オフィスビルの大規模修繕|コストを抑える方法&高品質の大規模修繕を両立するには?

2025/03/07

建物を長く安全に使い続けるためには、定期的な修繕が欠かせません。

国土交通省のガイドラインでは、建物の機能を維持し、住民の安全を保護するために、定期的な大規模修繕の実施を推奨しています。

 

大規模修繕はとても大掛かりな工事なので、かかる費用も非常に大きくなります。そのため、工事によって発生するコストは、オーナーおよび住民の頭を悩ませる問題となります。

 

また、大規模修繕では、当初出された見積もりから金額が増えてしまうことも少なくありません。大規模修繕のコストが膨らんでしまう原因はなんなのでしょうか?

さらに、コスパのいい大規模修繕を実施するにはどうすれば良いのでしょうか?

 

本記事では、快適な住環境の提供に日々関わっているKIREI produceが、気になる大規模修繕のコストについてじっくり丁寧に解説させていただきます。

 

オフィスビルの大規模修繕|コストが膨らんでしまう理由

オフィスビルの大規模修繕には、額面上のコストだけでなく、二次的なコストがたくさん含まれることになります。

そのため、表面的なコストだけを見積もってしまうと、最終的に思った以上の金額に膨らんでしまうことも少なくありません。

本章では、多くの管理者が見落とす「隠れたコスト」にはどのようなものがあるのかをしっかり解説していきます。

 

大規模修繕における隠れコスト

①事業中断コスト

修繕工事による営業停止や生産性低下は、直接的な工事費用以上に企業に大きな経済的損失をもたらします。

例えば、完全な事業中断が1日続けば、平均的なオフィスビルでは数百万円の機会損失が発生する可能性があります。そのため、工期が伸びれば伸びるほど、事業中断によるコストが跳ね上がっていきます。

事業を中断するコストを最小限に抑えるためには、効率的な工事計画と段階的な修繕アプローチが不可欠となります。

 

②追加調査・設計変更コスト

「作業中に深刻な劣化が見つかり工事が中断する」

「修繕のために用意した部材が適合せず新たに発注し直さなければならなくなる」

こうした、“初期調査の不足による追加調査・設計変更”は、大規模修繕でよく見られるアクシデントです。

これらの予期せぬ作業は、当初の予算を20〜30%も押し上げることがあります。

徹底的な事前診断と、専門家による綿密な調査が、こうした“初手のミスによるコストの増加”を防ぐために非常に重要となります。

 

③メンテナンス後の性能低下リスク

「コストが抑えられるから」という理由で安価な修繕方法を選択してしまうと、将来的なメンテナンスコストや建物性能の劣化を招くリスクがあります。

短期的なコスト削減が、長期的には更に大きな投資を必要とする場合があるのです。

大規模修繕では、その建物の状態をしっかりと見極めた上で、予算と照らし合わせ、最も滴した工法を選択する必要があります。

 


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オフィスビルの大規模修繕|コストを抑えた最適な方法を選択するには?

オフィスビルの大規模修繕には、莫大な金額が必要となります。

また、修繕を依頼する業者によっても、工賃には大きな隔たりもあるため、一般的には複数社から見積もりを取り、検討する必要があります。

 

しかしここで、大規模修繕の最大の目的は「建物を安全に長く使うため」であることを忘れてはいけません。

金額だけで業者を選んでしまうと、質の悪い工事しかしてもらえず、建物の長寿命化に繋がるような結果が得られないことも少なくありません。

 

大規模修繕で重要なのは、限られた予算の中で最大のパフォーマンスを発揮してくれる業者を選ぶことです。

 

この章では、オフィスビルの大規模修繕について、コストを抑えた最適な方法を選択するための手助けとなる情報を掲載していきます。

 

コスパの良い大規模修繕①徹底的な事前診断

修繕計画の成功は、正確な建物診断から始まります。

専門家による詳細な調査で、構造的な劣化状況、修繕が必要な箇所の特定、緊急性の高い個所の洗い出し、中長期的な修繕計画の立案を行っていきます。

また、工事途中で追加調査や設計変更が必要な箇所が出てこないよう、この段階で特に念入りに調査しておくことが求められます。

業者を探す際は、初期診断に特に力を入れている会社を選ぶようにしましょう。

 

コスパの良い大規模修繕②総合的なコスト分析

業者の選定は、単純な工事費用だけでなく、以下の要素を総合的に評価することが重要です。

 

  • 初期投資額
     
  • 将来的なメンテナンスコスト(現在の修繕方法で何年程度もつのか、将来想定される不具合は何か、などを予想する)
     
  • エネルギー効率の改善(古い建材を、最新技術が用いられた建材に変更することで、エネルギー効率が改善しコスパがよくなることがあります)
     
  • 建物の資産価値への影響(修繕により建物の状態を良好に維持できるので、資産価値が高くなる可能性があります)
     
  • 使用年数の延長可能性(修繕をすることで、建物をより長く使える可能性が高まります)

 

 

コスパの良い大規模修繕③計画的・段階的アプローチ

大規模修繕では、緊急性の高い箇所を最優先に調査・修繕し、それほど優先度の高くない箇所を先送りすることで、コストを浮かせる方法もあります。

段階的な大規模修繕は、年度予算に応じた修繕ができる、オフィスの都合に合わせて工事を進められる、といったメリットがあります。

 

コスパの良い大規模修繕④最新技術の活用

最先端の建設技術を積極的に取り入れることで、建物の価値を底上げしたり、エネルギー効率を改善できるなどのメリットが期待できます。

省エネルギー性能の高い建材や耐久性に優れた新素材の使用、効率的な施工方法での施工、デジタル技術を活用した管理手法、これらの手段を駆使することで、長期的なコスト削減が期待できます。

 

コスパの良い大規模修繕⑤二次コスト削減戦略

大規模修繕工事によって発生する二次的なコストを抑えることも、コスパのいい大規模修繕をする上で重要です。

繁忙期を避け閑散期に工事を実施する、代替施設に工事中の部署を移管して運営するなどの工夫をすることで、工事により事業が中断することで発生するコストを低減させることができます。

また、各自治体では大規模修繕に使える税制優遇や補助金制度を提供しています。こうした補助金・助成金制度を活用することも、大規模修繕をコスパよく進めていく上で重要です。


今回の記事では、オフィスビルにおける大規模修繕について解説させていただきました。

 
  • 大規模修繕にかかるコストは、工賃だけではない。
     
  • 工事中に事業ができなくなることや、工事の計画変更などでコストが発生する。
     
  • 質の悪い大規模修繕をしていると、将来的な修繕リスクが跳ね上がり、よりお金が必要になることも。
     
  • コスパのいい大規模修禅をするには、事前診断などの準備を徹底し、数社から見積もりをとって総合的に判断すること、また、予算に応じて工事予定を調整することも大切です。
     
  • 修繕の際、既存の設備を最新の技術が使われた部材、建材に置き換えることで、エネルギー効率が改善したり、建物の価値を底上げできる可能性があります。
     
  • 事業の中断による損益を減らす措置を講じたり、各自治体が提供している助成金制度を活用することで、よりコスパのいい大規模修繕ができる可能性が高まります。
 

重要なポイントは、修繕を単なる“費用”と捉えるのではなく、不動産資産の価値を高める投資と考えることです。適切な計画と実行により、建物の機能性、快適性、そして資産価値を持続的に向上させることが可能となります。

 

経験豊富な不動産オーナーや管理者は、このような総合的なアプローチを通じて、効率的かつ戦略的な修繕管理を実現しています。


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