなったことで清潔感がよみがえり、新品同様とまではいかなくとも「10年以上前の古いシンクには見えない」仕上がりです。施主様からも「交換しなくてもこんなに綺麗になるなんて嬉しい」とのお言葉をいただき、職人冥利に尽きます。この輝きと清潔さを維持するため、これからは軽い汚れをその都度サッと拭き取る程度のお手入れで十分でしょう。
高い耐久性と安全性:
セラミックコーティングは硬度と密着性が高く、一度施工すれば効果が長期間持続します。耐薬品性にも優れているため、台所用漂白剤やアルカリ性洗剤などを使用してもコーティング層が劣化しにくく、シンク自体もしっかり保護されます。頻繁に塗り直す必要のある簡易的な撥水スプレーとは異なり、プロが施工するコーティング被膜は剥がれにくく、数年単位で撥水効果が持続します。これにより、キッチンシンクを常に清潔で美しい状態に保ちながら、設備の寿命も延ばすことができます。
実際に乾燥後初めて水を流した際、施主様と一緒に撥水の様子を確認しましたが、水玉が踊るように流れていく光景には私自身も思わず「おおっ」と声が出るほど感動しました。仕上がりを見た施主様からは「シンクがまぶしいくらい輝いている」「新品みたい!」と笑顔で言っていただけました。プロの職人として、こうしたお客様の驚きと喜びの瞬間に立ち会えるのは何にも代えがたいやりがいです。
まとめ
15年使い込んだキッチンシンクでも、適切な下地処理と高品質なセラミックコーティング剤による施工で、ここまで美観と機能性を取り戻すことができました。施工の鍵は、汚れをしっかり落としつつ表面に新たな傷を付けない職人技と、耐久性・撥水性に優れたコーティング剤の選定です。結果として、水を弾くシンク表面が実現し、日常の掃除の手間も大幅に軽減されました。シンクコーティング施工後のキッチンは清潔感が蘇り、施主様にも大変ご満足いただけています。
キッチンシンクの汚れやくすみでお困りの方にとって、シンクのコーティング施工は交換やリフォームせずにキッチンを蘇らせる有効な選択肢と言えるでしょう。私たち職人も、住まいの大事な設備を長持ちさせ、美しさと機能を維持するお手伝いができて嬉しく思います。今回の施工レポートが、シンクの撥水コーティングに興味をお持ちの皆様の参考になれば幸いです。毎日使うキッチンだからこそ、快適で輝くシンクを保っていただきたい――その想いで、これからも丁寧で確実な施工に取り組んでまいります。