東京都内オフィスチェアのクリーニング作業報告
東京都内でオフィスチェアのクリーニングを実施しましたので、その作業報告をいたします。
今回は会議室などで使用されているオフィスチェア計48脚を専門機材で徹底洗浄しました。
作業の経緯や手順、現場での工夫について、プロの清掃業者としての視点とともにご紹介します。
- 清掃対象:
オフィスチェア(布張り椅子)48脚 - 作業日時:
午前8時開始・午後2時終了(※14時までに作業完了のご要望 - 清掃方法:
34脚は布部分のリンサー洗浄(洗剤洗浄+高圧すすぎ吸引)、14脚は拭き上げ清掃のみ対応 - その他作業:
全椅子のキャスター(タイヤ)部分の汚れ除去、オフィス床面の養生と後片付け - 使用機材:
小型カーペットリンサー機(ハンドツール付属)、各種洗剤類は事前に自社で準備
6時間程度の作業時間で、計48脚のオフィスチェアを順次クリーニングしました。
汚れの程度に応じて洗浄方法を使い分け、東京のオフィスにふさわしい清潔な状態に仕上げています。
依頼の背景
今回ご依頼いただいたのは、都内でプリクラ機の販売を行う企業様です。
毎年、会議室フロアの大掃除を年末に社員で行っていたそうですが、今年はオフィスチェアの汚れが目立つため椅子クリーニングのプロに頼むか検討されていました。
ビル全体の定期清掃はビル管理会社が実施していますが、コロナ収束後は会議室の利用頻度が増えたこともあり、椅子だけでも専門業者にお願いしたいとのことでお問い合わせをいただきました。
我々はまず現場調査に伺い、椅子の材質や汚れ具合を確認しました。
その上で清掃方法をご提案し、お見積りを提出しています。
椅子の素材によって最適なクリーニング方法は変わります。
例えば本革や天然繊維の椅子の場合、強い薬剤や水を使った洗浄は素材を痛める可能性があるため避けなければなりません。
幸い今回のオフィスチェアは化学繊維(ファブリック)製でしたので、洗剤と水を使ったリンサー洗浄が可能と判断できました。
お見積り後、汚れがどこまで落ちるか心配されていたお客様のために、実際の作業前に1脚をテスト洗浄し、仕上がりを確認いただきました。
このデモで椅子が見違えるほど綺麗になったことから正式にご発注いただき、本作業に至りました。
清掃手順と作業内容
実際のオフィスチェアクリーニング作業は、以下の手順で行いました。
各工程でなぜその作業が必要かも意識し、安全かつ効率的に進めています。
- 準備:作業スペースの確保と養生
会議室内のテーブルや備品を一時移動し、床には養生シートを敷いて周囲を保護しました。
椅子を効率よく清掃できる広さを確保するとともに、洗浄水や汚れが床や壁に飛び散らないよう対策しています。 - ファブリック部分の前処理洗浄:洗剤噴霧とブラッシング
椅子の座面や背もたれ等、布張り部分にカーペット用の洗浄剤(発泡性タイプ)をスプレーし、数分間浸透させました。
洗剤が汚れを浮かせたところで、軟らかいブラシを使って布地を擦り洗いします。
この工程で繊維の奥に染み込んだホコリや皮脂汚れをしっかりかき出し、後工程の効果を高める狙いがあります。 - リンサー洗浄(すすぎと汚水回収):機械による抽出クリーニング
前処理後の椅子について、リンサー(小型のカーペット抽出洗浄機)を使用して布部分の本洗浄を行いました。
リンサーの清水タンクには非発泡性の専用リンサー洗浄剤を入れてあります。
ハンドツールから高圧の洗浄水を布地に噴射しながら、同時に汚水を強力バキュームで回収しました。
高圧水による“すすぎ”と吸引による“汚れの回収”を同時に行うことで、洗剤成分や浮き出た汚れを残さず取り除きます。
各椅子に蓄積したシミや汗汚れもしっかり抽出され、布本来の明るい色合いが戻りました。 - 拭き上げ清掃(非布部分):フレームや肘掛け等の清掃
椅子の布部分以外、例えばプラスチック製の背面カバーや肘掛け、金属フレーム部分は、中性洗剤を含ませたウエスで丁寧に拭き上げました。
手垢やホコリで黒ずんでいた部分も丹念に拭くことで清潔な状態にします。
拭き作業だけでは落ちない頑固な汚れには、スコッチブライト(研磨パッド)やメラミンスポンジを併用し、素材を傷めない範囲で汚れを擦り落としました。
併せて全椅子の脚部キャスターもアルコール系洗剤で汚れとベタつきを除去しています。
キャスターに絡まったホコリや髪の毛も取り除き、床をスムーズに転がるようにしました。 - 乾燥:洗浄後の乾燥促進
洗浄で湿った椅子は、そのままだとカビ臭の原因になるため、十分に乾燥させます。オフィスの空調をドライ運転にして乾燥促進したほか、必要に応じて送風機(ブロアー)も使用しました。特に座面のクッション内部まで湿気が残らないよう注意し、数時間の送風乾燥を行っています。 - 仕上げ・復旧:最終確認と現状復帰
全ての椅子を清掃し終えた後、会議室内の床に洗浄汚水が飛散していないかを確認し、軽くモップ掛けも行いました。
移動していたテーブルや備品類を元の配置に戻し、床養生シートを撤去します。最後に椅子を所定の位置に並べて作業完了です。
清掃後は椅子全体がすっきりと明るくなり、室内環境が一段と快適になりました。
現場での工夫・所感
現場で使用した主な機材は以下の通りです。
- 素材確認の重要性:
今回のご依頼が「オフィスチェアを綺麗にしたい」という内容だったため、まずは椅子の素材を見極めることに注力しました。
前述の通り布地が化学繊維だったので洗剤洗浄が可能でしたが、もし本革やウール素材であれば作業方法を変える必要があります。
プロとしてクリーニング可否の判断や最適な手順の選択は非常に大切だと改めて感じました。素材に合った洗浄法を選ぶことで、汚れ落ちも良く椅子を傷めずに済みます。 - 事前のテスト洗浄とお客様への共有:
お客様は「プロに頼んで本当にそんなに綺麗になるのか?」と半信半疑な様子もありました。
そのため、本施工の前に1脚だけ試しに洗浄する時間をいただきました。実際に洗浄してみると、布が本来の色を取り戻し目に見えて汚れが落ちたので、お客様にもその場で結果を確認していただきました。
このテスト洗浄を行ったことで、お客様には安心感を持って本作業を任せていただけましたし、私たち作業スタッフ側も効果を再確認して自信をもって作業に臨むことができました。
段取りと事前準備の大切さを実感した場面です。 - 当日の臨機応変な対応:
作業当日、偶然にも同じフロアでビルの排水管洗浄作業が行われており、一時的に水道が使用できない状況でした。
しかし事前にビル管理会社から「当日は3階フロアの水が使えない」と共有があったため、当社では事前にポリタンクで洗浄用の水を確保し持ち込む対応を取りました。
現場に入ってから慌てることのないよう、事前情報を踏まえて準備できたのは大きなポイントです。
おかげで水供給が制限される中でも予定通り作業を完了することができました。
使用機材・洗剤
今回のオフィスチェアのクリーニングに使用した主な機材と洗剤をご紹介します。
現場の状況に合わせて適切な道具を選定することも、プロの清掃業者として重要なポイントです。
- スポットリンサー(小型カーペットリンス機)+ハンドツール:
蔵王産業製の小型カーペット洗浄機にハンドツールアタッチメントを装着して使用しました。ハンドツール先端は幅約10cmとコンパクトで、椅子やソファなど狭い範囲の洗浄に最適です。片手で操作できる軽量タイプで、高圧噴射と汚水バキュームが同時に行えます。
椅子の座面など局所的な洗浄でも機動力を発揮し、繊維の奥の汚れまで効果的に抽出できました。 - 洗剤類:
カーペット用洗浄剤(発泡性)とリンサー専用洗浄剤(非発泡性)を使用しました。
前者は布地に吹き付けブラッシングすることで汚れを浮かせるプレ洗浄用の洗剤です。
泡立ちが汚れを包み込んで繊維から汚れを離れやすくします。
後者はリンサー機のタンクに入れて使用するリンス剤で、泡立ちが少なく機械内部に残留しにくい処方です。
すすぎ工程でこの洗剤を用いることで、布に付着した洗剤成分や臭いを残さず洗い流すことができます。
以上、東京のオフィスチェアのクリーニング作業の現場報告でした。
プロならではのノウハウと丁寧な作業で、オフィスチェアが清潔によみがえります。
今回培った経験を活かし、今後もお客様にご満足いただけるクリーニングサービスを提供してまいります。